先日、コーチから借りて試し打ちをしたピュアストライク100があまりに良くて、すっかり落ち着きを失ってしまいました。
現在のメインラケットは、プリンスツアー100で、とても気に入って問題なく使用しているものの、自分のモットーは、
「テニス人生は一度きり。常に自分にとって最高の道具でテニスをしたい!」
未知のラケットもどんどんトライすべきと思い、思い切って入手。ピュアストライクは発売されて間もなく2年、決してニューモデルではありませんが、今更ながら打ってまいりました。
90年代にテニスを始めたベテランの私にとっては、バボラは新参メーカーのイメージが抜けず、これまで使わず嫌いできたのですが、いやいや本当に良いラケットでした!
バボラ ピュアストライク100の製品プロフィール
スペック・製品情報
最初にカタログスペックの紹介です。
バボラ ピュアストライク100(2019年モデル) | |
フェイスサイズ | 645cm²(100inch2) |
平均ウェイト | 300g |
バランス | 320mm |
全長 | 685mm(27inch) |
スイングウェイト | 295 |
フレーム厚 | 21-23-21mm |
RA値 | 72 |
素材 | グラファイト(カーボン) |
グリップ | Syntec Team、サイズ1、2、3 |
ストリングパターン | 16×19 |
推奨テンション | 23-27kg(51-60lbs) |
推奨ストリング | RPM Blast/VS |
メーカー希望小売価格 | 34,000円+税 |
発売 | 2019年10月 |
生産国 | 中国製 |
メーカー製品説明 |
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フェイスサイズ、重量はまさしく黄金スペック。やや薄目のフレームとなり、往年の薄ラケで育った我々世代にも受け入れやすいスペックです。
断面形状は、ボックス、楕円、凸状の複合型フレームです。
ピュアストライク100のインプレ・レビュー
自分の基準ガット『シグナムプロ ファイヤーストーム』を張った上で、ヒッティングしたインプレ・レビューです。
実は最初に、私のマルチの基準ガット『テクニファイバーXR3』を試したのですが、このラケットとの相性があまりよろしくなかった上(弾きが良く飛距離が出過ぎてコントロール不良、引っ掛かりが良すぎて狙った以上にクロスへ飛ぶなどの違和感)、わずか1.5時間ほどで切断してしまったため、ポリの基準であるファイヤーストームで打ち直しました。
尚、私は比較的硬めで飛び過ぎないラケットを好んで愛用していますので、そのような者が語るインプレとしてご理解ください。
セッティング:シグナムプロ ファイヤーストーム 1.25mm、50ポンド、1本張(GOSEN張り)
フレックス(フレーム硬さ)
フレックスとしては間違いなく硬め、RA値72は伊達ではありません。
当然しなりが少ないのでこのフレームをしんどいと感じる人もいるとは思います。
一方で、パワーロスが少なく、スイング通りのパワーをボールに伝えられ、ボールスピードは上げやすい印象です。硬質フレームが故の高反発感を感じました。
フェイスサイズ、重量は黄金スペックで守備範囲は広いため、上級、中級というレベル分けでなく、あくまでもプレーヤーのフレックスの好みで選択できると思います。
打感:ハードさとマイルドさが共存
もう一点付け加えるべき情報として、フレックスは硬めにもかかわらず、衝撃吸収性能が高く、マイルドにすら感じる点。
昔ながらのガチガチ系ラケットではなく、ハードさとマイルドさが共存している素晴らしいラケットです。
この打感を実現したのは、バボラの用いる様々なテクノロジーによるものと考えられます。後述したいと思いますが、”C²ピュア フィール”、そのフレーム形状、ウーファーグロメットなどが寄与しているのでしょう。
ハードながらマイルドさも実現した点は、私にとっては不思議な感覚でした。もちろん良い意味で!
また、このラケットはフェイストップ気味に打つ時の方が、明らかに良い感触で打てるラケットです。逆に根元で当てた時はかなり感触が悪いため、私はトップ気味に打つことを意識するようになりました。これは、素晴らしい副次的な効果でした。
スピン性能
とても引っ掛かりの良いラケットで、スピン性能が高いです。
現在愛用しているツアー100と比較すると、こちらの方が楽に自然に掛かってくれる印象。その分、若干浅くなりがちでしたが、使い慣れれば許容できる範囲です。
回転系サーブも非常に掛かりが良いです。
バックスライスは非常に好感触でした。
この引っ掛かりの良さは、独特のフレーム形状が大きく貢献していると思います。
コントロール:ボックス系ユーザーには慣れが必要
コントロール性能は、反発=飛びとスピンの結果で得られますが、
フレーム自体の反発は良いが、スピンの掛かりが良い分、特に私の様なボックス系ユーザーには深さのコントロールの部分で慣れが必要です。
コントロールについては、余計なことをしない、自分の意志を邪魔しないツアー100に軍配が上がります。
デザイン:派手だが威張りの利く”ティームと同じラケット”の満足感
少々派手ではあるものの、何と言っても大人気選手”ティーム”が使用する、威張りの利くモデル。既に巷で見慣れたこともあり、どこで使っても恥ずかしさもありません!
意外と重く感じる!?
私が現在使っているプリンス ツアー100は310g、バランス310mm、スイングウェイトが290です。
一方、ピュアストライク100は300g、320mmながら、スイングウェイトが295であり、ツアー100との大きな違いは感じませんでした。
ある程度の重量感を感じるバランスに仕上がっていて、個人的にはとてもフィットしました。
ピュアストライク100に搭載されたテクノロジー
ピュアストライクシリーズに用いられているテクノロジーです。
C²ピュア フィール/ウーファーグロメット
フランスのSMAC社が開発した振動吸収素材(最新の航空機などに使われている独自の素材SMACWRAP=細い粘弾性のゴム)を、3時9時の位置に配置することで、振動吸収性と心地よい打球感を実現している、というのがC²ピュアフィールなるテクノロジーです。
ピュアストライク100の、ハードなフレックスながらマイルドな打感には、このテクノロジーが大きく貢献していそうです。
また、バボラ伝統のウーファーグロメットは、一定の球持ち感を与えてくれます。
コントロールフレームテクノロジー
ボックス、楕円、凸型が部位別に複合的に組み合わさった、独自の断面形状のことで、このフレーム構造によって安定性とレスポンスが向上するとされています。
ピュアストライク100のインプレまとめ
ピュアストライク100はかなり完成度の高いラケットです。
- 硬質ながら本当にマイルドで、思ったほどしんどさがない
- 反発感は良くスピード感がある
- 引っ掛かりが良くスピン性能に優れる
- 重量感があるため、ある程度のパワーは必要
- フェイストップで打つとその良さをより引き出せる
このようなラケットでした。
余計なことを足さない、意志疎通のしやすいマイラケットのプリンスツアー100と比較すると、ピュアストライク100はもう少し特徴的な打感で、サポートも大きく感じます。
最後は、推奨プレーヤーで締めくくりたいと思います。
- ティームに憧れている人
- ある程度のスイングスピードがある人
- より簡単にスピンを掛けたい人
- 硬めの薄ラケが好きな人