ベテランにもマッチしそうなポリ系のストリング探しシリーズ。
8回目は、『ポリファイバー ブラックヴェノム125(POLYFIBRE BLACK VENOM)』です。
既に市場で人気のあるストリングであり、改めて評価すべくトライしてきました。
最近、様々なポリ系ストリングを試している影響もあり、以前試した時以上に、その柔らかさを痛感しました。
「柔軟性が際立ち、ポリ系にも関わらず包み込むようなホールド感のあるストリング」でした。
ポリファイバー ブラックヴェノム(POLYFIBRE BLACK VENOM)の特徴・スペック
まずは製品のプロフィールです。
メーカー | ポリファイバー(POLYFIBRE) |
製品名 | ブラックヴェノム(BLACK VENOM) |
ゲージ | 1.15mm/1.25mm/1.30mm |
カラー | ブラック |
素材 | ポリオレフィン |
特徴 |
|
製造国 | MADE IN GERMANY |
価格情報 |
12m:3,190円(税抜価格 2,900円) 最安価格:単張り12mカット品¥610円 +送料250円~、200m\9,940(送料無料)~ ※2021.5.20楽天調べ |
私は今回、1.25mmを試しました。
ポリファイバー ブラックヴェノム125(POLYFIBRE BLACK VENOM)のインプレ
【セッティング】
PRINCE TOUR 100(16×18)
50ポンド、プレストレッチ5%、1本張り(ゴーセン張り)
マルチとの違いもしっかり確認するために、セッティングは大きく変えず、マルチで張る時のマイナス2ポンドの50ポンドにしています。
ここでどうしても伝えたいのですが、ブラックヴェノムはストリングを張っている最中の伸びが尋常ではありません。通常のポリエステルは、50ポンドの場合、指定テンションに到達するまでに引く距離がせいぜい2~3cm程度なのですが、ブラックヴェノムは4~5cmは引くことになります。
触った感触や、この独特なストリンギングの感触は、明らかに通常のポリエステルとは違います。この糸の伸び方を見ると、プレストレッチはしっかりやらないとダメだと感じました。今回はプレストレッチを5%にしましたが、10~15%くらいにしても良いかも知れません。
さて、約1.5時間打った★点数です。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
コスト(市価) | |
総合点 | |
打感硬さ |
とにかく柔らかい!手腕への衝撃も少ない!
普通のポリのイメージとは明らかに異なります。ショートラリーの第一球目から、その柔らかさが感じ取れます。最近、ポリ系ストリングのある程度の打ちごたえに慣れてきた身からすると、少々物足りないくらい。
裏を返せば、面のたわみによる心地よいホールド感、と捉えることができます。
この打感については、本当に好みが分かれそう。ある程度ガツンと打ちごたえが欲しい人もいれば、ソフトなホールド感が好みの人もいますが、後者であれば間違いなく気に入るでしょう。
ショット的には、たわみを生かした伸びるボール=フラットドライブ系、面で運ぶタッチ系は相性が良さそう。
スッキリした打感、爽快な反発感が好みの私にとっては、ブラックヴェノムは少しモタっとし過ぎていて、あまり心地よい打感ではありませんでした。この点は、あくまで私の好みの問題です。
ストリングの感触詳細を、以下報告していきます。
打感(反発・ホールド)
ブラックヴェノムの売りは、ソフトさ、ホールド感です。
音で表すなら「バイ~ン」という打感。面で掴んでからボールを放つ感覚が強く、フラットで打つと伸びが良いです。
ソフトかつややウェットな打感で、掴んで放つような反発感を表現しています。
スピン性能
滑りの良さはあり、スナップバックもありますので、スピン性能はポリ系としては普通レベルです。
ただ、伸びが良い分だけ、スピンコントロールがしにくいような印象がありました。球種を選ぶストリングかも知れません。
もう少し太い1.30mmのゲージにすれば、打ちごたえがあって良い可能性も。
回転系ショットが苦手なストリングではないと思いますが、ものすごく切れがよい訳でもありません。
テンション維持性能
50ポンドで張り上げ、張り上がりの面圧は52ポンド。ほどほどに面圧が出ました。
しかしわずか1.5時間の使用でテンション低下は4.2ポンドと、ロスがかなり大きいです。
テンション維持は厳しいかもしれません。
- 張り上げ直後 52ポンド
- 張り上げ当日 1.5時間使用後 47.8ポンド ▲4.2ポンド ▲8.1%
- 張り上げ2日後 1.5時間使用のまま 45.9ポンド ▲6.1ポンド ▲11.7% やはり打たなくてもどんどんテンションロスしていきます
- 張り上げ7日後 3時間使用後 45.2ポンド ▲6.8ポンド ▲13.1% 今回はここで観察終了です
コスト
2021年5月20日時点で、12mカット品¥610円 +送料250円~、200m\9,940(送料無料)~です。
定価に対して、流通価格はものすごく安く、コスト面は最高です!
ホームストリンガー視点での感想
ポリエステルとしては柔軟性があって、非常に張りやすいです。
前述したとおり、その柔らかさが故、ストリンギング中の伸びが大きく、プレストレッチをしっかり行う必要性を感じました。
ポリ系としては、張り時間は短くて済みました。
インプレまとめ
ポリファイバー ブラックヴェノム125(POLYFIBRE BLACK VENOM)は、柔軟性が際立つ、ややウェットな打感。ホールド感と衝撃の少なさはメリットの、ポリ系ストリングです。
推奨プレイヤーをまとめます。
- ナイロンからポリ系に切り替える際の入門用として
- 柔らかポリが好き
- ホールド感を求める
- 伸びを重視するフラットドライブ系
- 面で運ぶタッチ系
- ベテラン・女性・ジュニアに
- コスト重視