ベテランにもマッチしそうなポリ系のストリング探しの51&52本目です。
今回は、新手の国産ストリングブランド ミースより、1.04mmと極細のミグ104φ,そしてシリーズの基準ゲージとされる1.21mmのミグ121φの2本を試してみました。
今回の目的は二つ。ニューブランドのミースのポリストリングを試すことと、極細ゲージとノーマルゲージの性能差を評価することです。早速ご紹介していきます。
ミース ミグ(Meath MIG)の特徴・スペック
まずは製品のプロフィールです。
ブランド | ミース(Meath) |
製品名 | ミグ(MIG) |
ゲージ | 1.04、1.09、1.13、1.17、1.21、1.25、1.30、1.36、1.42 すべてmm |
カラー | ジェットブラック |
素材 | 高密度ポリエステル |
生産 | MADE IN JAPAN |
価格情報 | 13m:各¥1,300 (税・送料込) リール販売なし ミースオンライン、Yahooショッピング、Amazonともに一律価格にて販売 |
商品説明 | ■ クリアな打球感が特徴 世界で最も細い1.04φからベーシックな1.25φ、極太の1.42φまでおよそ0.05mm刻みのラインナップ。 ジュニアからプロのトーナメントプレーヤーまで、様々なスタイルと戦略に合わせて選べる ニューシリーズです。角切れしにくい樹脂設計を、全てのゲージで個別に設定する事で耐久時間のUP と安定した使用感に繋げています。スイングを隠蔽するジェットブラックでのリリース。 |
新製品のご案内です。ミース社より、硬式テニス用ストリング、MIG 109Φ、断面積:0.932mm2、ジェットブラック、高密度ポリエステル、made in JAPAN、価格 ¥950(税込)
詳しくは、公式サイト→https://t.co/vpwNsssn3i pic.twitter.com/vfLLiolwmE— ミースの新しいテニスストリング (@KENICHI07040082) December 30, 2021
※2021年の発売開始からしばらくは、各950円+送料の価格設定でしたが、2022年8月から1本からでも税・送料込み1300円に改定されたようです。
ミース ミグ104/121(Meath MIG 104/121)のインプレ
【セッティング】
PRINCE TOUR100 2020(16×18)
49ポンド、プレストレッチ5%、1本張り(ゴーセン張り)
どちらも同条件で張り上げました。見た目で分かりますが、1.04mmはちょっと心配になるくらい極細です!
★点数
MIG 121φ
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
コスト(市価) | |
総合点 | |
打感硬さ |
MIG 104φ
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
コスト(市価) | |
総合点 | |
打感硬さ |
基準ストリング121φの総評:ソフトポリの王道と言って差し支えない仕上がり
まず公式サイトでは、121φは次のように紹介されています。
ミグシリーズのセンターゲージ。ハイブリッドでも面白い、汎用性の高いストリング。
ねっとりとしたホールド感と極上の打球音が特徴です。少し細めで持ち重りもなく、通常、125、130をお使いの方が、ミグシリーズの打感を感じていただくのにちょうど良いゲージだと思います。推奨テンションは、43~57ポンド。
打ってみての第一印象は「柔らかい」。若干G-TOUR3辺りに近いのですが、そこまでモッチリではなく、もう少し軽快さがある感じです。
ソフトポリのど真ん中、尖った部分もなく、良い意味で平均的なソフトポリと言えそう。性能面でも、丸形ポリとして特に苦手もなく、スピン性能も平均的。
テンション維持も悪くないので、この価格でこの味わいであれば、十分な完成度です。
最細ストリング104φの総評:たわみが尋常じゃない!スナップバックを肌で感じられる
まず、104φの公式サイトでの紹介内容です。
世界で最も細い、テニスストリング
■ 高反発/高回転/クリアな打感
