長らく自粛が続きましたが、いよいよテニス再開です。テニス自粛前からスタートした”XR3を基準としたマルチフィラメントのインプレ”です。
2本目はモニターストリングに当選した『ウイルソン NXTコントロール16』のインプレです。
マイルドさと打ちごたえを両立するストリングでした!
ウイルソン NXTコントロール16のスペック
人気マルチストリング、NXTシリーズのひとつです。今回、ウイルソンのストリングモニターに当選し入手することができました。SNSの指定ハッシュタグは、#ナチュラル超越ストリング #PR です。
XR3・125と同じゲージで比較したかったのですが、入手できたのは1.32mmです。久しぶりの16ゲージですが評価していきたいと思います。
ナイロン(ポリアミド)とポリエステルの複合素材で成り立つやや珍しいストリングです。他メーカーだと、テクニファイバーのデュラミックス、HDXも同じナイロン&ポリの構成です。マルチストリングにポリエステルを複合する意味合いとしては、切断耐久性の向上、反発力の抑制などでしょうか。ポリとナイロンの良いとこ取りを狙っての構成と想像されます。
メーカー | ウイルソン(Wilson) |
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製品名 | NXT CONTROL16 |
ゲージ | 1.32mm |
カラー | ナチュラル |
素材 | ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン |
構造・特徴 | ナイロンとポリエステルのハイブリッドマルチ。ポリの小束とナイロンの小束をさらに撚り合わせた構造 |
製造国 | フランス |
定価 | 3000円+税 |
メーカーうたい文句 | ポリエステルとポリウレタンの異素材を組み合わせることで生まれた、コントロールし易いナチュラルフィーリングストリング。 |
NXTコントロール16のインプレ
PRINCE TOUR 100P(18×20)51ポンド、1本張りで張り上げました。
さて、スクール2コマ、延べ3時間打った上での☆点数です。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 | |
打感の硬さ |
このように感じました。
念のため、基準としているXR-3の評価も記載しておきます。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 | |
打感の硬さ |
続いて各性能について、XR3との勝敗も示していきます。
反発感
太めの1.32mmであること、ポリエステルが複合されている影響のせいか、マルチストリングの中ではやや控えめな反発性能と感じます(一般的に太い方が伸縮性が落ちる)。同様の理由で打撃音も控えめでした。
イメージとしては一般的なナイロンマルチよりは固く、XR-3を基準とすると、飛ばすためにはもう少しスイングスピードが求められるでしょう。
ホールド感
上記した通り、NXTコントロールはやや固い打感で、通常のマルチの包み込むソフトさは控えめです。
良い言い方をすれば、反発力、ホールド性能のどちらも突出させていないので、マルチ初心者には取っつきやすいと考えられます。現在マルチを使用中で、もう少し打ちごたえを求めている人にもオススメできます。
スピン性能
表面コーティングは割とサラッとしていますが、太めである影響で、ストリングの動きを感じにくいですが使用後のズレは少ないです。スナップバックは程々といった印象です。
また、太さによってストリング面に凹凸ができる影響で引っ掛かりの良さも感じます。引っ掛けてこすり上げるようなスピンも得意と感じます。マルチの割にスピン性能良好です。
テンション維持性能
51ポンドで張り上げた割にテンションはあまり高く出ませんでした。これはゲージの太さのためと想像されます。
張り上げ直後とヒッティング初日のテンション低下は3ポンド強で、最初にインプレをしたバボラエクセルと同程度でした。そして二日目のテンション低下が少なかった点も同様でした。今後、経時的な変化、ヒッティングを繰り返した際の変化をもう少し追っていきます。
2020.7/4追記
張り替え28日後・使用回数7回目・使用時間約5時間ほどで切れましたが、切れる前の面圧は43ポンドでした。テンションロスは割とゆっくりな結果でした。
耐久性(切断耐久性)
ヒッティング開始3時間後にの毛羽立ちは軽度、コーティングはしっかりしています。ノッチも少なく頑丈そうな印象です。この点はXR3に勝てそうです。
切断するまで評価を継続し、追記していきます。
2020.7/4追記
張り替え28日後・使用回数7回目・使用時間約5時間で、濡れたオムニコートで打ち始めて間もなく切れました。1.32mmですので、1.25mmのXR3には勝てると思っていましたが、ほぼ同じ使用時間で切断してしまいました。
切断後の修正評価
切断耐久性の評価を下げました。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 |
コスト
2020年6月時点で、定価はXR3より+400円、流通価格ともに高いようです。
ホームストリンガー視点での感想
ポリエステルがコンポジットされていますが、やはりマルチストリングでしなやかさがあるため取り扱いがしやすく、張り上げやすいストリングでした。
コーティングはさらさらしています。クランプ箇所の白潰れもあまり意識することなく、気を遣うことなく張り上げることが出来ました。ストリンガーにとっては張りやすい部類といって良いでしょう。
XR3と比較して
この検証はXR3を基準に以下の視点で採点をしています。
- XR3のコストとそん色ないこと
- XR3の打感に劣らないこと
- XR3の耐久性を超えること
評価項目 | 勝 者 | コメント |
反発感 | XR3 | XR3の心地良さに勝てず |
ホールド感 | XR3 | ポリ混のNXTコントはややホールド性控えめ |
スピン性能 | NXTコントロール | 僅差でNXTコントの勝利 |
テンション維持 | 引分け | テンションロスがゆっくり |
切断耐久性 | 引分け | 同じテクニファイバーのマルチ同士 |
コスト | XR3 | 定価、流通価格ともにNXTコントが高い |
NXTコントロールは耐久性は良さそう、スピンも悪くないです。しかしながら全体を通しての採点では、XR3の代替とはなりませんでした。
インプレまとめ
XR3とは明らかに異なる特徴のストリングです。マルチにしては打ちごたえがしっかりした、バランスの良いストリングと言えます。
私の好みではないものの、最後に推奨プレイヤーをまとめたいと思います。
- マルチの柔らかさ、ホールド感が好みだが、もう少し打ちごたえ(硬さ)が欲しい人
マルチは好きだが耐久性が欲しい人(28日目ではありましたが、使用時間5時間程度で切れたため、耐久性の評価は修正)- フラットドライブでしっかり打っていく人
- ポリエステルからナイロンへ切り替える際のファーストステップとして
- ストロークもネットもオールラウンドに楽しみたい人に