”XR3を基準としたマルチフィラメントのインプレ”26本目は、
『テクニファイバー HDMX 1.25(TECNIFIBRE HDMX)』です。これで、テクニファイバーのマルチフィラメントストリングのインプレが完遂しました!
HDMXは、テクニファイバーのポリ&ナイロンハイブリッドマルチストリング(HDMX,DURAMIX,TRIAX)の中では、最も柔軟性があり、硬派さもある、守備範囲の広いストリングです。
テクニファイバー HDMX(TECNIFIBRE HDMX)の特徴・スペック
最初に、製品プロフィールです。
メーカー | テクニファイバー(Tecnifibre) |
製品名 | HDMX |
ゲージ | 1.25mm、1.30mm、1.35mm |
カラー | イエロー(ややグリーンがかった黄色) |
素材/構造 | ナイロン(ELASTYL TM)、ポリエステル、ポリウレタン |
製造国 | MADE IN FRANCE |
価格情報 |
12m:¥ 3,080 (税込) 市価最安値:12mカット品 1,700円 +送料250円 (2021.6.20時点)、200m 21,500円送料込 |
うたい文句 |
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テクニファイバー HDMX 1.25(TECNIFIBRE HDMX)のインプレ
【セッティング】
PRINCE TOUR 100(16×18)
52ポンド、プレストレッチなし、1本張り(ゴーセン張り)
3.5時間打ってきました。★点数です。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 |
打感の硬さ |
私の基準ストリング、XR-3の評価も記載します。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 |
打感の硬さ |
HDMXに用いられる素材について
テクニファイバーが得意とする、ナイロン&ポリのハイブリッドかつポリウレタン配合のマルチフィラメント構造です。
同構造の3本のストリング(HDMX,DURAMIX,TRIAX)の中で、最も柔軟性があるのがHDMXです。
パッケージから確認すると、この3本はそれぞれ素材の配合率が異なり、マルチの撚り方も異なることで、それぞれ打感に違いが出ていると考えられます。
銘柄 | HDMX | DURAMIX | TRIAX |
ナイロン | 34%(Elastyl) | 50% | 50% |
ポリエステル | 33% | 50% | 50% (Thermo Polyester) |
特殊ナイロン | 33%(Thermostabyl) | - | - |
テクニファイバーは、こだわりの素材を使用する場合、「ポリエステル」「ポリアミド(ナイロン)」という一般名ではなく、わざわざ素材の商品名を標記します。
HDMXでは、ナイロンの商品名のひとつである「Elastyl」、「Termostabyl(耐熱性ナイロン)」という商品名を用いていることから、非常にこだわりぬいた素材&配合であることが理解できます。
HDMXのインプレ
その打感ですが、
マルチとしてはしっかり目だが、シャープさと柔軟性の両立が図られている。
一般的なマルチに比較すると、コシを感じます。
ポリエステルを配合することで打ちごたえが加わり、一方でマルチストリングのソフト感も残している。テクニファイバーお得意のポリウレタン含浸によって、弾きの良さも感じられました。
反発感・ホールド感
反発感はマルチとしては中の上といったところ。
私の基準ストリングであるXR3と比較すると、やや抑え目の印象ですが、ポリエステル配合のマルチストリング3本の中では、HDMXが一番飛ばしてくれると感じる人が多いと思います。
ポリやモノに慣れている人からすれば、ホールド感とソフトさが十分に感じられるはずです。
ポリ配合と言っても、しんどさを感じるストリングではありません。
スピン性能
テクニファイバーのマルチに共通する「初期のストリングの滑り戻りがよい」のは、HDMXでも同様でした。そして、HDMXはテクニファイバーのマルチの中では、表面滑沢性の維持が良く、スナップバックを感じられる時間が長いです。
とは言っても、数時間でキシミは生じますので、過度な期待は禁物ですが。
テクニファイバーのマルチの中では、スピン性能は高めと感じました。
テンション維持性能
52ポンドで張り上げ、面圧は50.4ポンドと低めに出ました(特にイレギュラーな張りミスなし)。
当日1.5時間使用後に▲1.7ポンド、3日後に2時間使用して▲3.2ポンドでしたので、テンション維持性能はかなり高いと言えます。
- 張り上げ直後 指定テンション 52ポンド、張り上がり 50.4ポンド
- 張り上げ当日 1.5時間使用後 48.7ポンド、▲1.7ポンド、▲3.4%
- 張り上げ3日後 3.5時間使用後 47.2ポンド、▲3.2ポンド、▲6.3%
- 張り上げ5日後 4時間使用後 サーブ時に切断
耐久性(切断耐久性)
ヒッティング3.5時間で、ややキシミが発生、毛羽立ちが数か所に生じています。
それでも、テクニファイバーの他のマルチと比較すると、かなり耐久性がありそうです。
使用3回目の5日後、延べ4時間使用後、サービスを打った際に切断しました。もう少し耐久性が良いと想像していましたが、テクニファイバーのマルチフィラメントの並み程度の耐久性という結果でした。
コスト
2021年6月20日時点で、定価はXR3より200円高の上位ストリングです。
流通価格は、12mカット品1、950円(税・送料込)ですので、決して安いとは言えないストリング。気に入った方は、ロール購入が良さそうです。
ホームストリンガー視点での感想
柔軟性があってコシもあり、
ホームストリンガーにとっては、とても張りやすいストリングでした。
XR3と比較して
この検証はXR3を基準に以下の視点で採点をしています。
- XR3のコストとそん色ないこと
- XR3の打感に劣らないこと
- XR3の耐久性を超えること
評価項目 | 勝 者 | コメント |
反発感 | XR3 | 弾きの”強さ”でXR3に軍配 |
ホールド感 | XR3 | 高いホールド感 |
スピン性能 | HDMX | 表面滑沢性の維持が良い |
テンション維持 | HDMX | 今後変わる可能性 |
切断耐久性 | 引分け | 5時間以内に切断するケースが多い |
コスト | XR3 | 流通価格は断然安い |
爽快高反発のXR3、それよりはおとなし目で硬派なHDMXという評価です。
XR3では飛びすぎる、柔らかすぎると感じている人には、もう少し打ちごたえがあって強そうなHDMXが良い選択肢になりそうです。
インプレまとめ
テクニファイバー HDMX(1.25)は、しっかり系マルチで、シャープさと柔軟性の両立が図られています。マルチとしては耐久性が期待でき、スピン性能も良さそうな1本でした。
さいごに推奨プレイヤーをまとめます。
- 打ちごたえのあるマルチが好み
- 飛びすぎるナイロンは嫌だ
マルチが好きだが少しでも長持ちしてほしい- ポリユーザー、モノユーザーからの最初の切替候補として
- ハードスピナー以外のすべてのプレーヤーに