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【メンタル】テニスメンタル本から学ぶ『メンタルの正解』

自身の弱いメンタルを克服するため、以前はよく読んだテニスのメンタル本。

育児でテニスを6年ほど休止し、3年前にようやくテニスを再開してからはテクニック向上にばかり心をとらわれ、メンタル習得をなおざりにしていました。

改めて思い出したことは、テニスにおけるメンタルも”テクニック”であるということ。練習、試合の中で意識をして実践していかなければ、簡単にさびついてしまいます。

コロナ期間を少しでも有意義にするために、新たなものも含め2冊『テニスメンタル本』を読んでみました。

今後メンタル強化をしていきたい自分のためにも、大切なポイントをまとめておきたいと思います。

Contents

参考としたメンタル本

今回読んだのは2冊。

  • 岩渕聡著『テニス メンタル強化メソッド』
  • 中山和義著『これでゲームに強くなる!テニスメンタル強化書』

後者は以前にも読んだものですが、今回改めて見返してみました。両冊には、かなり共通する内容が多く書かれています。それはすなわちテニスのメンタルで抑えるべきポイントはほぼ決まっているということに他なりません。

上記2冊ともに、誰にでも理解できるような分かりやすい表現で書かれており、ジュニアにもおすすめできる構成です。1日で十分読み切ることができます。

今回は詳細触れませんが、その他に有名なところでは、

  • ブラッド・ギルバート著『ウィニング・アグリー 読めばテニスが強くなる』
  • W.T.ガルウェイ著『新インナーゲーム』、『インナーテニス』

はもう少し読み応えがあり、自分に取り入れられる情報を取捨選択するような使い方をする本だと感じます。今回参考にした2冊と比較すると、より踏み込んだ哲学的な内容もあり、目からウロコの情報もあったりして、読み物としても楽しめます。

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こんな時にどうすればいい!?

テニスのメンタルの理想形は何となく理解しているつもりでも、自分が実践できるかは別の話です。

ピンチで焦らず平常心を保つことができるか?

チャンスでビビらず今まで通りの積極性を全うできるか?

簡単そうだがこれが非常に難しい。テニス経験者であれば誰でも理解ができると思います。

上記のような場面でどのようなメンタルでいるべきか。その答えに近づくために、メンタル本で学んだことを書き進めていきたいと思います。

なぜテニスにおいてメンタルが重要なのか

テニスにおける心・技・体

  • 心=メンタル
  • 技=テクニック
  • 体=フィジカル

実は心・技・体のすべてが”テクニック”であり、すべてについてトレーニングが有効です。にも関わらず、メンタルトレーニングはあまり一般には浸透していません。私のような一般プレーヤーでは、上達が実感しやすいテクニックとフィジカルを優先したくなってしまうからです。

しかしながら、メンタルは正しい考え方や理論を抑えるとその”テクニック”を向上させることができる。テニスが上手くなるためにはメンタルトレーニングが不可欠!ということがメンタル本では共通して説かれています。

自分の中で約束事を作っておく

テニスには対戦相手があるからこそ、様々な感情の波に飲まれます。感情の波は過剰な緊張を生み出し、普段当たり前にできていることが突然できなくなってしまったりします。ですので、普段通りのテニスを発揮するためには揺れ動く感情に対応する、自分なりの約束事を決めておくことが大切だと説かれています。具体的には、

  • 自分自身の特性を理解しておく
  • パターン別(焦った時、ビビった時etc.)の気の持ち方を決めておく
  • 不調時のチェックポイント、切替方法を決めておく

ということです。

ネガティブな感情と言葉を排除する

上手くいかないときほど負の感情に飲まれやすいのがテニスですが、くさっても何も良いことはありません。どんな場面においても、無理やりにでもポジティブな感情に切り替える、ポジティブな言葉に言い替えることは、絶対に必要なメンタルテクニックです。

✕悪い例○良い例
今のポイントを失ったのはもったいなかった…こりゃ負けるな…終わったことは仕方ない!相手だってビビっている、切り替えろ!
(相手のマッチポイント)もう絶対無理だ…(相手のマッチポイント)次の1ポイントは相手の方が緊張している!
実力差がありすぎて絶対に勝てないよ…相手は強いが勝てる可能性は0%ではない!
勝てないと思っていたがやっぱり負けた負けはしたが良いプレーもあった!これからの練習であのプレーに磨きをかけよう!
最近全然成長しないし俺のテニスも限界だな…最近伸び悩んでいるけど、乗り越えるべき壁に到達したんだな、今こそ練習だ!

