皆さんは、テニスを始めて一番最初に使ったストリングを覚えていますか?
私は、およそ30年数年前、ゴーセンOG-SHEEP ミクロスーパーがデビューストリングでした。高校時代は、ほぼミクロスーパーオンリーで、たまに使ってもレクタングル、レクタングルZくらい。低価格の他社製品もありましたが、当時から圧倒的にメジャーなナイロンガットはゴーセンのミクロスーパーでした。
最近は、改めてポリエステル系ストリングの良さに魅了されていて、ナイロンモノは使う機会がなかったのですが、気温が低下し始めるこれからの季節に向けて、ナイロンを評価し見直してみようと思い立ち、
原点回帰『ゴーセンOG-SHEEP ミクロスーパー125(GOSEN MICRO SUPER)』を試してきました。
ゴーセンOG-SHEEP ミクロスーパーを振り返る
超ロング&ベストセラー製品となっているミクロスーパーですが、少しその歴史を振り返ってみたいと思います。
ゴーセンから始まったナイロンストリングの歴史
元々はナイロン製の釣り糸、魚網糸のメーカーだったゴーセン(当時社名は大阪合繊株式会社)は、世界初のナイロンガットを作り始めたメーカーです。
1950年代にバドミントンとテニスのナイロンガットを作り始め、その後生まれたナイロンガット『ハイシープ』は、シープガット(ナチュラルストリング)を超える性能という意味が込められており、価格も圧倒的に安かったこともあり大ヒットしたそうです。
私がテニスを始めた1990年頃にもハイシープはまだ販売されていて、1.4mmを超える極太のその糸は、安くて頑丈!の最強ガットでした。ただし、その頃すでに、ハイシープよりもシャープで高性能のストリングが販売されていましたので、相対的に打ち心地はかなり劣る印象で、存在価値は「糸の強さ」でした。
“ハイシープ”→”ミクロL”から進化した『OG-SHEEPミクロスーパー』
極太のハイシープから、1.3mm径に改良されたOG-SHEEPミクロL、そのミクロLをさらに進化させたのが、1985年発売のミクロスーパーだったそうです。
90年頃は、ミクロスーパー全盛で、高校生の間では間違いなく一番使われているガットでした。ゴーセンからの情報では、当時のカラーラインナップは8色展開(アンバー・ブルー・レッド・ブラック・イエロー・オレンジ・パステルピンク・ホワイト)とのこと。当時は、毎回違う色に張り替えて楽しんだりしていました。
ちなみに私は、プロスタッフミッドにミクロスーパーを60ポンドで張り上げる生意気な高校生で、お気に入りカラーはマッケンローを意識してのイエローでした。
発売からすでに36年経過したものの、今だにゴーセン内売上1位を誇るミクロスーパー。そのキャッチコピー『迷った時はミクロスーパー』は伊達ではありません。
※Wikipedia、ウインザーラケットショップブログ参照
ゴーセンOG-SHEEP ミクロスーパーの製品情報
メーカー | ゴーセン(GOSEN) |
製品名 | ミクロスーパー(MICRO SUPER) |
ゲージ | 16LGA=1.25mm、16GA=1.30mm、15LGA=1.35mm |
カラー | ホワイト |
素材 | 高分子ブレンド、表面特殊樹脂加工 |
適正テンション | 1.25mm:45~60lbs、1.30mm/1.35mm:50~60lbs、 |
製造国 | MADE IN JAPAN |
価格情報 | 12.2m:¥ 2,090 (税込) 最安価格12mカット品:690円+送料260円~、220m:8,970円送料無料~ ※2021.10.1楽天調べ |
製品説明
ナイロンガットの基本モデル。性能バランスに優れたスタンダードモデル。
ゴーセン公式サイト 商品ページより
私は今回、16LGAの1.25mmを試しました。
ゴーセンOG-SHEEP ミクロスーパー のインプレ
【セッティング】
