2021年は年初から、それまで愛用していたナイロンマルチフィラメントからポリ系ストリングへシフトし、「ベテランにマッチするポリ系ストリング探し」に終始してきました。結果的に、計26本をインプレすることができました。
ポリ系ストリングが、自分のプレーを押し上げてくれた実感もあって、本当に楽しいトライアルでした。
今年試した中から、特に個人的に気に入った「ベスト5」を紹介します。
ポリ系ストリングのメリットを痛感
以前までは「耐久性重視」「デリケートさの欠片もない」というイメージを勝手に持っていたのですが、使い始めてみて、その進化とメリットに気づかされました。
ポリ系ストリングのメリット
- ナイロンと比較して反発感が低いため、自然と思い切りの良いスイングになる
- オフセンターの衝撃が大きい→スイートエリアを意識しやすくなる
- スナップバックによるスピン性能が高い
- 表面の形状(多角形、ラフ加工、溝加工など)によって、スピン性能(引っ掛かり感)や打感に変化をもたらすことが出来る
- 配合、素材のコンポジット、コーティング処理によって、以前よりもかなり個性が大きく変化
これだけ個性あるストリングが増えていたとは、本当に食わず嫌いはすべきではないと思い直した次第です。
結論!ポリ系ストリング2021 私のBEST5
2021年に私がレビューした中から、個人的に気に入ったポリ系ストリングベスト5です。
- プリンス ハリアーレスポンス
- ヨネックス ポリツアーレブ
- ヨネックス ポリツアーファイア
- シグナムプロ トリトン
- ソリンコ ハイパーGソフト
次点:プリンス ファントムタッチ、ヨネックス ポリツアーエア
1位 プリンス ハリアーレスポンス
プリンスのこだわり、ハイブリッド構造のポリ系ストリングです。
2種類以上の素材を複合させたコンポジットストリングスシリーズ。1本の中にハイブリッド機能を持たせ、それぞれの素材の特徴を引き出しデメリットを軽減させた次世代ストリングス。
グローブライド社 プリンス公式サイト 製品紹介ページより
グローブライドの方からお聞きするに、「ハリアーはエラストマーをポリで包んでいるような構造だが、包んでいるポリ自体は結構硬い」とのこと。この異素材のコンポジットが、絶妙な快適な打感を実現しているのだと思いました。
プリンス ハリアーレスポンス17(HARRIER RESPONSE)は、爽快・柔軟・高反発を、かなり高次元で実現してくれた優秀なポリ系ストリングで、ハゲ打ちにも、タッチ系にも応えられる、オールラウンドな性能が魅力の『試す価値のあるストリング』と断言します。
2位 ヨネックス ポリツアーレブ
ハリアーレスポンスと甲乙つけ難かったのが、このポリツアーレブです。
ヨネックス独自のSIF製法(潤滑性の高いシリコーンオイルをストリング内部に浸透させる製法)によってスナップバック性能が高い、引っ掛かりの良い8角形ストリングです。ポリツアーシリーズの中では硬めの位置づけながら、高反発でハードすぎない心地よい打感でした。
ヨネックス ポリツアーレブ125(YONEX POLYTOUR REV)は、軽めの打感で高反発、引っ掛かりの良さでボールを持ち上げやすい点がメリットでした。
3位 ヨネックス ポリツアーファイア
2位に続いて3位もヨネックスポリツアーシリーズから。ファイアはレブよりはもう少しマイルドながら、同様に爽快に飛ばす力があるストリングです。
SIF製法(潤滑性の高いシリコーンオイルをストリング内部に浸透させる製法)によるスナップバックと柔軟性に富んだ打感。
ヨネックス ポリツアーファイア(YONEX POLYTOUR FIRE)は、爽快・軽快な反発感を持つ、適度にソフトな、ベテラン受けしそう。シリコンパワーが、打感・スピン性能に良い影響を与えています。一度は試しても損がない、そんなストリングです。
4位 シグナムプロ トリトン
ドイツの良心的メーカー”シグナムプロ”が作るトリトンは、ラフ加工によるスピンコントロールの優秀さ、適度な柔らかさが売りの好バランスポリです。
流通価格は激安で、コスパ最高な点も嬉しいです。
シグナムプロ トリトン124(SIGNUM PRO Triton)は、柔軟性と打ち応え、反発感とホールド感の全てで過剰さはなくバランス良好。適度なスピン性能でコントロールにも優れ、テンション維持性能も高い。幅広いユーザーに受け入れられそうなポリストリングでした。
5位 ソリンコ ハイパーGソフト
ソリンコ ハイパーGのソフト版「ハイパーGソフト」。見た目はハイパーGとほぼ同じながら、打感は全く別物です。
ボールをしっかり捕まえて撓んで飛ばす、スイングスピードが速くない人でも十分使えます。柔らかいとは言っても、ボヤけているわけではなく、ちょうど良い線をいっています。
ソリンコ ハイパーGソフト125(SOLINCO HYPER-G SOFT)は、マイルドな打感で球持ち、くわえ込みが特徴。多角形特有の引っ掛かりの良さと反発の良さもあって、バランスの良いソフトポリです。テンション維持性能◎、コスパにも優れるおすすめできるストリングでした。
次点:プリンス ファントムタッチ、ヨネックス ポリツアーエア
ファントムタッチ、ポリツアーエアも非常に好きなポリストリングでした。
ファントムタッチは性能面で欠点がない印象、ポリツアーエアはその名の通り軽快な爽やかな打感。個人的ベスト5には入れませんでしたが、両方とも本当に出来が良いストリングでした。
2021年 個人的ポリ系ストリング総括
個人的ベスト5を見てみると、多角形が2本、ラフ加工が1本、丸形断面が2本でした。
多角形は硬くてしんどいものだと勝手に思い込んでいましたが、全くそんなことはなく、ストリング毎に柔軟性の違いは大きく、非常に個性もあって、とても楽しくインプレができました。
また、シリコンコーティングやシリコン含浸などの表面の滑沢性が工夫されているポリ系ストリングは、好印象のモノが多かったです。糸の硬さの感じ方は、素材そのものだけでなく、表面の滑りの良さによっても変わってくることを知りました。滑りが良いとマイルドに感じやすいのです。
新製品は総じて高性能なものが多いのですが、発売後しばらくは価格が高止まりします。人気が出てくるとどんどん流通価格は下がりますし、カット品も販売されはじめますので、コストを重視する方は、新製品以外から探してみると良さそうです。
日本メーカーは本当に個性があり、性能的に「メーカーの意図」がしっかり表現できていると感じます。海外メーカーでは、シグナムプロやポリファイバーあたりのドイツメーカーはコストパフォーマンスが最高です。
まとめ
2021年は26本のポリストリングをインプレ・レビューしました。
糸の硬さだけでなく、その構造、表面処理、形状などによっても打感の感じ方は大きく影響を受けます。メーカーのうたい文句による先入観、自身の思い込みを持たずに、2022年もどんどん試していきたいと考えています。