メンタルトレーニングでは、このようなポジティブ思考を繰り返し練習していく必要があります。弱い心を凌駕するために、ネガティブな言葉を発さず、ポジティブな感情に終始すると決めておくのです。

シーン別のメンタルの在り方

さてテニスのメンタルは、大きくは3つのシーンに分けて考えると理解しやすそうです。

  1. 練習におけるメンタル
  2. 試合中のメンタル
  3. 試合後のメンタル

に分けて考えていきます。

練習におけるメンタル

普段練習していないショットを試合で突然打つことができないのと同様に、普段練習していないメンタルを試合で突然発揮することはできません。メンタルは理論だけではなく、普段の練習において意識習得できることが非常に多くあります

なりたい自分の姿を描く=目標を明確にする

意志のないところに道は開かれません。

目標を描く

  • 自分がどんなプレイヤーになりたいのか
  • 誰を目標とするのか・誰に勝ちたいのか
  • どんな戦績を残したいのか
  • どんなショットを磨きたいのか
  • 何が得意なのか、得意をどこまで伸ばすのか
  • 苦手をどこまで克服するか

これらのイメージがはっきりしている人ほど、上達が早いと言われています。

岩渕さんの書籍に書かれていた、「得意を伸ばす」のと「苦手を克服する」のは、前者の方が断然早いというのは、とても納得できる情報でした。

練習中の高い意識

よく、練習では上手いけれども試合では全然勝てない人がいます。そういう人は普段から練習用の練習をしていて、試合用のメンタルを習得できていないパターンが多いです。

練習では地味に見えるが試合には強い人がいます。そういう人はいつも試合を想定したメンタリティで練習をしているのだと考えられます。

つまり大切なのは練習意識を高く持ち、試合と同様の緊張感を作ること、自分にプレッシャーを強いる条件設定が効果的だということです。例えば、

練習メニュー自身にプレッシャーを与える意識(例)
サービス練習
  • 2球に1球は絶対に入れる
  • 10球連続で入れる 成功するまで続ける など
ストローク練習
  • 30球ノーミス 成功するまで続ける
  • サービスエリアに入れたら負け
  • ベースラインから2m以内に10球連続で入れる
  • ネットミスは腕立て10回 など
ボレスト
  • 自分から絶対ミスをしない
  • ネットミス禁止
  • 30球ノーミス など
試合形式
  • 負けた方がジュースをおごる
  • ミスをしたら即交代 など

上記はあくまでも1例ですが、自分の意識次第で普段の何気ない練習が、メンタルを鍛えるための練習にもなるということです。

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自分なりのテーマを持って練習に臨む

いつも同じ練習ではマンネリをし、「ただ何となく」の練習になりがちです。

練習の成果を残すためには、何かテーマを持って臨むことが重要と言われています。

練習でテーマを設定する

  • 今日はフォアへの回り込みとフォアで決めきることを意識する
  • 今日はとにかくミスをしないことを意識する
  • 今日はスピンとスライスの配分を意識する
  • 今日はより多くの球種を試す
  • 今日の形式では全勝する!

どんなことでも良いのです。自分へテーマを課して緊張感を与える、そうすることで練習の質を高めることが可能です。

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試合中のメンタル

試合前の気持ちのセット、事前準備、試合中の様々なシーンに対応するための気の持ち方を決めておくことが大切です。

試合前の気持ちのセット

極力ポジティブなイメージを持てるようにします。例えばこんなイメージングをしておくことは重要です。

試合前のマインドセット

  • とにかくのびのびテニスをする!
  • 勝っている自分をイメージする(自分の得意プレーが発揮できる)
  • とにかく足を動かして体温を上げていこう!
  • 大好きなテニスの試合ができるだけで、すでにハッピー!
  • ケガをしてテニスができなかった時期もあった、それを考えればとにかく幸せすぎる!
  • 対戦相手への苦手意識は、勝手に自分で作り出したものにすぎない。今までは負けてきたが、次こそ勝てる!

どんな大事な試合でも、どんな相手でも、これからするのは『大好きなテニスの試合』です。死ぬわけではありません。何も恐れる必要はないのです。

試合にいどむ態度

まず事前にできる準備はとことんやっておきましょう。

試合前にできること

  • 会場を事前に十分把握しておく(交通、所要時間の確認)
  • 試合開始に十分間に合う時間的余裕を持つ(到着時間の設定)
  • 準備運動をしっかり行う(ルーティンを決めておく)
  • 試合に必要な道具をしっかり準備・持参する(チェックリスト)
  • はったりの効くウェア、道具を身につける(前夜の準備)
  • 堂々とした態度・自信満々の表情に努める(演技力)
  • 対戦相手をしっかり観察する(事前観察から得る情報)

