”XR3を基準としたマルチフィラメントのインプレ”17本目です。
今回は『ウイルソン センセーションコントロール(SENSATION CONTROL)』です。
一言で表すと、マルチにしてはしっかりとした打感とバランスの良さが売りです。
センセーションコントロール(SENSATION CONTROL)の特徴・スペック
ウイルソン センセーションシリーズの1本、センセーションコントロールの製品プロフィールです。
メーカー | ウイルソン(WILSON) |
製品名 | センセーションコントロール(SENSATION CONTROL) |
ゲージ | 1.30mm |
カラー | ナチュラル |
素材 | デュポン社製高品質ナイロン、リキッド・クリスタライン・ポリマー(液晶ポリエステル) |
特徴 | 撚り合わせたマルチ小束にの外側に、リボン状のリキッドクリスタラインポリマーなる特殊ポリエステルを巻き付けたことで、耐久性やスピン性能が上がった模様。 |
製造国 | MADE IN TAIWAN |
価格情報 | 定価¥2,400+税、市価最安値¥1,500+送料 |
うたい文句 | スタンダード・マルチ・ストリングスに、リキッド・クリスタライン・ポリマーを加えてスピン性能を向上させたマルチ・ストリング。 |
センセーションコントロール(SENSATION CONTROL)のインプレ
【セッティング】
PRINCE TOUR 100P(18×20)
50ポンド、1本張り
約2時間打ってきました。★点数です。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 | |
打感の硬さ |
硬質感・しっかり感があり、ひと通りの性能バランスが整ったマルチストリング
です。
基準ストリングであるXR-3の評価も記載します。
反発感 | |
ホールド感 | |
スピン性能 | |
テンション維持 | |
耐久性(切断耐久性) | |
コスト(市価) | |
総合点 | |
打感の硬さ |
爽快感は圧倒的にXR3ですが、センセーションコントロールはバランスの良いストリングです。
反発感
反発感はマルチとしては中の上といったところ。1.30mmのゲージの影響で、少しだけ鈍さを感じてしまいます。打感も爽快というほどではありません。
以前は1.25mmもあったようですが、現在は1.30mmのみ販売中。細めのゲージを味わってみたかった!というのが本音です。
ホールド感
マルチの中ではしっかりしており、くわえ込むようなホールド感は弱め。
よく使うのですが、「モノ以上マルチ未満」という表現がマッチします。
スピン性能
ストリングの滑りは良くありません。すぐにギシギシして動かなくなり、スナップバックは少な目。
ここら辺は、普通のマルチストリングです。
柔らかいマルチと比較すると、ストリングの摩擦でスピンを掛けられる感覚はあり、マルチとしてのスピン性能は及第点(ほどほど)です。
テンション維持性能
50ポンドで張り上げ、面圧は53.8ポンドとしっかり張り上がりました。
2時間使用後の初期テンション低下は1.8ポンドで、初期テンション維持はかなり良い結果です。
- 張り上げ翌日 約2時間使用後 52ポンド ▲1.8ポンド、▲3.3% テンション低下は少なく今後の維持率も期待度大
- 張り上げ8日後 約4時間使用後 50.4ポンド ▲3.4ポンド ▲6.3%
- 張り上げ20日後 約6時間使用後 49.5ポンド ▲4.3ポンド ▲8%
- 張り上げ31日後 約6.5時間使用後 49.6ポンド 下げ止まり状態に突入
- 張り上げ45日後 約7時間使用後 49.5ポンド 下げ止まり継続
- 張り上げ58日後 約7時間使用後 48.5ポンド
耐久性(切断耐久性)
ヒッティング2時間程で、かなりのキシミ、メルトン繊維の付着が発生。ノッチはまだまだ浅いです。
1.30mmのため、かなりもってくれそうな予感がします。
コスト
2021年1月時点で、定価はXR3より200安いものの、流通価格はやや高め。200mロールが、メーカーの製品ページでなくなっているため、現在は単張りのみの販売となっているようです。
人気度、流通量の影響からか、少しだけ割高感があるのは残念です。
ホームストリンガー視点での感想
適度なハリがあり、表面の滑りも良く、
ホームストリンガーにとっては、非常に張りやすいマルチでした。
XR3と比較して
この検証はXR3を基準に以下の視点で採点をしています。
- XR3のコストとそん色ないこと
- XR3の打感に劣らないこと
- XR3の耐久性を超えること
評価項目 | 勝 者 | コメント |
反発感 | XR3 | XR3圧勝 |
ホールド感 | XR3 | 柔軟性でXR3 |
スピン性能 | XR3 | 僅差でXR3。表面の潤滑性はXR3 |
テンション維持 | 引分け? | 今後変わる可能性あり |
切断耐久性 | SC | 1.3mmの耐久性に期待 |
コスト | XR3 | 流通価格は安い |
センセーションコントロールはバランスの良い基本性能ですが、耐久性以外ではXR3が上回ると感じます。
XR3との互換性は、少々厳しいかも知れません。
インプレまとめ
センセーションコントロール(SENSATION CONTROL)は、しっかり系マルチで、性能バランスが売りです。
反発、ホールド、スピン性能もほどほど。マルチにしては硬く、モノストリングよりはマイルドなので、モノからの置き換え候補になると感じました。
さいごに推奨プレイヤーをまとめます。
- モノストリングからの変更
- ソフトすぎるマルチは苦手
- 性能的に何かが突出していなくて良い
- 切断耐久性の高いマルチを探している
- プレースタイルはオールラウンドに対応