久しぶりとなりましたが、”XR3を基準としたマルチフィラメントのインプレ”も27本目となりました。
今回は、『ヘッド リップコントロール(HEAD RIP CONTROL)』です。
リップコントロールは、強度と柔軟性が特徴のポリオレフィンを外層に用いた、ハイブリッドナイロンマルチストリングです。強さと柔軟性があり、スピン抑えめでよく飛んでくれるストリングでした。
ヘッド リップコントロール(HEAD RIP CONTROL)の特徴・スペック
最初に、製品プロフィールです。
メーカー | ヘッド(HEAD) |
製品名 | リップコントロール(RIP CONTROL) |
ゲージ | 1.30mm(海外モデルでは1.20mm、1.25mmもラインアップ) |
カラー | ホワイト(海外モデルでは、ナチュラルとブラックのみラインアップ) |
素材/構造 | ナイロン、ポリオレフィン |
製造国 | MADE IN ?? |
価格情報 |
12m:¥ 2,530 (税込) 市価最安値:12mカット品 1,100円 +送料250円 (2021.10.24時点)、200m 16,200円 +送料700円 |
特徴 |
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RIP
ポリオレフィン製のフラットなテープを何重にも厚く巻きつナチュラルストリングに近い構造を追求。マルチフィラメントコアと併用することで、柔軟かつ強靭なストリングを生み出します
HEAD公式サイト リップコントロール品紹介ページより
ポリオレフィンと言えば、ポリファイバー製のストリングの「ブラックヴェノム」などで用いられている、柔軟なポリ系素材です。ポリエステルと比較すると、より柔軟性があって、伸びやすい素材。一方でナイロンと比較すると硬めで耐久性があることが特徴です。
ハイブリッドナイロンマルチと言えば、テクニファイバーのHDMX、デュラミックス、トライアックスなどのナイロン&ポリエステル製があります。
リップコントロールの、ポリオレフィン&ナイロンという組み合わせがどのような打感になるのか、非常に興味がそそられます。
今回私は、日本で正規販売されていない海外並行輸入品の1.25mmナチュラルカラーを試しました。
ヘッド リップコントロール(HEAD RIP CONTROL) のインプレ
【セッティング】
PURE STRIKE100(16×19)
51ポンド、プレストレッチなし、1本張り(ゴーセン張り)
3時間打ってきました。★点数です。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 |
打感の硬さ |
私の基準ストリング、XR-3の評価も記載します。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 |
打感の硬さ |
ヘッド リップコントロール(HEAD RIP CONTROL)のインプレ
その打感ですが、
コシがあって、一般的な柔らかいだけのマルチとは一線を画していて、ややナイロンモノ寄りの打感でした。
また、ポリオレフィンストリングの「ブラックヴェノム」で感じる時の様な、粘る感触があります。
反発感・ホールド感
反発感は、ホールドを感じてから飛ばしてくれる感触。自分の意志よりも飛距離が出る印象でした。
私の基準ストリングであるXR3と比較すると、少ししっかり目ながら、糸自体は柔軟性があるため、特に腕への負担を感じることはありませんでした。
ただのマルチともちょっと違う、ポリの様なしんどさは一切ないけれど、もっちり系ポリの要素が若干入っているような印象を受けました。
スピン性能
リップコントロールはストリングの滑りが極めて悪く、スピンの掛かりは決してよくありません。
フラットで低く打ちたい時は、楽に良い球が打てるのですが、スピンを掛けてコントロールしようとしても納まりが悪く、オーバー気味になってしまいました。
ポリエステルに慣れている人には、スピンコントロールが結構難しいですが、ナイロンユーザーであれば許容範囲とは言えそうです。
テンション維持性能
51ポンドで張り上げたのに、面圧は驚異の60.7ポンド!これは伸縮性の高い糸の特徴ですね。
当日1.5時間使用後に▲4.2ポンド、7日後にさらに1.5時間使用、延べ3時間使用した時点で▲7.5ポンドと、ナイロンマルチとしてはテンション維持がかなり低く、ポリ並みのテンション低下です。
- 張り上げ直後 指定テンション 51ポンド、張り上がり 60.7ポンド
- 張り上げ当日 1.5時間使用後 56.5ポンド、▲4.2ポンド、▲6.9%
- 張り上げ7日後 3時間使用後 53.2ポンド、▲7.5ポンド、▲12.4%
耐久性(切断耐久性)
私は現在ポリエステルを本命で使用中のため、切断するまで使い続けるか不明ですが、もう少し経過を見ていきたいと思います。
コスト
2021年10月24日時点で、定価はXR3より300円安、流通価格は、市価最安値:12mカット品 1,100円 +送料250円 (2021.10.24時点)、200m 16,200円 +送料700円ですので、マルチフィラメントストリングとしては、かなり安いストリングです。
ホームストリンガー視点での感想
柔軟性があってコシもあります。表面抵抗がやや大きく、摩擦で痛まないよう、クロスを張る際には少し気を使いながら張り上げました。
XR3と比較して
この検証はXR3を基準に以下の視点で採点をしています。
- XR3のコストとそん色ないこと
- XR3の打感に劣らないこと
- XR3の耐久性を超えること
評価項目 | 勝 者 | コメント |
反発感 | XR3 | 弾きの”強さ”でXR3に軍配 |
ホールド感 | リップコントロール | ホールド感は強い |
スピン性能 | XR3 | 表面滑沢性の維持が良い |
テンション維持 | XR3 | 圧倒的な差 |
切断耐久性 | ||
コスト | リップコントロール | 流通価格はかなり安い |
爽快高反発のXR3、それよりは少ししっかり目、想定的に低反発ですが、スピンが掛かりにくい要素があるため、飛距離は出ます。
XR3では打感が軽すぎる、と感じている人にはリップコントロールは試す価値がありそうです。
インプレまとめ
ヘッド リップコントロール(HEAD RIP CONTROL)は、しっかり系マルチ。強さと柔軟性があって、スピンが控えめなのでよく飛んでくれるストリングでした。
さいごに推奨プレイヤーをまとめます。
- 打ちごたえのあるマルチが好み
- 楽に飛ばしたい
- フラットドライブ系のプレーヤー
- モノストリング好きの方
- ジュニア、力があまり強くない人、シニア