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【ダブルス】会心の勝利から学んだ「格上に対しても忘れてはいけない戦略」

アイキャッチ画像:Photo by PIXABAY

先月、スクール内のダブルス大会に参加してきました。市中大会が少なくなった影響か、いつもは出場しない格上の最上級メンバーがこぞって参加し、いつもよりもハイレベルな大会となりました。そのような中、

予選グループリーグで格上の優勝候補の最上級ペアに4-1で勝利

トーナメント準決勝は別の最上級ペアに6-4勝利

決勝は優勝候補の最上級ペアとの再戦で5-6惜敗

準優勝でした。その結果以上に、普段以上の集中力で、格上に対して最高の試合展開ができたことが収穫であり、多くの教訓が得られました。

「会心の勝利」を楽しかった!だけで終わらせないよう、再現性を追求するためにも、今回の教訓をまとめておこうと思います。

Contents

自分と相手を理解する

自分たちの特徴を理解する

まず一番最初に、自分とペアの得意・不得意など、「自分たち」を理解しておくことは最重要ポイントです。

わがペアの特徴
  • 私:40代中盤。得意は、サーブ、ボレー、スマッシュ、脚力。キープ率は比較的高い。後ろにいるより前にいる方がストレスが少ない。シコリ合いで負けることが多く、「攻撃こそ最大の防御」タイプ。焦って無理して自滅、が悪い時のパターン。喜怒哀楽に左右されやすい。
  • ペア:40代後半。ストロークの緩急コントロール自在で、本当にミスが少ない。ネットプレーもそつがない。展開を作ってポイントをとる意識を持ち、守備力も高い。性格は温厚、マイペース、感情起伏が少ない。

相手を理解・分析すること

次に、自分を踏まえた上で、相手を理解することです。

草大会では同時進行でない限り、対戦相手の試合をある程度観ることができます。事前に情報を仕入れ、「相手を知っておくこと」は必ず助けになります

今回、特に我々ペアは事前に話し合い、そして試合中にも気づいたことを共有し合いました。

非常に多くの学びがありましたが、大きく分けて「誰が相手でも実践すべきこと」と「格上と対戦するときに意識すべきこと」があると感じました。

誰が相手でも実践すべきこと

声をかけあう

言うまでもなく、ダブルスの基本。

作戦・配球の確認だけでなく、相手に「何かやってきそう」と思わせる効果があるので、何はなくてもポイント間は必ず話し合います。

ペアが浮き足立ったら落ち着かせるための声掛けができますし、ナイスショットを褒めたたえて気分を上げていくためにも、不可欠です。

試合後の反省は必要ですが、試合中にはペアに対して絶対にネガティブな声掛けはしないのが基本です。

実力下位や不調の人を狙う

どんな相手でも、たとえ格上だったとしても、冷静に見てみると大なり小なりペア間には実力差があります。また、明らかに片方が不調なこともあります。

そして、おそらくその「実力差」は、本人たちが一番理解しているはずです。

実力が下位の人、不調の人を狙うのは、ポイント獲得を容易にするだけでなく、「俺は狙われている」というネガティブな意識を相手に植えつける効果があります。

緩急、コース、球種の変化を使う

どんな相手でも、的を絞らせないことは効果があります。

実力が下の相手であればスピードで押し切ることも可能ですが、格上にはワンパターンの攻撃だけでは通用しません。

どんな相手でも、少し落ち着いてムーンボールやペースを落としたスライス、ファーストサーブにあえてスロースピンサーブを使ってみると、意外とポイントに結びつくことがあります。もし、それがすぐにポイントにならなかったとしても、長い目でみると相手をかく乱することに必ずつながります。変化をつけることは、必ず試合終盤への伏線になってくれます。

相手がミスしたパターンを繰り返す

相手の失敗パターン、不得意パターンは徹底的に利用したいところ。

そのパターンに持っていけば、相手は「ミスを繰り返している」ことを強く意識して、ネガティブになる可能性が増えます。

格上と対戦するときに意識すべきこと

無理なエース狙いをしない

明らかな格上の場合、あまりに相手を神格化し過ぎてしまうことはありませんか?

そして、練習でも成功したことがないような無謀なハードヒットを繰り返して自滅した経験はありませんか?私は、恥ずかしながら何度もやってしまっています…。

格上であっても、無理をしてミスをするなら意味がありません。上述の「変化を使う」以外に、エース狙いをやめて丁寧に沢山返球することも意識すべきことです。

「とにかく返せば何かが起こる!」

出来るだけ角度をつけない

無理をしてしまうケースのひとつですが、格上の前衛を恐れるあまり、むやみに角度をつけてしまうことがあります。

角度をつけすぎてサイドアウトが増えるだけでなく、ショートクロスやストレートへのカウンターを受けやすく、格好の餌食になってしまうことも。

サービス、ネットプレー、ストロークもセンターセオリー重視で落ち着いて展開する方が相手のミスは生まれやすく、こちらのチャンスが生まれやすくなります。

アレーコートまで無理に守ろうとしない

相手にストローク力がある場合、鋭いストレートを恐れるあまり、サイドに寄り過ぎてしまうと、プレッシャーがなくなって相手のストロークを楽にしてしまいます。

自分のペアに、ある程度のストローク力orボレー力があることが前提にはなりますが、「アレーコートへのエースは諦める」くらいの意識を持ってポーチのプレッシャーをかける方が、相手に気持ちよくプレーをさせません。

また、ポーチのプレッシャーをかけている方が、逆に相手のストレートを読みやすくなって、抜かれにくくなります。この意識はかなり効果があります。

相手が自分たちに対して意識していることを察知する

対戦相手が自分たちに対して、一貫した戦術を持っているか持っていないか、どのような戦術を展開しているかを察知したいです。

彼を知り己を知れば百戦殆からず

敵の実力や現状をしっかりと把握し、自分自身のことをわきまえて戦えば、必ず勝つことができる!