ゲージを細くする事で、打感は鮮明に、ボールはつかみやすくなります。このつかみやすさによって、回転は掛かりやすく、距離のコントロールもしやすくなったと感じて頂けると思います。特に、ギリギリで追いついた時の一瞬のタッチや、持ち上がりにくい低いボールでは、この回転性能と、極細ストリング特有の たわみ性によって意外なほど返球しやすく感じられます。柔らかめの仕上がりで、ポリエステルで発生しやすい カド切れや、張上げ時のトラブルも起きにくい製品です。切れる時は、ほとんどの場合中央のすり減った部分で切れるタイプです。カラーはジェットブラック。※耐久時間は、プレースタイルによって異なります。スピン系ハードヒッターの方には、113Φ以上をお薦めします。
■ ゲージの選び方
ゲージやテンションによって、打感は様々に変化します。細いほど、くっきり繊細。回転性能も、UPします。太くなるにつれ、ボールが潰れる圧力を感じる様になり、飛ばなくなると感じる方が多いようです。耐久時間は、細いほど短く、太いほど長くなります。また、ゲージによって張上げ時の重量バランスが変化します。メリット、デメリットを考慮して、今お使いのストリングから、0.05mm太くする、細くするなどして打感を調整してください。
ミグシリーズはすべて同素材を使っているそうですが、ゲージがこれだけ違えば、全く別のガットに感じられます。
1.04mmという極細ゲージを初めて使ってみて、最初は戸惑いの方が大きかったのが正直なところ。
ストリング面のたわみの大きさ、ボールの食いつき、食いついてからスナップバックしてボールが放り出される感触が、はっきり感じ取れます。121φよりもソフトな感触です。
また、極細ゲージによる引っ掛かりの良さで、スピン量も勝手に増えてくれます。
デメリットとしては、フラット気味に厚く当てた時は、ボールが収まってくれずコントロールが安定しませんでした。トランポリン効果が大きい感触。
テンション維持性能も測定したかったのですが、私は使用2回目、使用時間2時間を過ぎたところで切れてしまいました。その独特の打感は、ちょっとクセになりそうでしたが、さすがに切断耐久性の面で私にはマッチしませんでした。次は1.13mmあたりを試してみようかな。
表面のキシミが出るのが早い
ゲージ問わず、ツルツルした表面処理は、あまり持続性が良くありません。
新品使用開始後、割とすぐにキシミを生じてストリングの戻りが悪くなってしまいました。この点は、やや不満点でした。
テンション維持性能
MIG 121φ:ポリとしてはノーマルレベル
初期テンション低下は大きい印象でしたが、その後の下がり方はポリとしてはノーマルレベルだと思います。
- 張り上げ直後 48.3ポンド
- 張り上げ当日 1.5時間使用後 43.9ポンド ▲4.4ポンド ▲9.1%
- 張り上げ3日後 延べ3時間使用後 42.8ポンド ▲5.5ポンド ▲11.4%
- 張り上げ10日後 延べ4時間使用後 41.5ポンド ▲6.8ポンド ▲14%
- 張り上げ30日後 延べ5時間使用後 40.9ポンド ▲7.4ポンド ▲15.3%
MIG 104φ:2回目で切れたため、テンション維持性能は不明…
この測定直後に、ストローク中に切れてしまいました。テンション維持性能はさておき、切断耐久性が厳しいです。
ホームストリンガー視点での感想
丸形断面、ツルツルとした表面、クセもないのでとても張りやすいポリストリングです。
ゲージが細くなるほど、横糸を通すのが楽になるのですが、タイオフがグロメットにめり込まないよう、大きい結び方(ダブルノット、フィッシャーマンズノットなど)を選択する必要があります。
インプレまとめ
ミース ミグシリーズは、ソフトポリの王道と言って良い味付け。ゲージが細くなるほど、たわみ、食いつき、ソフトさが増し、スピン性能も上がります。
『細さのメリット』が確かにあることが実感できました。
ただし、細ゲージは切断耐久性が犠牲になるため、ご自身のプレースタイルで、どの程度の細さが許容できるかの見極めが必要です。
私には104φは弱すぎて無理でした。ある程度パワーのある男性なら、1.13mm、1.17mmくらいの細さから試してみると良いのではないでしょうか。
推奨プレイヤーをまとめます。
- メーカーにこだわらない
- 日本製の安心感は魅力
- 丸形ソフトポリが好き
- 低価格はやはり大切
- (細ゲージの力を借りて)楽に飛ばしたい、楽にスピンをかけたい