※2020.6/20追記しました!
”XR3を基準としたマルチフィラメントのインプレ”3本目です。
今回は『テクニファイバー デュラミックス1.25』のインプレです。
マイルドさと打ちごたえを両立するストリングでした!
テクニファイバー デュラミックス1.25のスペック
XR3と同じテクニファイバーのデュラミックスです。
3本目にこれを選んだのは、先日インプレしたウイルソンNXTコントロールとの比較がしたかったこともあります。NXTコントロールとデュラミックスは、同じポリエステル・ナイロン・ポリウレタンのコンポジットマルチストリング、生産国も同じフランス、ナチュラルの色目もほぼ同じであり、単に”似ている”では片づけられない類似点の多さがあります。
ずばり、NXTコントロールはストリングではよくあるOEM品ではないか?と考えた次第です。前回のNXTコントロールは1.32mmでしたが、今回のデュラミックスは私好みの1.25mm。どのような違いがあるか、評価していきます。
メーカー | テクニファイバー(tecnifibre) |
---|---|
製品名 | デュラミックス(DURAMIX) |
ゲージ | 1.25mm、1.30mm |
カラー | ナチュラル、ブラック |
素材 | ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン |
構造・特徴 | ポリエステルを含む3つの素材による、独特なハイブリッドマルチフィラメント。 |
製造国 | フランス |
定価 | 2500円+税 |
メーカーうたい文句 | パワーと耐久性を求めるプレーヤーに ナイロンとポリエステルとポリウレタンのハイブリッド構造 |
デュラミックス1.25のインプレ
PRINCE TOUR 100P(18×20)51ポンド、1本張りで張り上げました。
さて、延べ2時間打った後の☆点数です。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 | |
打感の硬さ |
いやはや、打った感触はNXTコントロールにそっくりです!!!
基準ストリングであるXR-3の評価も記載します。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 | |
打感の硬さ |
続いて各性能について、XR3との勝敗も示していきます。
反発感
NXTコントロール1.32より細い1.25であるものの、反発の感触はあまり大きく変わりません。ポリエステルが複合されているため、伸縮性が少なく、XR3で感じるような芯があって、パンっと弾くような心地よい反発はありません。マルチストリングの中では控えめな反発に感じます。
XR-3を基準とすると、NXTコントロール同様に飛んでいかなさを感じますので、マルチの柔らかさが欲しくて控えめな飛びを好む人に合いそうです。
ホールド感
NXTコントロールに似ています。やや固いマルチと言えます。伸縮性が少ないため、グーっとくわえ込むようなホールド性ではなく、鈍く包み込むといった感触です。
これもNXTコントロールと同様の表現になりますが、反発力、ホールド性能のどちらも突出させていないのがメリットとなりそうです。
スピン性能
ストリングの細さ、表面コーティングの滑りの良さから、ストリングの戻りが良いと感じられます。この点はNXTコントロールより優れた点でしょう。スナップバックは良好です。
ただ、思ったよりもスピン量が増えたため、ややボールが浅くなりがちでしたので、この点は慣れが必要そうです。XR3より反発が少なく、スピン量が増えた影響でしょう。
マルチの中ではスピン性能は良いです。
テンション維持性能
51ポンドで張り上げた割にテンションが高く出なかった点もNXTコントロールとそっくりです!そして使用後のテンション低下量までそっくりです!!
張り上げ直後とヒッティング初日のテンション低下は3ポンド強と、バボラエクセル、NXTコントロールと同程度です。マルチストリングはこういった傾向なのでしょうか?
2020.6/20追記
張り替え9日後・練習4回目・使用時間約3.5時間ほどで切れました。切れる前の面圧は44ポンドでしたので、張り上げ翌日から9日目までのテンションロスは少ない結果でした。
耐久性(切断耐久性)
ヒッティング開始2時間後にの毛羽立ちはほとんどなく、コーティングもしっかりしています。ノッチも少なく頑丈そう。これもNXTコントロールと同様です。切断耐久性はXR3に勝てそうです。
2020.6/20追記
張り替え9日後・練習4回目・使用時間約3.5時間のところで、スマッシュ練習中に切れてしまいました。ノッチがものすごくできていた訳ではありませんでしたが、フルスイングスマッシュに合えなく切断…
切断後の修正評価
切断耐久性の評価、総合点を少し下げました。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 |
コスト
2020年6月時点で、定価はXR3より-100円、流通価格も安く、コスト面は高評価です。
ホームストリンガー視点での感想
1.25mmという細さ、そしてマルチにしては適度にコシがあるため張りやすいです。
コーティングはさらさらしており、クランプ箇所の白潰れもあまりありません。デリケートさを感じないため、ストリンガーにとっては張りやすい1本です。
XR3と比較して
この検証はXR3を基準に以下の視点で採点をしています。
- XR3のコストとそん色ないこと
- XR3の打感に劣らないこと
- XR3の耐久性を超えること
評価項目 | 勝 者 | コメント |
反発感 | XR3 | デュラミックスはやや鈍さがある |
ホールド感 | XR3 | 鈍く包み込むデュラミックス |
スピン性能 | Duramix | デュラミックスはスナップバックが勝っている |
テンション維持 | 引分け | テンション低下量が双方とも小さい |
切断耐久性 | XR3 | ポリミックスにも関わらずデュラミックスは耐久性が弱め… |
コスト | Duramix | 少しだけデュラミックスが安い |
デュラミックスHD1.25は耐久性は良さそうで、スピン性能は優れますが、やはり打感の鈍さ、心地よい反発性が乏しい、という点からXR3の代替とはなりません。
インプレまとめ
とにかくNXTコントロールとそっくりです。インプレは、細さからくる要因(スナップバックによるスピン性能など)以外は類似しています。マルチにしては打ちごたえはある、やや鈍さのある、飛び過ぎない、バランスが良いストリングと言えるかも知れません。
残念ながらデュラミックスも、XR3より好きとは言えない結果でした。
そして、インスタで交流したプロストリンガーの方に教えていただきましたが、やはりNXTコントロールとデュラミックスの出所は同じだそうです。両方ともフランス製なので、どこが製造しているかは想像できてしまいました。
最後に推奨プレイヤーをまとめたいと思います。
- マルチ初心者
- マルチの柔らかさ、ホールド感が好みだが、もう少し打ちごたえ(硬さ)が欲しい人
- マルチながらスピン性能にも期待したい人
マルチは好きだが耐久性が欲しい人(9日目に使用時間3.5時間程度で切れたため、耐久性の評価は取り消します)- ポリエステルからナイロンへ切り替える際のファーストステップとして
- ストロークもネットもオールラウンドに楽しみたい人に
おススメしたい人もNXTコントロールと似てしまいました…。