これらを行っておいて損はありません。そして相手は人間で、ハッタリも十分通用します。逆の立場になれば理解できますが、堂々とした態度は相手に不安を与えます。

試合中の気の持ち方

対戦相手、ポイント数、試合の重要性などにとらわれ過ぎて良いことはありません。適度な緊張感は必要ですが、過度な緊張で本来の実力が発揮できなくなったら、準備していた”気の持ち方”を思い出すときです。例をお示しします。

シーン正しい気の持ち方ポイント 
互いにプレッシャーのかかる場面

緊張するファーストポイント、最初のサービスなど)

  • プレッシャーは自分で作り出しているにすぎない。相手も同じようにプレッシャーを感じているはず。こちらが思い切りよくやれば相手のプレッシャーは高まる!
  • しょせんはただの1ポイントで、何も恐れることはない。うまくいかなくても大勢に影響はない。
  • 思い切っていくが、焦って手打ちのバカ打ちにならないよう、足だけは動かしていこう。サービスはスイングスピードを上げて回転をかけよう!
  • プレッシャーの本質について客観的に理解して切り替える
  • 結果ばかりにこだわらない
  • 結果ではなく、身体の動きを確認するなど意識の視点をずらす
チャンスを逃してしまった=ネガティブに陥りがちな場面

(絶対に欲しかったブレークポイントで、簡単なボレーをミスしてしまった…)

  • ミスはしたが、イーブンに戻っただけだ!終わったことにこだわっても意味がない!
  • 相手にとってはまだピンチが続いている。緊張しているはずだ!
  • 負けてはいないのだから絶対にまたチャンスがくるさ!
  • 切替思考
  • 相手の立場に視点を変える
  • ポジティブ思考
チャンスが巡ってきた=勝ちビビって大事にいきたくなる場面

(過去に一度も勝ったことがない格上に5-4とリードして、サービングフォーザマッチを迎えた場面)

  • プレッシャーは勝手に自分の中で作られただけのもの。たとえ落としてもイーブンになるだけ。こちらは負けて元々、気楽にやろう。
  • 追い込まれた相手の方がビビっているはず!例え負けても後悔はない!
  • しょせん1ポイント。1ポイントに執着しないで、やることをシンプルに決めて遂行してみよう!足を動かして正しい打点に入って積極性を保てば良いプレーを持続できるはず。
  • プレッシャーの本質について客観的に理解して切り替える
  • 相手の立場に視点を変える
  • 結果だけにこだわる意味はない。自分のやることに照準を合わせる、緊張から視点をずらす
絶体絶命のピンチ=身体が委縮する

(市民大会一回戦、ゲームカウント4-5で直前にダブルフォルトをして30-40、相手のマッチポイントとなった場面)

  • 入れにいってミスるのが一番悔やまれるから、ここは絶対に攻めるべきだ!そうすれば、負けたってかっこいい!
  • 今日の試合の中で成功確率の高かった攻め方(相手が嫌がっていた攻め方)でいこう!
  • 相手はチャンスで勝ちビビっているはずだ。こちらが思い切った方がミスする可能性が高くなる!
  • 後悔しない選択肢を選ぶ
  • やるべきことに照準を合わせる
  • 相手の立場に視点を変える
集中が保てない

(疲労、怒り、落ち込みによってパワーがそがれている場面)

  • 少なくともあきらめないことだけはできる!がむしゃらさな姿勢だけなら相手を上回ることができる!
  • 下を向くな!まず表情にパワーをこめよう!
  • 今までも沢山負けたんだから落ち込むことはない!まずはボールを打つことを楽しむだけだ!
  • がむしゃらさとあきらめないことに集中する
  • 動作や表情で自分を洗脳する。自分の内側に集中する。
  • 意識の視点を変える、テニスの楽しさに照準を合わせるなど
ミスが重なってしまった

これ以上ミスしたくないため、固くなってチビリがちになる場面)

  • どうせミスるなら思い切って打ってミスろう!ここはあえて1本スーパーショット狙っちゃおう
  • 打ち方云々ではなく、足が動いてないよ!まずは正しい打点に入ることだけ考えよう!
  • ルーティンを思い出そう(視線、呼吸法、ボールのつき方、構えの姿勢など)
  • ピョンピョンジャンプ、思い切り素振り、マエケン体操など
  • あえて遊びのプレーを入れて、気持ちを切り替える
  • 意識の視点を変える
  • ルーティンの活用による平常心
  • 緊張をリセットする動作を決めておく

