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【ガット/ストリング】ナチュラルストリング・ガットのテンション維持は本当に卓越しているのか!?/バボラ タッチVSのインプレ

ストリンギングの有料講習でお世話になった、プロストリンガー澁谷さんから聞いた話をいつかしっかり検証したいと考えていました。

「どの種類のストリングも、多かれ少なかれテンションはどんどん下がっていく」

「ナチュラルだからと言って、ずっとテンションを保つわけではない」

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以前は、(ラケットを手放した関係で)タッチトニックを十分に検証しきれなかったため、今回はタッチVS130にてナチュラルのテンション維持性能について検証してみました。

Contents

バボラ タッチVSの特徴・スペック

バボラのナチュラルストリングの上級グレード、タッチVSの紹介です。

メーカーバボラ(BABOLAT)
製品名タッチVS(TOUCH VS)
ゲージ1.25mm、1.30mm、1.35mm
カラーナチュラル、ブラック(実際はダークグレーの色味)、ブルー
素材牛腸
特徴

ベネフィット
打球感
バボラのストリングのなかでも伸縮性の高いタッチVSの場合、天然繊維に含まれるコラーゲンの働きにより、ストリングとボールの接触時間が長くなり、これまでになく快適な打球感を得られます。

伸縮性
タッチVSは伸縮性があるため、その優れたエネルギー反発力を活かして、驚くほどパワーのあるボールを打つことができます。

このストリングは、より少ないエネルギーで、非常に快適に深いボールを打つ時に役立ちます。

テンション維持
タッチVSの特徴(撚り繊維)を活かした最高のストリングであるため、時間が経ってもテンションが維持されます。こうした理由により、このストリングは、正確なショットを維持できるように、ツアーで広く使用されています。また、別のストリングと組み合わせてハイブリッドなストリングとして使用される場合もあります。

バボラ公式サイト タッチVS製品紹介ページより

製造国MADE IN FRANCE
価格情報

12m:9,350円(税抜価格 8,500円)
最安価格:単張りパッケージ品¥5,610(送料無料)~ ※2021.4.9楽天調べ

私は今回、1.30mmのブラックを試しました。

ブラックと言いつつ、やや半透明のダークグレーといった色味

バボラ タッチVS130のインプレ

【セッティング】

 PRINCE TOUR 100(16×18)

 53ポンド、プレストレッチなし、1本張り(ゴーセン張り)

弾力性・伸縮性が極めて高いのが、ナチュラルストリングの特徴であり、これまでの経験上、普段のテンションより数ポンド上げて張る方がマッチすると感じているため、あえて高めで張り上げました。

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インプレ・レビュー

また、その性能をたっぷり吟味するために、17日間、練習+7試合で、計6時間打って評価しました。まずは★点数です。

反発感
ホールド感
スピン性能
テンション維持
耐久性(切断耐久性)
コスト(市価)
総合点
打感の硬さ

最高の反発感と高次元のホールド性能です!

自分で張っている人は理解しやすいのですが、ナチュラルストリングは糸自体の硬度はしっかりしています。ただし伸縮性が高いため、ヒッティング時にはそこまでの硬さを実感しないのが特徴的です。

ナチュラルストリングは、高反発と高ホールドという逆方向の感触を両立できている点が、その存在価値ですが、高級ナチュラルのタッチVSも見事にそれを体現しています。

  • 反発感:最高レベル。心地よくスッパーンと飛ばしてくれる
  • ホールド感:むやみな柔らかさによるホールドではない。ストリング自体の極めて高い伸縮性によって、弾力を感じることができる
  • スピン性能:そこそこ。滑りが良くはないため、スナップバックはあまり期待できない

ゲージについて

以前に張った、タッチトニックは1.35mm以上の太めのナチュラルでした。

タッチVSは、太いタッチトニックと比較すると、かなりシャープな打ち心地です。

一方で、ナチュラル特有の劣化の仕方、徐々にチリチリと繊維が切断してくる「裂きイカ状態」になるのが、タッチVSは細い分とても早いです。細い=繊維の絶対量が少ないので、こればかりはやむを得ないですね。

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テンション維持性能・耐久性について

53ポンドで張り上げ、面圧は55.2ポンドと、意外と低めでした。

初期テンション低下は3時間使用後、3ポンド。初期テンション維持は良好でした。

  • 張り上げ直後 55.2ポンド
  • 張り上げ当日 3時間使用後 ▲2ポンド、▲3.6%
  • 張り上げ12日後 4.5時間使用後 ▲6.2ポンド、▲11.2%
  • 張り上げ17日後 6時間使用後 ▲7.4ポンド、▲13.4%

タッチVSは、3時間を超えたあたりから、裂きイカ状態がどんどん進んでしまいました。

特にスイートエリアのクロスポイント数箇所で、繊維が徐々に切れだし、6時間使用した時点で、写真の通り切断間際の状態に。

また、裂きイカ状態の進行に合わせて、テンション低下も目立ち始めました。17日後の低下率13.4%は、ナイロンと比較しても、決して高いとは言えません。

太目のナチュラル、タッチトニックではテンション維持性能の高さを実感していただけに、細めのタッチVSのテンション維持性能は、少々意外な結果となりました。

タッチVSのコスト面

タッチVSは、何と言ってもバボラの上級ナチュラルです。

楽天市場での最安値は5,610円(送料込み。2020.4.9時点)と、流通価格ももちろん高級価格。

最高に心地よい打感ではありますが、耐久性を考慮すると、きわめて贅沢品と言えるでしょう。

まとめ

上級ナチュラルである、タッチVSは最高の打感を実現するが、鮮度が命。

裂きイカ状態が進行すると、耐久性、テンション維持が一気に落ちてしまうため、使うプレーヤー、使う場面を選ぶ高級ストリングと言えるでしょう。

性能、打感は本当に最高ですが、一般プレーヤーの視点からは、耐久性はかなり重要。とっておきの場面で使う、そんなストリングかも知れませんね。

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さいごに推奨プレイヤーでまとめます。

バボラタッチVSをおススメしたい人
  • ナチュラルの打感(高反発、高ホールド)がとにかく好み
  • 楽にパワーを得たい
  • 経済的に余裕あり
  • あまりストリングを切らない

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