”XR3を基準としたマルチフィラメントのインプレ”19本目は、
ヨネックス エアロンスーパー850(YONEX AERON SUPER 850)です。
一言で表すなら、モノを彷彿とさせるしっかり系マルチで性能的にはオールラウンドな1本です。
ヨネックス エアロンスーパー850(YONEX AERON SUPER 850)の特徴・スペック
すでに定番となっているヨネックス エアロンスーパー850を今更初体験してきました。製品プロフィールです。
メーカー | ヨネックス(YONEX) |
製品名 | エアロンスーパー850(AERON SUPER 850) |
ゲージ | 1.30mm |
カラー | イエロー、ブラック、ホワイト、ピンク |
素材 | ナイロン |
特徴 | 芯糸に側糸を巻きつけるダブルワインディング加工によって、マルチとしてはしっかりとした打感、性能維持を売りとしている。 |
製造国 | MADE IN JAPAN |
価格情報 |
定価12m¥2,800+税、240m¥38,000+税 市価最安値\1,960 送料無料(2021.2時点) |
うたい文句 |
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ヨネックス エアロンスーパー850(YONEX AERON SUPER 850)のインプレ
【セッティング】
PRINCE TOUR 100P(18×20)
50ポンド、2本張り
約3.5時間打ってきました。★点数です。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 | |
打感の硬さ |
かなりしっかりした硬めの打感、悪く言うと特徴が少なく、良く捉えると性能バランスが良いマルチストリング
です。
そして、「これってモノストリング?」と一瞬思わされるような、淡泊な打感でもありました。
基準ストリングであるXR-3の評価も記載します。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 | |
打感の硬さ |
エアロンスーパー850は、張っている最中からその特徴を感じとることができました。
経験上、引っ張っている最中にストリングの伸びが大きい糸は、最終的な張り上げの面圧は高く出ます。エアロンスーパー850はまさしくそのような糸で、面圧は比較的高めに出ました。
そして、張った日、プレーした日のいずれも、2月としては異例の20℃近くの気温であったにも関わらず、張り上がったエアロンスーパー850はかなりの硬さで、打ち続けていてもその硬さが持続する印象でした。
反発感
硬さの影響もあり、反発感は大きくはありません。ただし、打ち心地がモノ感覚で、淡泊な反発。
結論として、反発は中程度と感じ取ることができました。
飛ばし過ぎるナイロンマルチが嫌な人には、これくれいはちょうど良いと思います。
ホールド感
マイルドなホールド感は、50ポンドくらいの張り上げテンションだと少な目です。ホールド感を出したいのであれば、もう少し低いテンションへの調整が必要でしょう。
くわえ込む食いつきが好みの人には、第一選択ではありません。
モノストリングよりはマイルドながら、マルチの中ではホールドは少なめと考えてよいでしょう。
スピン性能
マルチの束を、側糸でしっかりと巻いている「ダブルワインディング加工」のおかげなのか、糸の表面はしっかりしていて、ストリングの戻りも比較的良く、キシミも比較的生じにくいです。
その影響で、スピン性能は良く感じます。マルチのスピン性能としては良好です。
テンション維持性能
50ポンドで張り上げ、面圧は56.2ポンドとかなりしっかり面圧が出ました。
張った当日に1.5時間使用後、初期テンション低下は3ポンド。翌日2時間ヒッティングし、さらに1.1ポンド低下しました。初期テンション維持は、マルチとしては平均的なレベルでした。
一方で、多少テンションは低下しても、硬質な打感は維持される印象です。今後の打感の変化と合わせて評価してみたい1本です。
- 張り上げ当日 約1.5時間使用後 53.2ポンド ▲3ポンド、▲5.3%
- 張り上げ翌日 延べ約3.5時間使用後 52.1ポンド ▲4.1ポンド ▲7.3%
- 張り上げ14日後 延べ約6時間使用後 46.3ポンド ▲9.9ポンド ▲17.6%
耐久性(切断耐久性)
ヒッティング3.5時間での、キシミとノッチは、マルチとしては少ないレベルです。切断耐久性はかなり期待が出来そうです。
コスト
2021年2月時点で、定価はXR3より+200円高の¥2,800、流通価格はカット品が見当たらないため、やや高止まっています。
楽天市場での最安値は、\1,960(送料込)です。ヨネックスのロールは240mとかなり長いので、ロールで購入する方が割安感がありそうです。
ホームストリンガー視点での感想
適度なハリと柔軟性で、非常に張りやすいマルチでした。
張り上げ中のストリングの伸び(伸縮性)が大きい糸だと感じました。
XR3と比較して
この検証はXR3を基準に以下の視点で採点をしています。
- XR3のコストとそん色ないこと
- XR3の打感に劣らないこと
- XR3の耐久性を超えること
評価項目 | 勝 者 | コメント |
反発感 | XR3 | 圧倒的にXR3 |
ホールド感 | XR3 | ソフトさも圧倒的 |
スピン性能 | 引分け | |
テンション維持 | 引分け | |
切断耐久性 | AS850 | おそらく |
コスト | XR3 | 定価・流通価格ともに安い |
全く系統の違う糸なので、私の主観だけで判断してしまうのが今回は申し訳ない気持ちですが、爽快で心地よいXR3と比較すると、武骨さのあるエアロンスーパー850は、代替候補とは考えにくいです。
XR3ではパワーがありすぎて、打ちごたえの部分で物足りないと思う人なら、エアロンスーパー850は候補にできるストリングです。
インプレまとめ
ヨネックス エアロンスーパー850(YONEX AERON SUPER 850)は、モノストリングを彷彿とさせるような、かなりしっかりした硬めの打感です。
性能を突出させないことで、バランスを図っているマルチストリングと感じ取ることができました。
さいごに推奨プレイヤーをまとめます。
- しっかり系マルチが好き
- モノよりは柔らかい打感を求めている
- テンション維持を求める
- オールラウンドプレーヤー
- プレースタイルを選ばず選択可能