ベテランにもマッチしそうなポリ系のストリング探し。
3回目は、錦織選手がハイブリッドで使用している『ルキシロン エレメント125(LUXILON ELEMENT 125)』です。
ルキシロン エレメント(LUXILON ELEMENT)の特徴・スペック
ルキシロン史上最高のソフトなポリ系と聞けば、試してみるしかありません。
エレメントの製品プロフィールです。
メーカー | ルキシロン(LUXILON) |
製品名 | エレメント(ELEMENT) |
ゲージ | 1.25mm、1.30mm |
カラー | ブロンズ |
素材 | ポリ・エーテル・エーテル+ポリ・エーテル・ケトン |
特徴 |
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製造国 | MADE IN BELGIUM |
価格情報 |
定価:12.2m¥¥2,900(税抜き)、200m オープンプライス 最安価格:単張りパッケージ品¥1,700(送料込)~、200m\16,720(送料無料)~ ※2021.2.14楽天調べ |
ポリエーテルエーテルケトン=PEEKという聞きなれない素材、調べてみると、引っ張りや耐摩耗に優れる、高機能かつ高価格なポリ系のプラスチック材料のようです。
ルキシロン エレメント(LUXILON ELEMENT)のインプレ
【セッティング】
PRINCE TOUR 100P(18×20)
48ポンド、プレストレッチ5%、1本張り(ゴーセン張り)
マルチとの違いをしっかり確認するためにも、ほとんど変わらないセッティングにしています。約1.5時間打った★点数です。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
コスト(市価) | |
総合点 | |
打感硬さ |
ポリ系としては、きわめて柔らかく包み込む感触で、ベテランにもとっつきやすい優しいストリングでした。
ナイロンマルチ愛好家の私は、ガツンと衝撃が来るポリエステルの感触が本当に苦手ですが、エレメントならあまり嫌な感じもなくすんなり入っていける、すごくソフトな部類のポリ系です。
打感(反発・ホールド)
ソフトなホールド感が売りなだけあって、正直パコーンと飛ばすような反発力は高くありません。
ただ、その独特の鈍く包み込む感触がなぜか心地良く、嫌じゃありません。
多少球が浅くなりやすかったのですが、自分にとってはその分思い切って打っていけるストリングで、コントロールをアジャストしやすい印象でした。
スピン性能
滑りは良好で、1.5時間ではズレも生じません。
ホールドの良さから、適度なスピンを与えてくれる印象。スピン特化型ではありませんが、標準的な性能と言えそうです。フラットドライブ系には、とても相性は良かったです。
気になった点は、表面があまり強くないようで、インドアの1.5時間でスイートエリアは多少削れて光沢が失われていました。このままアウトドアでも使っていくと、恐らく表面削れ→スナップバック低下によって、スピンコントロールに影響が出てきそう、と想像しました。
テンション維持性能
48ポンドで張り上げ、張り上がりの面圧は48.1ポンド。ソフトなポリ系であるTCSと同程度でした。
また、初期テンションの低下が大きい点も共通でした。
- 張り上げ直後 48.1ポンド
- 張り上げ当日1.5時間使用後 43.6ポンド ▲4.5ポンド ▲9.4%
- 張り上げ7日後 5時間使用後 41.1ポンド ▲7ポンド ▲14.6%
- 張り上げ21日後 約6.5時間使用後 41.0ポンド 下げ止まりに突入
これまでの2本、ファイヤーストームとTCSは大体2週間ほどで、テンションが下げ止まりました。
エレメントのテンションも、7日以降21日目までで下げ止まりに突入しました。
コスト
2021年2月14日時点で、パッケージ品1000円代後半ですので、やや高めのポリ系ストリングです。
ホームストリンガー視点での感想
ポリ系としては、ねじれも起こりにくく、折れたりする失敗が少なかったため、比較的張りやすい1本でした。ポリエステル同様です。
インプレまとめ
ルキシロン エレメント(LUXILON ELEMENT)は、ソフトでホールド感に優れる、ポリ初心者にもマッチするストリングでした。
反発は弱めながら、打感は良好、スピンも標準的でした。
テンション維持の悪さ、表面の弱さなど、気になる点はありますが、もう少し観察する必要がありそうです。
推奨プレイヤーをまとめます。
- ポリ系初心者の第一選択候補として
- ハードなポリ系は無理
- 思い切って打っていきたいスイングスピードがあるタイプ
- フラットドライブ系