みなさんはグリセリンローディングはご存じでしょうか?
グリセリンローディングは「脱水を起こしにくい」水分補給方法として、非常に注目されています。
私は、これまで積極的に水分・電解質の補給に努めてきたのですが、大会などで3~4試合ほど戦うと、かなりの確率で脚が筋ケイレンしてしまいます。また、多量の水分補給でお腹が緩くなる=水分が吸収し切れていない、ということも経験しています。
また、非常に体力があった学生時代から、このケイレンしやすい性質は変わらず、単なるトレーニング不足では説明できないとも考えています。
「ケイレン止め」と言われる漢方薬を使ったりもしてきたのですが、少しでも対策になることはどんどんやっていきたいと考え、『グリセリンローディング』用のドリンクを自作トライアルしてみました。
グリセリンローディングとは
グリセリンローディングを知るきっかけ
グリセリンローディング法はグリセリンを薄めた水分を摂取することで水分補給効果を長期化させ脱水を防ぐという方法です。海外のオリンピック選手や一部の日本人選手が使っていた方法でもあり、経験も豊富な方法ですが日本では知られていなかった、数奇な運命を持つ方法です。
凌駕スマッシュウォーター公式サイト
最初にグリセリンローディングに注目するきっかけとなったのは、凌駕スマッシュウォーターというスポーツドリンクからです。
あの伊藤竜馬プロや、テニスYouTuberとして有名な佐藤翔吾さんが愛用しているドリンクでもあります。
凌駕スマッシュウォーターはグリセリンローディング法を用いた数少ないスポーツドリンクです。
炎天下での運動時や長時間の運動時、水分が足りていないと感じる方、冬の寒い時期などにオススメのスポーツドリンクタイプのサプリメントです。
凌駕スマッシュウォーター公式サイト
ただ、結構お高いこのドリンク。
グリセリン自体は高価な物ではないので、水溶液の濃度さえ分かれば、自作できるのでは?と考えました。
グリセリンローディング水溶液の適正濃度は!?
医師が運営しているサイトに、グリセリンローディング用の水溶液濃度についての記載を見つけました。
体重1キロあたり1.0~1.2グラムのグリセリンと20~26ミリリットルの水分を運動の約2時間前に摂取すると、体水分量が300~700ミリリットル増加し、水のみを摂取した場合と比べて高体水分状態が4時間以上持続することが報告されています。
ドクターしみずのひとりごと「グリセリンローディングは効果があるのか?」より
- 体重1kgあたり1~1.2gのグリセリン+体重1kgあたり20~26ミリリットルの水が目安
- グリセリン水溶液の濃度は、3.7%~5.7%の範囲内
- 私の場合:64kg→ グリセリン64~76.8g+水1280~1664ml
いや正直なところ、一度に1.5リットルも飲めませんよね。
「凌駕スマッシュウォーター」公式サイトのアスリートボイスを見ると、そこまでまとめ飲みしているケースはなく、例えば前日夜に500mlを飲み、当日朝から競技前までにさらに500mlを飲むなど、飲む量はそれぞれで加減をしていることが分かりました。
まずはトライアル第一弾として、グリセリン濃度を4%と設定し、飲みやすさ・口当たりも考えながら、1Lのグリセリン水溶液を自作してみることにしました。
グリセリンローディングの自作にトライ
準備するもの
まず準備したものは、次の写真の品と塩です。今回は、1Lのグリセリン水溶液を、飲みやすい味付けにて作ることを目指しました。
- 水:1L弱
- グリセリン(食品添加物グレード):40ml(グリセリン濃度4%)
- 果糖:3g(ハイポトニック飲料程度の2-3%を想定)
- 塩:2g(0.1~0.2%程度の塩分濃度)
- クエン酸:5g(果糖スポーツドリンクであるエネルゲンの濃度4.6%を参考に)
- レモネード用顆粒:1包(調味目的)※砂糖16.9g含有
上記レシピについて、少し解説したいと思います。
レシピ・材料について
グリセリン
一口にグリセリンと言っても、様々なグレードがありますので、飲用可能な「食品添加物」グレードの製品を選ぶ必要があります。
今回は、Amazonで「食品添加物グレードのグリセリン」350mlを¥880で購入しました。
果糖
吸収効率を上げるための糖分として使用します。
果糖は、血糖値を上げず、脂肪燃焼をしてエネルギーを得ることができるとされている糖分で、脂肪燃焼系の運動=持久力を必要とする運動に最適と考えられています。吸収速度は遅いものの、『アルギニン』と『クエン酸』と同時に摂取すると吸収速度が高まります。
