2020年9月12日追記
”XR3を基準としたマルチフィラメントのインプレ”6本目は、『プリンス エンブレムコントロール17』です。
バランスが売りの爽快なマルチでした!
エンブレムコントロール17のスペック
初体験のエンブレムコントロール17です。
3本のモノ芯を取り囲むマルチストリングであり、XR3と構造的には同様です。違いはポリウレタンが配合されていない点。生産国も異なります。全く違うのか、それとも似ているのか、非常に楽しみです。
張り上げ時点では、表面コートの滑りが良く、マルチながらスナップバックが期待できそうな気がしました。
ストリングのプロフィールをご紹介します。
メーカー | プリンス(Prince) |
---|---|
製品名 | エンブレムコントロール(EMBLEM CONTROL) |
ゲージ | 1.25mm、1.30mm |
カラー | ナチュラル |
素材 | ナイロン |
構造・特徴 | マルチフィラメントの中に、3本のモノ芯が配置される点はXR3にそっくり! |
製造国 | 台湾 |
定価 | 2400円+税 |
メーカーうたい文句 | テンション維持、耐久性に優れたマルチフィラメント
スナップバック効果が得られる滑りの良い特殊コーティングで高いコントロール性を実現 PERFORMANCE INDEX |
エンブレムコントロール17のインプレ
PRINCE TOUR 100P(18×20)52ポンド、1本張りで張り上げました。
さて、延べ1.5時間打った後の☆点数です。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 | |
打感の硬さ |
エンブレムコントロールはモノマルチの良さを感じました。硬質感はないがマルチにしてはやや芯を感じ爽快な反発感、表面の滑りが比較的良好、スピン性能が高い、コントロールが良い印象です。
基準ストリングであるXR-3の評価も記載します。総合点ではほぼそん色のない結果に。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 | |
打感の硬さ |
続いて各性能について、XR3との勝敗も示していきます。
反発感
私がXR3を好む理由は、芯があり、伸縮性が高く、心地よく弾く感覚がマッチするためです。
エンブレムコントロールは、マルチの中では爽快な反発を感じ、心地よい打感と言えます。一方でスピン性能が良好なため、総じてコントロールが良く、飛びすぎる感覚がないのはメリットです。
XR3で感じる伸縮性のある”バネ感”が相対的に少ないですが、これはポリウレタンが入っていない影響と推測します。
XR-3を基準とすると、やや劣りますが決して悪くはない。
ホールド感
マルチの割にハリを感じますが、3本芯の周囲のマルチが、適度な心地よいホールド感も加えてくれます。手肘には非常に優しい感覚です。
スピン性能
マルチの中ではスナップバックが働き、スピン性能は良好です。最初はスピン過多になってボールが浅くなる傾向でした。
もちろんポリエステルには敵いませんが、マルチの中でスピン性能が高い1本を探している方にはおススメしたいです。
比較的表面コーティングは滑りが良いのですが、ナイロンの宿命でやはり1時間半の練習の中でもストリングのキシみは生じてしまいます。ただ、その他マルチに比べるとまだ全然良いほうでしょう。
テンション維持性能
52ポンドで張り上げ、直後は58ポンドの面圧。面圧はかなり出やすいようです。
- 張り上げ翌日、プレー前とプレー後に測定しましたが、あまり大きく落ちていない。初期テンションの維持はかなり良いです。
- 張り上げ15日後、おおよそ4時間使用後54ポンド、▲4ポンド、▲6.9%
- 張り上げ43日後、おおよそ8時間使用し53.6ポンドです。▲4.4ポンド、▲7.6%と下げ止まっています。ノッチも進み、打感も悪化。美味しく打てる賞味期限は過ぎ去りました。
- 張り上げ47日後、おおよそ9時間使用し52.8ポンドです。▲5.2ポンド、▲9.0%とテンション低下は極めてゆるやかです。
- 張り上げ49日後、おおよそ10時間使用した後切れました。切れる直前までテンションは下げ止まった状態でした。
耐久性(切断耐久性)
ヒッティング開始1.5時間後の毛羽立ちはありませんが、少しキシみは出ます。表面コートは割と強い印象です。ノッチは1回の練習では気になりません。今後の経過に注目です。
2020年9月12日追記 張り上げ49日後、おおよそ10時間使用した段階で切断しました。
切断後の修正評価
テンション維持と切断耐久性の評価を上げました。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 |
コスト
2020年6月時点で、定価はXR3より-200円。流通価格はXR3と同程度でしょうか。コストパフォーマンスは素晴らしいマルチです。
ホームストリンガー視点での感想
1.25mmという細さ、マルチの柔軟性がありつつモノマルチのため一定のコシもある、ホールも通しやすい。
新品時のコーティングはややテカテカ、油っこいような印象。色はやや黄色味掛かった半透明。クランプ部分の白潰れははっきりしていますが、クランプの滑りは少ないです。
ストリンガーにとっては非常に張りやすい1本です。
XR3と比較して
この検証はXR3を基準に以下の視点で採点をしています。
- XR3のコストとそん色ないこと
- XR3の打感に劣らないこと
- XR3の耐久性を超えること
評価項目 | 勝 者 | コメント |
反発感 | XR3 | ECも心地よさがあり、僅差 |
ホールド感 | 引分け | 甲乙つけがたし |
スピン性能 | EC | 表面コート強くスピンも良好 |
テンション維持 | EC | 僅差でEC。テンション低下が非常にゆっくり |
切断耐久性 | EC | 10時間はマルチでは強い部類 |
コスト | EC | コスパは非常に良い! |
エンブレムコントロールは、反発感も良好、ホールド感に優れ、スピン性能高めが特徴です。テンション維持はかなり良さそう。全体のバランスが良いストリングでした。
全く一緒ではないものの、総合点ではXR3に並びました。コスト、耐久性、スピン性能を重視するならXR3からの代替として検討する価値があります。
エンブレムコントロール17インプレまとめ
エンブレムコントロール17は、コストパフォーマンスが高く、バランスの良いとっつきやすいマルチです。そして幅広い人に使えそうで、最初のマルチとしてはおススメできます。
推奨プレイヤーをまとめます。
- マルチが好きだがいまのストリングではスピン性能に満足していない
- コストを重視する
- あまりストリングを切らない(切れるまで性能維持したい)
- フラット系にもスピン系にもオールラウンドに対応