PRINCE TOUR100(16×18)
51ポンド、1本張り(ゴーセン張り)
さて、1回約1.5時間打った★点数です。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
コスト(市価) | |
総合点 | |
打感硬さ |
かつてはミクロスーパーユーザーだったので、その打感は何となく身体が覚えています。
しかしながら、久しぶりのミクロスーパーのインプレッションは「ものすごくぶっ飛んでいくし、スピンの納まり悪っ!!」でした。一方で、ミクロスーパー特有のその化学的な匂いは全く変わっておらず、その匂いを嗅いで楽しんでいた高校時代を思い出させてくれました笑。
ポリ系の、ある程度スイングしていけば自然とスピンが掛かって納まってくれる感覚に慣れると、ミクロスーパーはえらい真っすぐ飛んでいってしまう感触。そのぶっ飛んでいく感覚も合わせて、反発が強く感じられます。打球音はナイロンモノらしい高音で、爽快でした。
糸の硬さはあまり感じず、非常にマイルド。マルチの球持ちの良さとは違いますが、十分柔らかく、手腕への負担も少ないです。
詳細は以下報告していきます。
打感(反発・ホールド)
反発強めの感触。
糸自体が弾く感触もありつつ、スピン性能が低い影響で飛距離が出る=飛んでいくような感覚を強く感じました。
モノストリングながら、マイルドな打感で、決して持ち過ぎないけれど一定のホールドも感じられます。
正直言わせてもらうと、ポリ慣れしている私には、久しぶりのミクロスーパーは飛距離のコントロールが難しくて、ボールが暴れがちでした。
スピン性能
しっかり振ってスイングスピードで掛けていくような攻撃的スピンを打つのは極めて難しかったです。スナップバックはほとんど期待できず、ポリの感覚そのままで打つと、ボールがぶっ飛んでアウトが増えること間違いなし。少なくとも私はそうでした。
下から上に、アッパースイングで回転を掛けるような、昔ながらのスピンの掛け方のほうがマッチします。
テンション維持性能
51ポンドで張り上げ、張り上がりの面圧は56.7ポンドって、すごいですね。ナイロンモノはこんなにも高く出るものでしょうか。
張り上げ当日に1.5時間使用し、わずか2.8ポンドの低下。翌日はプレーしませんでしたが、時間経過のみでどれだけテンションロスするか確認したところ、追加で1.4ポンドほど低下していました。
とは言っても、ポリ系と比較すると明らかにテンション維持は良いことが理解できました。
10/17追記 張り上げ17日が経過、延べ3時間使用後も 51.2ポンドとテンション維持が良い状態が続いています。
耐久性
ズレたストリングは全く戻りません。そしてズレるほどコントロールが落ちるような感覚もありました。
ボールの毛羽が非常につきやすいのも昔のままで、ミクロスーパーらしいところです。
ノッチは1.5時間でもある程度できてしまいます。決して高耐久とは言い難いです。
コスト
2021年10月1日時点で、最安価格12mカット品:690円+送料260円~、220m:8,970円送料無料~です。
ナイロンストリングとしても最安値!!コスト面も最高です。
ホームストリンガー視点での感想
柔らかさとハリと、サラッとした表面の具合、全てにおいて張りやすい条件がそろっています。
これ以上張りやすい糸はないくらい、ストリンガーに優しい1本でした。
インプレまとめ
ゴーセンOG-SHEEPミクロスーパーは、ずーっと変わらぬ打感を維持する超ロング&ベストセラー。
ポリ慣れしている人にはかなり扱いずらさを感じますが、パワー出力は高めで、ほどよいマイルドさ。力がさほど強くないジュニア、女性、ベテランには選択しやすいストリングだと思います。
さいごに推奨プレイヤーをまとめます。
- フラット系
- タッチ系
- 力があまり強くない人(ジュニア、女性、ベテラン)
- コスパ重視