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【ストリング】最高のマルチを探す旅その⑪/ヨネックス レクシス125のインプレ(大坂なおみがハイブリッドで愛用中 ”YONEX REXIS”)

XR3を基準としたマルチフィラメントのインプレ”11本目です。

今回は全米オープン2020で決勝に進出した大坂なおみがハイブリッドで使用中の『ヨネックス レクシス125』です。

マルチらしいマルチなのですが、思った以上に心地よく飛ばしてくれるストリングでした!

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ヨネックス レクシス125のスペック

レクシスは、発売開始が2017年と比較的新しい、ポリウレタン配合のマルチストリングです

このストリングが全面に押し出しているのが、三井化学の作る高弾性ポリウレタン”フォルティモ®”です。

フォルティモ®とは、その「耐熱性」 「耐久性」 「弾性」「無黄変性」が認められ「日本ゴム協会賞」を受賞するなど、注目の高機能ポリウレタンだそうです。この素材はストリングにとって間違いなく良い影響を与えそうです。

さて、ヨネックス レクシスのプロフィールです。

メーカーヨネックス(YONEX)
製品名レクシス125/130(REXIS)
ゲージ1.25mm/1.30mm
カラーブラック、オフホワイト
素材芯糸/高強度ナイロン+特殊高弾性ポリウレタン(フォルティモ®)
構造・特徴FRF製法:プラズマ照射
製造国MADE IN JAPAN
定価12m単張り2,800円+税                    240mロール38,000円+税
発売開始2017年3月
メーカーうたい文句

REXISは、柔軟性と反発弾性に優れる特殊高弾性ポリウレタン新素材「FORTIMO®」をテニスストリングに世界初採用。さらに繊維の間に樹脂を高密度に充填し、プラズマ照射を行うことで、繊維と樹脂を分子レベルで結合しパワーロスを軽減。ボールスピードが4%※2、耐久性が21%※2アップし、力強いスピードショットを可能にします。 世界ランキング53位※3の大坂なおみも今シーズン初めより使用開始しており、「包み込むような打感と、パワーがあってコートに収まる高いコントロール性がある。トップ選手と戦う武器になる」と話しています。

※1 「FORTIMO®」は三井化学(株)の登録商標です。
※2 当社従来品との比較、マシンテストによる検証、当社調べ。
※3 ランキングは2017年2月27日現在

YONEX社WEBサイトより

その他、FRP製法(ポリウレタンをマルチ繊維の間に充填し隙間をなくす製法)や、プラズマ製法(プラズマ照射によって、マルチ繊維とポリウレタンを分子レベルで密着させ強度を高める製法)というテクノロジーを用いているそうです。

メーカーもこだわりまくっていますね。

ヨネックス レクシス125のインプレ

PRINCE TOUR 100P(18×20)52ポンド、1本張りで張り上げました。

さて、延べ2時間打った後の☆点数です。

反発感
ホールド感
スピン性能
テンション維持
耐久性(切断耐久性)
コスト(市価)
総合点
打感の硬さ

マルチらしく柔らかい割にしっかり飛ばしてくれるストリング。

マイルドだがボヤけてはおらず、ナチュラル寄りと言えます!

基準ストリングであるXR-3の評価も記載します。

反発感
ホールド感
スピン性能
テンション維持
耐久性(切断耐久性)
コスト(市価)
総合点
打感の硬さ

反発感

このストリング、張っている最中はその柔らかさから、コシがなくてマイルドでグシャっとした感じだろうと想像していました。

しかし、想像通り柔らかくマイルドではありましたが、思った以上に心地よい反発があるのです。食いつきはありつつ、球離れが良い。打球音がけっこう高音なのも心地よくて、プラス評価です。

