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【テニスラケット】復刻記念 なぜプリンスグラファイトは名器なのか!?|グラファイト徹底解剖

当記事はPR・広告を含みます。

目次

私がテニスを始めた当初は大好きだったステファンエドバーグに憧れすぎていて、ウイルソンプロスタッフ(ミッド、後にクラシック)を使用していましたが、恐らく腕前に見合っていなかったのでしょう。大学に入り、テニスで伸び悩んでいた時期に思い切ってラケット変更をしました。

そのラケットがプリンスグラファイト110です。そしてグラファイトに変更してから、テニスが変わり自覚できるほどメキメキと上達することができました。テニスで初めて”ゾーン”を感じることが出来たのもグラファイトを使ってのことでした。

1978年の発売以来ファンに愛され続けてきたグラファイトシリーズで、この度新たに”ファントム グラファイト”が発売されることになりました。

この機会に古き良きプリンスグラファイトを振り返ってみたいと思います。

グラファイトは歴代で8タイプ

ウイルソンのプロスタッフと並び、稀にみるロングセラーラケットであるグラファイト。グラファイトもやはりプロスタッフと同様に年代によって仕様が異なります。

グラファイトの存在価値は、110平方インチ(後に107平方インチに訂正された)のフェイスサイズによってスウィートスポットが拡大され、より攻撃力のあるプレイが可能になったということにつきます。

私が愛するスマッシュ最新号(2020年5月号)に、ちょうどグラファイトが特集されていましたので、まとめて紹介していきます。

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モデル年代特徴
初代1978年~グロメットレスによってダイレクトな打感が演出されていた初代モデル。米国製。当時の正規輸入価格は何と9万円
2代目1985年~単独グロメット(通称ピングロ)に変更。その他仕様は初代から変更なし。米国製
3代目1987年~初代~このモデルまで緑の1本ライン、シャフト付け根のprinceロゴが緑字。ブリッジが全体的に上部へシフト。米国製 
4代目1988年~バンパーが初めて装着される。ストライプが4本線に変更される。ラケット上部にフェイスサイズの”110”が入り、シャフト付け根のprinceロゴが金文字へ変更。グリップエンドの金色のPロゴは塗料が弱くすぐに削れてしまった。台湾製
5代目1992年~ラケット上部の文字が金色の”OVERSIZE”に変更。5代目の途中でグリップエンドが現代的な仕様に変更され、塗料の剥がれを心配する必要はなくなった。台湾製
6代目1996年~1本線ストライプに再変更される。ラケット上部の文字はなくなる。タイ製
7代目2002年~シャフト付け根のprinceロゴが大きくなる。ラケット上部の”OVERSIZE”文字が復活。中国製
8代目2014年~素材・構造的な進化があった模様。中国製

参考:スマッシュ2020年5月号

左が5代目グラファイトOVERSIZE、右が4代目グラファイト110

私が初めて店舗で眺めたグラファイトは3代目です。すでに4代目が発売され始めていて、モデル落ちしていたにも関わらず、強気の価格設定で売られていたことを記憶しています(笑)。3代目まではより薄ラケ(17mm)で、実際に打ったことはありませんが、4代目以降とは別ラケットだったと推測されます。

そして大学時代に、人から譲ってもらい使い始めたグラファイトは4代目のグラファイト110でした。その後、5代目のOVERSIZEを2本購入しました。

上述の通り5代目はエンドキャップの仕様で前期・後期に分かれます。

グラファイトの仕様

現行モデルのスペックです。

フェイスサイズ107inch2
平均ウェイト320g
バランス315mm
全長27inch
スイングウェイト288
フレーム厚19mmフラット
グリップオリジナルレザー
パターン16×19
推奨テンション48-53-58lbs

推奨テンションは実は時代によってまちまちです。私の保存しているグラファイト110では、『60-75ポンド』が推奨とプリントされています!