相手の感情の変化「ネガティブになっていないか」「高ぶっている状態か」を察知できると、試合展開に生かせることが多いです。

私の実践

最後に、今回のダブルス大会での我々ペアの実践例を示します。

①予選と決勝で対戦 優勝候補の最上級ペア

対戦相手
  • Aさん:40代中盤。某市代表メンバー。フラットドライブ系で、ストロークのコントロールは神。全てのショットの質が高い。ポジションの上げ下げのセンスが光る堅実系。ポーチは少なくネットでのプレッシャーは少ない。強いて言えば瞬発力であれば勝てるかも!?
  • Bさん:40代前半。某市代表メンバー。ベースラインから下がらない攻撃的ストローク、オールラウンダー。Aさんより攻撃力があってリスクを取る。特に苦手ショットがないところが厄介。ボレーのスイングはやや大きい。
  • 序盤からBさんを徹底的に狙い、「狙われている意識」を植えつける → Bさんはミスを連発しやや不調に
  • Bさんは特に展開の速さが好きなので、ネットプレーはペースを落としてセンターに集めローボレーを打たせる → こちらにチャンスボールが増える
  • Aさんに対し、序盤にやや無理をしつつ積極的にポーチを連発 → Aさんに気持ちよくストロークをさせず、結果的にストレートもしっかり読んでボレー対応できる状況に
  • 私のペアはAさんとのストロークで緩急を使って翻弄。ストレートパスが成功し、Bさんはさらに動けなくなって前衛のプレッシャーが消えていく
  • Aさんはポーチにあまり出ないため、こちらはリターンは強打をせずとにかくクロスへ返球 → 遅い展開に相手ペアがやりにくそうな状況作りに成功

4先の予選グループでは本当に上の作戦がはまって、4-1の快勝。

決勝ではさすが自力にまさる最上級ペアに押し切られて、5-6で惜敗しましたが、予選で対戦した時の嫌な印象と、やり辛い雰囲気を引きずっていることが分かりました。

②準決勝 最上級ペア

対戦相手
  • Cさん:30代前半。体育会上がり。フォアバックともにライジングフラット系ストローカー。低く速いストロークながらミスが少ない。ファーストサーブは速いが、セカンドとの落差が大きい。
  • Dさん:30歳前後。初対戦。ストローク・ネットともにバランスの良いオールラウンダー。甘いボールを叩いてくるフォアハンドが強烈。フォアと比較してバックの攻撃力はひと段階下。Cさんより総合力はやや劣る様子。
  • 狙いをDさんに絞り、やはり「狙われている意識」を植えつける → Dさんはなかなか崩れず、しばらくはガンガン決められ続けるものの、中盤からチャンスボールのミスが増加
  • アドサイドを守るCさんは、ストロークの攻撃力と安定感が抜群で、私のペアの緩急も功を奏さず、Cさんが後衛の時こちらはなかなか主導権を握れず。鋭いストレートパスで抜かれまくったが、「大切なポイントでストレートを使う」パターンを把握できたことが後半の伏線となる
  • リターンゲームでチャンスが訪れないものの、サービスゲームは攻守をしっかり遂行し、互いにキープが続く → 互いにノっている状況ではないことも理解
  • 5-4からのリターンゲーム、私とCさんのストローク戦で、Cさんに対して甘いボールが入り、チャンスと捉えて回り込むCさん → 回り込んだ瞬間、素早くストレートケアに走る私のペア → 早々にケアされたことに気づいたCさんはやや力み、ストレートにアウト
  • 得意パターンがミスとなり、やや集中が落ちた様子のCさんサービスゲーム。最後はこちらもやや攻撃的に攻めてブレーク

この試合では、相手が何かを特別意識してプレーしている感じがしませんでした。相手が地力に勝っているのは明らかでしたので、我々を意識するよりは、自分たちの得意プレーに終始していた印象です。

我々ペアは、相手の得意なパターンを口に出して確認し合っていたため、特に大切な場面で、それを潰すことができたのがこの試合の大きなカギとなりました。

まとめ

実力差がある格上に勝利するためには、自分の持てるものを最大限発揮するのはもちろん、相手を理解して戦略を駆使しなければ絶対に不可能です。

ダブルスは、プレーヤーが多い分、本当に戦略が重要です。

今回、格上相手に勝利できたことで、自分が引き上げてられたように感じますし、多くの教訓を得る機会となりました。

さいごに、もう一度重要ポイントをまとめて終わりにしたいと思います。

  1. 声をかけあう、話し合う
  2. 実力下位や不調の人を狙う
  3. 緩急、コース、球種の変化を使う
  4. 相手がミスしたパターンを繰り返す
  5. 無理なエース狙いをしない、丁寧に返球し一本多く打たせる
  6. できるだけ角度をつけない
  7. アレーコートまで無理に守ろうとしない
  8. 相手が自分たちに対して意識していることを察知する

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