インスリンによるリバウンドで低血糖を起こす可能性があるブドウ糖、ショ糖(砂糖)よりも、スポーツドリンクに向いている糖分ですので、果糖を選択しました。
今回はAmazonで\680で購入しました。
※今回、糖質濃度3%を目指す場合、30gの果糖が必要であったのにも関わらず、計算間違いで3gしか入れていませんでした…。
塩
家庭用の食塩を使います。
日本スポーツ協会の「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」では、スポーツドリンクとして0.1~0.2%程度の塩分補給が推奨されています。
人一倍汗かきの私は、0.2%として、2gを使用しました。
クエン酸
クエン酸は果糖の吸収効率を上げる目的と、ドリンクとしての口当たりを考えて使用します。
クエン酸も食品添加物グレードを選ぶ必要があります。ネットであれば、500円前後から販売されています。
今回は、果糖スポーツドリンクの代表格である『エネルゲン』のクエン酸濃度0.46%を参考に、口当たりのさっぱり感を考慮して、0.5%濃度=5gを使用しました。
調味用に「レモネード顆粒」をプラスアルファ
今回、飲み心地のために、『co-op瀬戸内レモンのレモネード』を1包使いました。
これを入れたことで、ものすごく美味しくなり、非常に飲みやすいドリンクになりました。
ただし、1包当たり16.9gの炭水化物(砂糖)を含むため、結果的に果糖と合わせて糖質量2.0g/L=2%のハイポトニック飲料になりました。また意外とお値段がするので、コストを考えると別の方法を探しても良いかも知れません。
次回は、スーパーなどでも安く売っているレモン果汁を使ってみたいと考えています。
グリセリンローディング用ドリンクを飲んでみた
今回のレシピで作ったドリンクは、見た目は普通のスポーツドリンクのようです。
味もクエン酸の酸味が非常にさっぱりしていて、レモネード風味も加わって意外と美味しいです。酸味が苦手な人はクエン酸濃度を少し調整しても良いでしょう。
また、グリセリンそのものにも結構な甘さがあるため、結果的にやや甘さ強めの仕上がりになりました。今回、計算間違いで果糖の量を1/10しか入れなかったにも関わらず、この甘さ。
私は次回は、レモネード顆粒を使わず、その代わり果糖は20~30gの十分量を入れ、味はレモン果汁で整えるつもりです。
グリセリンローディング 私の飲み方
今回は市民大会の朝、2時間前から1Lを飲みほしました。朝起きて1杯、食事をとりながら2杯、出かける前に残りを飲み切りました。
グリセリンローディングの効果(私の場合)
このようなサプリメント系の効果実感には、かなりの個人差があります。
気温20度・天候曇りの条件下で、市民大会ダブルスを2試合を戦った当日の、あくまでも私の実感を紹介します。
- 汗はかなりかいたが、脱水傾向はなし
- ケイレンおよびその兆候なし
- 排尿頻度・尿量にあまり変化なし
- 下痢なし
- 運動中の水分補給は普段よりも少ない量で間に合う(無意識)
特に注意が必要なポイント!!
グリセリンローディング用ドリンクは、グリセリンの濃度が命です。
濃度が高すぎると、理屈として水分補給とは逆の方向に働いてしまいます。
自作ドリンクを飲んだ結果、あまりに尿量が増えたり、下痢をする場合は、グリセリン濃度が高すぎる可能性もありますので、
グリセリン水溶液の濃度は「3.7%~5.7%の範囲内」で、本人に合う濃度を探してみてはいかがでしょうか。
完成版:レシピの見直し
前回のレシピで、果糖の分量間違い、レモネード顆粒のせいで甘すぎたこと、クエン酸の酸味が強すぎたことを反省点としました。
今回は、レモネード顆粒をやめ、レモン果汁で調味しました。
- 水:1L弱
- グリセリン(食品添加物グレード):40ml(グリセリン濃度4%)
- 果糖:20g(ハイポトニック飲料程度の2-3%を想定)
- 塩:1.3g(ポカリスエット、エネルゲンの塩分量を参考に)
- クエン酸:3g(前回の5gはかなりの酸味だったため、やや見直し)
- レモン果汁:大さじ1杯(15ml)※クエン酸約0.5g含有
このレシピで、かなり美味しく出来上がりました!私はこれくらいの酸味は許容範囲ですが、酸っぱいのが苦手な方は、クエン酸量とレモン果汁を少し減らすことをおススメします。
まとめ
私なりの、グリセリンローディング用ドリンクの自作トライアルをご紹介しました。
ケイレンに悩む私にとっては、有効な対策のひとつになることが期待される結果でした。最後は、私の感想でまとめます。