グラファイトの語るべきポイント

ウンチクの宝庫グラファイト。押さえておくべきポイントを何点か紹介していきます。

かつてのトップ選手たちが愛用

プロスタッフミッドに負けず劣らず、トップ選手たちに愛用されたのがプリンスグラファイトです。マイケル・チャン、アンドレ・アガシ、ガブリエラ・サバティーニ、モニカ・セレシュ、杉山愛など。

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1989年全仏オープン優勝時、チャンの手に握られていたラケットは4代目グラファイト

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サバティーニはヤマハ プロトEX-110へ乗り換えるまではグラファイトを愛用

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アガシはキャリア当初はグラファイトだった 

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ヨネックスの印象が強いかつてのNo.1セレシュも初期はグラファイトを使用 

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若き日の杉山愛もグラファイトを使用していた。その後、グラファイトロングボディ、トリプルスレッド、モア、O3、EXO3など進化するプリンスの最新テクノロジーを柔軟に取り入れた。ダブルス世界ランク1位、ダブルスグランドスラム3度制覇は間違いなく世界に誇れる名選手である。

かつてのトッププレイヤーたちが愛したグラファイト。上記選手たちは他メーカーに契約変更しても、オーバーサイズのラケットにこだわって使用していました。なお、チャンはグラファイトのロングボディへ移行し、杉山選手はプリンスの最新テクノロジーを柔軟に取り入れ、最終的に100平方インチのモデルに移行していきました。

本当に偉大なるグラファイト!!

優れた機能的デザイン

グラファイトは、『ブリッジ』や『クロスバー』『グラファイトヨーク』とも言われる、スロート部分を横切るバーが最大の特徴です。

元々硬質感の高いフレームである上に、このブリッジが相まってとてもねじれに強い高剛性のフレームでした。今の時代のラケットではめったにない、非常に硬質なラケットで、ごまかしがない分、自分のやったことがそのまま打球に表れるイメージのラケットでした。

このデザインはその後、他メーカーのトーナメントモデルでも多く真似され、ブリヂストン、ダンロップ、ロシニョールなどでもクロスバーが用いられたモデルが販売されました。

グラファイトが実現してくれたもの

107平方インチのデカラケは、大きくて当たりやすいため、とにかく思い切ってスイングすることができます。その結果として、次のような効果が実感できました。

  • ボールスピードアップ
  • スピン量アップ
  • スマッシュの確率アップ
  • 当たり損ねを回避してくれる

スイートスポットの大きさはケガ予防にも寄与するかもしれません。当時はグラファイトにナイロンストリングを63ポンドくらいで張っていましたが、ケガをした記憶は一切ありません。

当たり損ねが少ないため、スマッシュ、ボレーも怖がらずにネットプレーも積極的に出来ました。

怖がらず、思い切って、振り切れるグラファイトがこの意識を与えてくれたおかげで、当時飛躍的に上達できたのだと実感しています。

個体差は大きい

この当時はプロスタッフミッドなどもそうでしたが、個体による重量差が本当に大きかった。5~10gくらいの差は想定範囲内でした。

私が所有していたグラファイト110とOVERSIZEは、およそ5g程度異なったため、ガードテープやダンパーで調整していました。記憶ではストリング張り上げ後に345g程の重量でしたが、バランスがトップライトのためそこまで重さを意識することはありませんでした。

デメリットは!?

一般的に、大きいラケットは振り抜きが悪いという印象や先入観があります。

しかしながら実際にプロスタッフから乗り換えた私にすると、振り抜き云々よりもデカラケであるメリットの方が圧倒的に勝っていました。むしろ19mmの薄ラケだったこともあり、振り抜きも決して悪くはありませんでした。

唯一上げられるとすれば、硬質なフレームであるが故にやや破損しやすい印象があります。当時はグラファイトを使っている仲間が多くいましたが、シャフト付け根やブリッジの部分などにヒビが入っている個体を多く見ました。

また、グラファイトは本当にカチっとした硬いラケットで決して振動吸収には優れていませんでした。現代のラケットに慣れてしまうとちょっとハード過ぎて、今はもう使えないでしょう…。

今のラケットは剛性が高い硬めのラケットでも振動は低減されていて安心して振っていける。素晴らしきあの頃のグラファイトでも現代のラケットには正直勝ち目はありません。

さいごに

べテランの方であればグラファイトを使っていた方も少なくないと思います。そしてみなさんそれぞれグラファイトに何らかの思い入れがあるのではないでしょうか。

デカラケとしてのパワーはあるものの、反発力は決して高すぎず、本当にちょうど良いラケットでした。

そのグラファイトの魅力を踏襲し、最新テクノロジーを搭載して2020年5月に発売予定である”ファントムグラファイト”。本当に期待しています!!絶対に打ってみたい、そして買ってしまうかも知れない!

追記 ファントムグラファイト107のインプレ

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