学生時代にガット張りを始めて30年以上経過しましたが、技術力の差が出やすいタイオフノットは、毎回間違うことがないよう緊張感を持って、こだわりを持って作業しています。
私が覚えたノットの中でも、『パーネルノット』と『ダブルノット』は非常に優秀であり、極端な話をすればこの2つだけで、ほぼ全てのラケット・グロメットに対応できると考えています。
とはいえ、新しいものを模索したくなる性分の私。日頃愛用している『パーネルノット』『ダブルノット』と、私は使わないダメなノットの代表『いわゆるエイトノット』に改良を加え、オリジナルノットを考案しましたので、ここで紹介したいと思います。
優秀なノット『パーネルノット』『ダブルノット』の紹介
最初に、現在主流の優秀な2つのノットを紹介します。
パーネルノット
リチャード・パーネル氏が考案した比較的新しいノットですが、あっという間にメジャーな存在になりました。
とてもシンプルでカンタンな結び方にも関わらず、ダブルノットにそん色ない性能を持つ万能型のノットです。
- 表はスッキリした見た目、裏面はダブルノットに近い美しい2重巻き
- メインストリングにガッチリしがみつき、グロメットの負担が少ない
- 結び目はグロメットへめり込まない大きさだがダブルノットよりコンパクト
- 先端がフレーム方向に倒れるため、先端に触るリスク(ケガ、衣服の傷つけ)が少ない
- 強固な結び目でほどけるリスクが極めて少ない
- 結び方がとてもカンタン(エイトノットと手数はあまり変わらない)
ダブルノット
ダブルノットは現在主流のノットで、見た目も性能も良く、ほぼ欠点が見つかりません。
- 表裏ともにキレイで美しい2重巻き
- メインストリングにガッチリ2重にしがみつくため、グロメットに負担をかけにくい
- 結び目が適度に大きくグロメットへめり込みにくい
- 先端がフレーム方向に倒れるため、先端に触るリスク(手指のケガ、衣服の傷つけ)が少ない
- 強固な結び目でほどけるリスクが極めて少ない
ダメなノット『いわゆるエイトノット』
非常に簡単ではありますが、締め上げるととても小さな結び目となり、グロメットを痛めてしまう可能性のあるダメなノットが『いわゆるエイトノット』です。一応確認しておきましょう。
- 結び目が小さいためグロメットを痛める・めり込む・抜ける可能性がある
- 摩擦が働きにくいため、滑りやすいストリングでは結び目がほどける可能性がある
私が考案した3つのノット
ビッグパーネルノット
まずひとつ目の自作ノットですが、メインストリングに対して1周巻いてから、その後パーネルノットで結ぶ方法です。
最初に1周巻きを加えることで、やや大きい結び目となります。少し大きめのパーネルノットということから『ビッグパーネルノット』と名付けてみました。
メリット | デメリット |
---|---|
●パーネルノットの見た目のまま結び目を大きくできる ●パーネルノットの性能的メリットはそのまま享受できる ●技術的にも簡単 | ●結び目がグロメットから少し離れる ●締め方を誤ると隙間が生じる |
ダブルダブルノット
続いては、ダブルノットの最後に、もうひと巻きストリングを通して、結び目をかなり大きくする方法です。
二つのループの中に、二重でストリングを通すため『ダブルダブルノット』と名付けてみました。
メリット | デメリット |
---|---|
●ダブルノットの性能的なメリットはそのまま享受できる ●大きいグロメットホールやつぶれたグロメットホールにめり込むことなくタイオフできる ●見た目的に許せる範囲内で最大のノット | ●やや複雑な結び方 ●ループを整えながら正しい順番で締めていく必要がある ●ループを締める順番を誤ったり、ループの配置を誤ると汚い見た目になる |
ビッグエイトノット
最後は、いわゆるエイトノットの最後に、もうひと巻きストリングを通し、少し結び目を大きくする方法です。
エイトノットから派生した大き目のノットということで『ビッグエイトノット』としてみました。
メリット | デメリット |
---|---|
●小さすぎるエイトノットのデメリットを解消 ●パーネルノット並の大きさ ●理解しやすい結び方 | ●ループを並べて整える必要がある ●パーネルノットより手がかかるが、結び目の大きさは同じ |
まとめ
3つの自作ノットを紹介しました。
- ビッグパーネルノット
- ダブルダブルノット
- ビッグエイトノット
ビッグパーネルは非常に簡単でメリットも多いため、今後も使う場面が出てきそうです。
ダブルダブルノットはやや複雑で巨大な結び目となるため、本当に必要に迫られた時だけの出番となるでしょう。しかし、存在価値はものすごくあると思います。
ビッグエイトノットは、パーネルと同じ大きさながら、結び目を整える一手間が余計にかかるため、残念ながら相対的にメリットは少なさそうです。
機会があれば皆様もお試しください。