2020年9月3日追記
”XR3を基準としたマルチフィラメントのインプレ”9本目です。
今回はXR3と同様のモノマルチの『テクニファイバー マルチフィール17/1.25』です。
性能バランスが良く、モノ感覚で使えるマルチでした!
テクニファイバー マルチフィール1.25のスペック
XR3と同じテクニファイバーの、マルチフィール1.25です。
このマルチフィールですが、定価はXR3よりもかなり安いが同じ素材を配合、同じモノマルチということで、かなり近いフィーリングなのではないかと期待していました。
マルチフィールのプロフィールです。
メーカー | テクニファイバー(tecnifibre) |
---|---|
製品名 | マルチフィール(MULTI FEEL) |
ゲージ | 1.25mm、1.30mm、1.35mm |
カラー | ナチュラル、ブラック、ダークブルー、ネオンピンク |
素材 | ナイロン、ポリウレタン |
構造・特徴 | モノフィラメントコア(1本芯)を有する、マルチフィラメントストリング。テクニファイバーが得意とするポリウレタン配合のナイロンマルチ。 |
製造国 | フランス |
定価 | 2,000円+税(12m)、28,000円+税(200mロール) |
発売開始 | 2018年8月 |
メーカーうたい文句 | マルチフィラメントの反発性、ホールド感、柔らかさを体感可能な、幅広いユーザーにおすすめのハイコストパフォーマンスモデル。 |
テクニファイバー マルチフィール1.25のインプレ
PRINCE TOUR 100P(18×20)52ポンド、1本張りで張り上げました。
さて、延べ2時間打った後の☆点数です。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 | |
打感の硬さ |
良い意味でとても普通な打感!そしてテクニファイバーのポリウレタン入りマルチの心地良さも表現できています。
基準ストリングであるXR-3の評価も記載します。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 | |
打感の硬さ |
続いて各性能について、XR3との勝敗も示していきます。
反発感
反発は良好で、マルチではありますがモノストリングに近い感触です。細めの3本芯のモノマルチであるXR3とは、1本芯のマルチフィールはやや感触が異なります。
心地よいシャープさという点はXR3と共通しますが、やや柔らかいXR3より硬めのマルチフィール。ここら辺は好みの問題となりそうですが、甲乙つけがたい。球離れで言うならマルチフィールが良いでしょう。
マルチストリングとしては硬く、爽快なシャープな反発です。マルチ以上モノ未満という表現ができそうです。
ホールド感
硬めのマルチですが、ポリウレタンの助けもあって程よいホールド感はあります。くわえ込むようなホールド性ではなく、どちらかというとグーっと引き付けてパンっと弾くような軽快な感触です。
柔らかな包み込むホールド感でいうと、XR3が勝りそうです。
スピン性能
表面コーティングの滑りが良く戻りが良い、すなわちスナップバックが良好なストリングです。
スナップバックの良いストリングに変えてスピン量が増えると、ボールが浅くなってしまう傾向がありますが、XR3を基準にすると違和感のないレベルです。程よいスピン量で、コントロールがしやすい、私好みのスピン性能でした。このストリングは良い選択肢になると思います。
マルチの中ではスピン性能は割と良く、それが適度です。
テンション維持性能
52ポンドで張り上げ、面圧は54.3でしっかり出てくれました。使用後の初期テンション低下は普通です。
- 張り上げ直後とヒッティング2時間後のテンション低下は2.6ポンド、▲4.8%とテンション低下は普通レベルでした。
- 7日経過 3時間使用後 49.3ポンド。▲4ポンド、▲7.4%
- 11日経過 約6時間使用後 48.3ポンド ▲5ポンド、▲9.2% かなり消耗が進み、さきイカ状態に。コア芯のみになっている部分が数か所現れる
- 14日経過 約7時間使用後にサーブ練習中に切れました。
テンションはコア芯のみになった状態ですら、最後までかなり維持してくれました。
耐久性(切断耐久性)
メーカーとしては、耐久性が高いマルチ、というのを売りにしているようです。
ヒッティング開始2時間後に、テクニファイバーのマルチに特有の毛羽立ちが少しだけ見られましたが、表面コーティングの滑りはまだ保っています。一回目の使用で、ノッチが少し確認できました。
2020年9月3日追記
結局2週間、約7時間で切れましたので、切断耐久性はXR3より少し良いかな?程度で、一般のマルチの中では決して高耐久性ではありません。
切断後の修正評価
テンション維持はやや評価を上げ、切断耐久性の評価を下げ、総合点はやや低下です。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 |
コスト
2020年8月時点で、定価はXR3より600円も安く、マルチストリングとしては最も安い部類です。非常にお財布に優しいストリングです。
かなり安いにも関わらず、基本性能のバランスも良く、コストパフォーマンスに優れたマルチストリングです。
ホームストリンガー視点での感想
マルチにしては適度にコシがあります。
コーティングはサラッとした感触。クランプ箇所の白潰れはさほど気になりません。クセがなくてストリンガーからするととても張りやすい1本です。
XR3と比較して
この検証はXR3を基準に以下の視点で採点をしています。
- XR3のコストとそん色ないこと
- XR3の打感に劣らないこと
- XR3の耐久性を超えること
評価項目 | 勝 者 | コメント |
反発感 | MF | 心地良さはXR3、シャープさはMF 僅差の結果 |
ホールド感 | XR3 | MFの方が少しだけ硬い |
スピン性能 | MF | スナップバックが良いマルチ |
テンション維持 | 引分け | テンション低下はスロー |
切断耐久性 | MF | 僅差。あまり耐久性は高くない |
コスト | MF | コスパがMFの売り |
マルチフィールは、とにかくコストパフォーマンスが高く、基本的な性能レベルも高いです。やはり打感の心地良さはXR3に軍配が上がりますが、耐久性が本当に良いのであれば、XR3の代替候補に十分なりえます。
2020年9月3日追記
最終的に、テンション維持も良く、切断耐久性もXR3より少し良い程度でしたので、結果としてコストパフォーマンスはXR3より良く、性能的にもXR3の代替候補として検討して良さそうです。
インプレまとめ
低価格モノマルチストリングとして、素晴らしいパフォーマンスだと思います。マルチストリングの入門用としても強くおススメしたい一本です。
マルチフィール1.25はマルチとしては硬めで、モノストリング寄りの感触です。反発、ホールド、スピン、全ての項目のバランスが良い。価格、耐久性も考慮すれば本当に幅広いユーザーのニーズに応えられる、おススメのストリングです。
最後に推奨プレイヤーをまとめたいと思います。
- とにかく安いストリングがありがたい
- ナイロンモノストリングからの切替候補として
- ポリエステルからの切替候補として
- マルチ愛好者だがもう少しスピン性能を上げたい
- マルチ愛好者だがもう少し打ちごたえ(硬さ)が欲しい
マルチ愛好者で少しでも耐久性を上げたい人(今後の検証によって変わる可能性あり)- プレースタイルはオールラウンドに対応可能