【ストリング/インプレ・レビュー】名古屋大学発ベンチャー企業”fff fortississimo”が造るストリング／ベテランにマッチするポリエステルを探す61／『アルデンティーノPET』

たまたまネットで、名古屋大学発ベンチャー企業が造るテニスストリングを発見しました。

ベテランにもマッチしそうなポリ系のストリング探しの61本目は、この新進気鋭ベンチャーストリングのおススメポリアルデンティーノPETにします。

『アルデンティーノPET』は、

ポリエステル史上、最もナイロンに近い打感を持つ。ソフト・爽快・高反発感を持ち合わせた、独特なポリストリングでした。

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fff fortississimoとは！？

まず、このベンチャー企業の素性が気になりますよね。

fff　企業概要

fff社は「先端繊維材料をあなたの手に」をモットーとして，立ち上がったベンチャー企業です。新素材を採用したテニスストリング開発は，2015年から東海国立大学機構名古屋大学と産業技術総合研究所で開始しました。在籍する学生の協力，愛知県の三河繊維技術センターの技術指導によって，商品化に辿り着きました。今後は2022年に新設した同機構岐阜大学コンポジットセンター内Future Fiber Factory（FFF：我が社と名前もリンクしています）とともに，最先端技術を駆使したラケット競技用品の開発を進め，スポーツ新ブラントとしての地位を築いて参ります。

代表取締役（CEO）入澤寿平

https://fff-fortississimo.com/

そのブランド名は、研究室の名前の頭文字をとって命名されたもののようです。

fff社は名古屋大学発ベンチャーに認定されました。
Future Fiber Factory (岐阜大学)と共同研究開発を進めます。

https://fff-fortississimo.com/

ブランドコンセプト

先端繊維材料に関する開発力をラケット競技用品（テニスストリングから採用）に存分に活用します。

テニスストリング

廃プラ削減の観点から，必要最低限のパッケージでストリングを販売します。環境負荷の大きい顔料も使用せず（着色は糸の物性にも良い効果は得られません），素材そのものの色を活かします。

“Simple is best, and simple makes reasonable cost.”を実現したストリングメーカーを目指します。シンプルな1本の繊維で構成されるモノストリングにこだわりを持ち，大学とのコラボレーションによる繊維開発力によってモノストリングの個性を活かしながらマルチストリングに負けない打感を達成します。

また，本サイト，Team fff専売契約者および本サイトで紹介するテニススクール，業務委託ショップからしか購入できません。

最先端技術を導入した高性能なストリングに過分なコストをかけないことで，手頃な価格であなたの手にお届けします！

https://fff-fortississimo.com/

まず注目すべきは、ストリングの性能を落とす可能性がある着色顔料を使わず、素材そのものの色で勝負しているところ。

ということは、他メーカーのストリングは着色することで物性を落としてしまっている（可能性がある）、ということかもしれません。確かに同じ銘柄でも色が変わると打感・性能が変わる、ということはを多くの人が経験しているのではないでしょうか。

初回限定　送料無料セットも！

ポリ系もナイロン系も、1,210～1,650円の範囲とかなり安い価格設定ですが、なんと初回限定で超特価のトライアルセットも販売されています。入口の敷居が低いと、自分にあったストリングを探しやすいので、このサービスはとてもありがたい！！

もちろん私は、全7本セットを注文しました。

fff fortississimo アルデンティーノPETの特徴・スペック

同社のポリエステルストリングの中では、最もソフトで反発性の高い位置づけになるようです。

fff fortississimo アルデンティーノPET 1.25mmのインプレ

【セッティング】
WILSON PRO STAFF X V14（16×19）
49ポンド、プレストレッチ5％、1本張り（ゴーセン張り）

いつも通りのセッティングで、延べ4時間打ってきました。

★点数

総評：硬めのナイロンと言われれば信じてしまいそうなほどナイロン寄りの印象／打球音・弾き感が良く、スナップバックも良く、基本性能は高い

メーカーの製品説明は読まずに、先入観抜きで打ってみました。

が、自分でガット張りをする中で、すでにいろいろな情報が入ってきてしまい、想像が掻き立てられます。まず、アルデンティーノPETはポリエステル素材の割にとても伸縮性の高い糸です。こういった糸は、大体が弾き感が強い、打球音が高いという傾向があります。さて実際はどうでしょうか？

実際に打ってみると、その想像はおおよそ当たっていました。

第一印象は柔らかい。そして、柔らかいながらも弾力感、弾き感が強い。打球音も高音で爽快です。これは、ナイロンモノを彷彿とさせます。

「硬めのナイロンだよ」と言われればそのまま信じて普通に使ってしまいそうな、そんな打感です。

表面はサラサラした感じで糸同士の滑りも良く、スナップバックもある、糸の戻りが良い。この点は普通のポリと同じような性能があります。2時間クレー＋2時間オムニで使っても表面コートはさほど荒れず、スナップバックの維持は悪くありません。

基本性能を抑えたこのアルデンティーノPETは、ハードポリでなければならない人を除いて、多くの人が好印象を抱くのではないでしょうか。

テンション維持性能

テンション維持性能は低い

初日のテンション低下も大きく、3日目でさらに低下。3日で10％以上低下というのは、テンション維持については低いと言わざるを得ません。

ただ、クレーとオムニで打った割りにキシミは少なく、急激な性能低下は感じていません。

その後の観察で、最終的に21日目までに7.8ポンド・-16.4％低下しましたので、やはりテンション維持は少々難ありです。

ホームストリンガー視点での感想

とても伸縮性の高い糸であり、ストリングを引いた際に伸びが良いです。

サラッとした表面で扱いやすく、張りやすい扱いやすいポリエステルストリングです。

インプレまとめ

fff fortississimo アルデンティーノPETは、限りなくナイロンモノに近いソフトポリエステルストリングで、弾き感、スピン性能のバランスに優れます。

唯一課題はテンション維持性能の低さですが、コストパフォーマンスは良く、守備範囲の広さが魅力の1本でした。

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