どんなシーンでも大切なことは共通しています。

試合中のメンタル まとめ

  • プレッシャーとは自分が作り出した幻想
  • 終わったポイントにこだわっても何も変わらない
  • テニスはとにかく終わるまで負けではない
  • 1ポイントはしょせん1ポイントにすぎない
  • 試合に負けても死ぬわけじゃない
  • テニスをできているだけで幸せなこと
  • チャンスを失っても負けではない、むしろまたチャンスがくる可能性が高い
  • ピンチはチャンス、相手の方がビビっている
  • 結果を気にせず、もっとも後悔しない選択肢を選ぶ
  • 心が定まらないときは、次にやるべきことだけに照準を合わせる、ひとつのことに徹する
  • 意識の視点を変えるための”自分なりのコツ”を準備する
  • ルーティンの動作を決めておく
  • がむしゃらにやるだけなら簡単できる、ベストをつくすことだけならできる
  • 相手の立場になってみよう

試合中のプラス材料はとことん取り入れろ

ごく短時間だけでも、「何も考えなくても自然と入る」、「何をやっても上手くいく気しかしない」 そんなゾーンが訪れた経験は誰にでもあると思います。

ゾーンは無意識下で、知らないうちに訪れるものですが、それに近づける方法もあります。それは、自分をポジティブにとことん洗脳することです。ノッていくためのプラス材料は何でも取り入れるのです。

エースは最大限喜び、相手のミスも自分のショットが良かったせいだと思い込む、セルフトークで自分をほめたたえる、ガッツポーズでテンションをあげる。一方でつまらないミスは既に終わったこととして、一切ひきずらない、気にしない、反応すらしないことです。

また、気持ちのコントロールが上手くいかないときは、あきらめずに、泥臭く、一生懸命に、がむしゃらにやることで、メンタルが上がることもあります。スマートにやる必要なんてありません。プラスになる材料をどん欲に取り入れていきましょう。

試合後のメンタル

試合に負けた時の捉え方で、自身のメンタルを成長させることができます。

[box03 title=”負けた後の考え方”]

  • 自分を上回った相手を認める
  • 自分の中の悔しさも認める
  • 対戦相手、観戦者にアドバイスを聞いてみる(反省点、良かった点も言ってもらう)
  • 自分の良かった点を振り返り自分で褒める
  • 良かった点、反省点を書き出し、今後の練習のテーマにつなげる
  • 今後の目標を設定する

[/box03]

負けた後の考え方

  • 自分を上回った相手を認める
  • 自分の中の悔しさも認める
  • 対戦相手、観戦者にアドバイスを聞いてみる(反省点、良かった点も言ってもらう)
  • 自分の良かった点を振り返り自分で褒める
  • 良かった点、反省点を書き出し、今後の練習のテーマにつなげる
  • 今後の目標を設定する

負けを何か別のもののせいにしたり、怒り狂ってネガティブな行動をとったり、絶対にあの相手には勝てなかったと100%負けを認めてはいけません。負けた後にネガティブなイメージを自分の中に残すのは、今後のメンタルに悪い影響しかありません。

潔く相手の良さも認め、自分の良かった部分も必ず覚えておく、見つけた課題に対して今後の練習で取り組んでいく。敗戦の中からポジティブな材料を見つけ出すことです。

答え合わせ:自分の場合

例えば私であれば、

私が陥りやすいパターン
  • 格上や、絶対に勝ちたい試合ほどビビって振れなくなりしょぼいミスが増える
  • チャンスになると結果を意識してしまい焦ってふかしてしまう

このようなタイプのため、次のように考えることにします。

試合中のメンタル 私の正解
  • 『このプレッシャーは勝手に自分が作り出しただけ。死ぬわけではないのだから、何も恐れる必要はない。ケガでテニスができなかったことを考えれば試合ができて幸せじゃないか。長いテニス人生のたったの1ポイント、1試合だ』
  • 『相手も緊張している。逆に、気楽に思い切ってプレイすることで相手を威嚇してやろう』
  • 『とにかく足を動かして最も打ちやすい打点に入ることだけに集中する。そうすれば思い切って打てるので、ボールも勝手に入ってくれるはず。ミスしたとしても思い切ってやってるのは格好良いんだから、一切気にしなくていい』

私はこんな気持ちを作ることを自分と約束してみました。

さいごに

非常に長文になってしまいましたが、今回参考にした2冊のメンタル本で説かれていることは、まとめるとかなりシンプルです。

テニスのメンタル まとめ

  • ポジティブでいること
  • ネガティブを排除すること
  • 意識や視点をずらすテクニックを覚えること
  • そのための約束事を自分の中で決めておくこと

この意識を本当に徹底できれば、メンタルは大きく改善されそうです。

私もこの記事で書いたことを実践して、メンタルモンスターになることを目指します!

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