2020年を振り返るシリーズ第二弾は、こだわって続けてきたマルチストリングのレビューの中から、個人的に気に入った「ベスト5」を紹介します。
なぜマルチストリングなのか!?
マルチストリングは一般的に次のような特徴があります。
マルチストリングの特徴
- 切れる直前まで、テンション維持と性能維持が良好
- ポリ系・ナイロンモノ系と比較して、スピン性能以外は高性能である場合が多い
- 柔軟性と反発の両立(ナチュラルガットに最も近い)
- 素材・構造による個性が大きい
私は、マルチストリングをしっかり目に張り上げた時の打感が好きで、長らくマルチユーザーです。
素材や構造によってものすごく個性があり、ソフトにホールドするものから、硬めで高反発のマルチもあったり、振れ幅が大きいことも魅力です。
だからこそ色々なマルチを試してみたくなるし、よりよいマルチに出会うために終わりなき旅を続けています。
結論!マルチストリングBEST5
2020年に私がレビューした中から、個人的に気に入ったマルチストリングベスト5です。新商品だけでなく、ロングセラーも含まれています。
- テクニファイバー X-ONEバイフェイズ
- キルシュバウム タッチデュラ
- テクニファイバー マルチフィール
- ダンロップ アイコニックスピード
- ヨネックス レクシス
◎殿堂入り:テクニファイバーXR3
1位 テクニファイバー X-ONEバイフェイズ
テクニファイバーの最高級マルチストリングであり、かつてジョコビッチが単張りで使用していたことでも有名なX-ONEバイフェイズ。
ハリがあって高反発、まさしくナチュラルテイストです。定価はかなり高級なものの、思い切ってロール購入してしまえば、最高品質のストリングをかなりお得に張ることも可能です。
2位 キルシュバウム タッチデュラ
タッチデュラは、純粋なマルチストリングとは少々異なり、複雑構造のモノストリングという見方もできる、独特のストリングです。
性能的には、爽快・軽快・優しいのに高耐久という非常に素晴らしい代物でした。
マイナーがゆえ、流通量が少ない、特殊な製造工程のためロールがないという課題はあるものの、一度は試す価値のあるストリングです。
3位 テクニファイバー マルチフィール
マルチフィールはややしっかり目のマルチストリングです。
テクニファイバーが得意とする、ポリウレタン含侵のモノマルチで、基本性能とコスパが高いストリングでした。
耐久性は良くありませんが、これだけ安いのですから、どんどん切ってどんどん張り替え、常に新鮮なストリングを楽しむ、という考え方をすべきストリングです。
4位 ダンロップ アイコニックスピード
バボラの代理店契約を終了したダンロップが、2020年に新たにストリングの発売を開始しました。
そのラインナップのひとつであるアイコニックスピードは、表面コートがしっかりしていてカラっとドライな味わいの、シャープさが心地よい爽快マルチでした。
また、スピン性能がここまで高いマルチはなかなかありません。
もう少しマイルドな、アイコニックオールもかなり完成度が高いのですが、個人的にはこの爽快なアイコニックスピードが気に入りました。
5位 ヨネックス レクシス
大坂なおみがハイブリッドで愛用しているヨネックスのレクシスも、こだわりのつまった高性能マルチでした。
柔らかい割に反発も良く、マイルドなのにボヤけてはおらず、ナチュラル寄りと言ってよい、素晴らしいストリングでした。
意外にも高耐久で、毛羽立ちがなく、なかなか切れなかったことにもかなり驚かされました。
2020年 マルチストリング総括
ベスト5には選ばれなかったですが、良い意味で印象に残ったストリングは他にもありました。
たとえばプリンス エンブレムコントロール。何かが突出はしていないけれど、ある程度のしっかり感、打ちごたえがある、総合点の高いバランス型マルチでした。
上述したアイコニックオールも、やや硬質寄りの、打ちごたえのあるマルチで、その名の通り使い手を選ばなそうなオールラウンド対応のストリングでした。
耐久性を追求するなら、何と言ってもゴーセン マルチCXです。
私の中ではすでに殿堂入りしているテクニファイバーXR3を筆頭に、バボラブリオ、プリンスエンブレムコントロール、ダンロップアイコニックオールあたりは、マルチストリングの基準として、最初に選ぶ価値のあるマルチストリングだと考えます。
市販されているマルチストリングはまだまだ沢山あります。2021年もマルチユーザーとして、とことんインプレ・レビューを続けていきたいと思います。