「グッパンッ!」と飛ばしてくれます。フラットで打つととても心地よいです。高弾性ポリエステルが良い反発を生んでいると思われます。

反発の心地よさがナチュラルの感触に近い!と言ってしまいます。

ホールド感

ホールド感はザ・マルチストリングです。

ただしボヤけた過剰な柔らかさではありません。硬質なゴムのような感触で、一度咥えてから放り出してくれる、メーカーが言う「掴んで飛ばす」という表現が当てはまります。

スピン性能

糸の滑りは最初は悪くないのですが、強烈なスナップバックがあるわけではありません。

反発、ホールド性は良いバランスですが、スピン性能は控えめ。ヘビースピナーが使うためのストリングではありません。

マルチの中でもスピン性能はあまり高くありません。

テンション維持性能

52ポンドで張り上げ、面圧は53.1でした。2時間使用後の初期テンション低下は普通レベルです。

  • 7日経過 約3時間使用後 47.4ポンド ▲5.7ポンド、▲10.7%
  • 18日経過 約6時間使用後 47.4ポンド 下げ止まり状態
  • 33日経過 約9時間使用後 47.4ポンド 完全に下げ止まり状態
  • 42日経過 約11時間使用後 46.5ポンド
  • 44日経過 約12時間使用後 切断

耐久性(切断耐久性)

高弾性ポリウレタンが良い方向に寄与するか!?

ヒッティング開始2時間後、若干のキシみは生じました。表面コーティングは削れてはいませんが、ややノッチは深い。

42日、約11時間使用後、切れる寸前。

44日目に深くなったノッチから切断しました。

切断後の修正評価

初期のテンション定価は通常レベル、その後の維持は素晴らしかったため、テンション維持は少し評価アップです。

切断耐久性は、12時間近く持ったことを考えるとマルチにしては良いです。

反発感
ホールド感
スピン性能
テンション維持
耐久性(切断耐久性)
コスト(市価)
総合点

コスト

2020年9月時点で、定価はXR3+200円とやや高価。マルチストリングとしては中の上くらいの価格です。

ただし流通価格としては、単張り、ロールともにXR3とあまり変わらない程度ですので、コスパは良さそうです。

ホームストリンガー視点での感想

柔らかなザ・マルチです

表面コーティングはややツルっとヌラっとしていて、やや油っけがあるような印象。

ストリングが柔らかいため、横糸を通しにくい穴があったり、柔らかさ故の張りにくさは多少あります。クランプやグリップ時の白潰れもありますし、クランプが滑らないよう注意をしながら張り上げました。

やや慎重さを要する1本でした。

XR3と比較して

この検証はXR3を基準に以下の視点で採点をしています。

  1. XR3のコストとそん色ないこと
  2. XR3の打感に劣らないこと
  3. XR3の耐久性を超えること
評価項目勝 者コメント
反発感XR3僅差。レクシスもかなり心地よい
ホールド感REXISホールド感が売りのひとつ
スピン性能XR3REXISはスピン性能低め
テンション維持XR3早めに切れてしまうが切れるまではXR3に分がある
切断耐久性REXIS柔らかいがハリがあり、意外と耐久性が高い
コスト引分け流通価格はほぼ同等

レクシス125は、XR3からの単純な代替えとはなりませんが、反発性をあまり落とさずにマイルドさを追求したい場合には、検討する価値があります

レクシス125インプレまとめ

まとめます。

レクシス125は、マルチらしい柔らかいストリングですが、ボヤけてはおらず、心地よい反発性があるのでナチュラルの感触に近いと言えます。

メーカーがこだわりまくった最新のポリウレタンによって、高性能を実現していると思いました。テンション維持、切断耐久性も意外と良好です。

ハイブリッドではありますが、さすが大坂なおみが愛用するだけのことはあります。

最後に推奨プレイヤーをまとめたいと思います。

レクシスをおススメしたい人
  • 柔らかいマルチが好みだが、反発性は欲しい
  • ナチュラルに近いストリングを求めている
  • フラットドライブ系、タッチ系に
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