この7月にモデルチェンジされたヘッドエクストリームシリーズから、PROとMPを入手しました。
これまで、スピン系ラケット、黄金スペックラケットはあまりフィットせず、避けてきたところがありますが、今回のエクストリームシリーズは純粋にデザインに惹かれました。
ビジュアルで惹かれたラケットではありましたが、スピン系嫌いでもメリットが感じられる、なかなかの快適ラケットでした。インプレを紹介します。
ヘッド エクストリーム PRO&MP 2025 プロフィール
スペック・製品情報
エクストリームプロ | エクストリームMP | |
カラー | イエロー | |
フェイスサイズ | 98inch2 | 100inch2 |
平均ウェイト | 305g | 300g |
RA(テニスウェアハウス参照) | 64 | 66 |
バランス | 315mm | 320mm |
全長 | 685mm(27inch) | |
フレーム厚 | 22/23/21mm | 23/26/21mm |
CPI(ヘッド独自のパワーレベル) | 400 | 500 |
素材 | Graphene 360+/Graphite | |
グリップ | サイズ2,3,4 Hydrosorb Pro | サイズ2,3 Hydrosorb Pro |
ストリングパターン | 16×19 | |
メーカー希望小売価格 | ¥39,600 (税込) | ¥37,400 (税込) |
発売 | 2024年7月19日 | |
生産国 | MADE IN CHINA | |
メーカー説明 | エクストリームプロは、マテオ・ベレッティー二推奨モデルで、最新のオーセチック2.0テクノロジーを搭載しています。これにより、安定性とフィーリングが向上し、クリスプなインパクト感と最大のスピン性能を実現しました。 スピンとパワーでプレーしたいトーナメントプレーヤーに最適です。EXTREME PRO(以前はEXTREME TOUR)には、よりスピン性能を高めるを生み出すシャフトが採用されています。 スピングロメットは、ボールとのインパクト時により多くのストリングの動きと強力なトランポリン効果を提供します。最新のファッションとスニーカートレンドにインスパイアされた透明なスピングロメットで大胆なデザインとなっています。 | マテオ・ベレッティー二推奨の新世代のEXTREME MPは、極端スピンを生み出し、相手にカオスをもたらします。このラケットは最新のオーセチック 2.0テクノロジーでアップグレードされ、安定性とフィーリングが向上しています。その結果、クリスプなインパクト感と最大のスピン性能を実現しました。 EXTREME MPはスピンでプレーしたいパフォーマンスプレーヤー向けに設計されており、更なるスピンを生み出すシャフトを採用されています。ユニークなスピングロメットは、ボールとの衝撃時により多くのストリングの動きと強力なトランポリン効果を提供します。最新のファッションとスニーカートレンドにインスパイアされた透明なスピングロメットで大胆なデザインとなっています。 |
インプレ・レビュー
デザイン
フェイストップとスロートはクリーム色、フェイス部の斜め配色は鮮やかなイエローカラーで、前作と比較して、万人受けしそうな爽やかさで、年代性別問わずに選びやすいデザインとなりました。
前作とフレーム形状は変化していませんが、色味が変わるだけで軽快なイメージに変化するのが不思議です。
グロメットとバンパーはクリアプラスチックで、フレームの爽やかな配色にさらに清涼感が加わります。
ヘッドは各モデルのデザインコンセプトが統一されており、過剰な装飾が入らない点も今どきで、デザイン偏差値の高さを感じます。
試打インプレ
インドアを中心に早速打ってきました。ストリングセッティングは両ラケットとも同様です。
【エクストリームPRO/MP セッティング】
SIGNUM PRO FIRE STORM 1.25mm 50ポンド
フレックス(フレーム剛性・たわみ)・打感・スピン性能
プロ(テニスウェアハウス掲載RA64)、MP(同66)ともにしなり感は少なく、剛性の高さが感じられます。
一方で、スピングロメットによるたわみ感のおかげで衝撃感は大きくなく、マイルドさが表現されています。特にMPは手と腕にとても優しく、ある程度打ち応えの欲しい自分にとっては、やや物足りなさを感じるくらい。
プロの方がフェイスサイズの小ささとフレームの薄さによってMPよりははっきりとした打感となり、一方でスピングロメットの掴み感も程よく感じられます。
総じると、硬派目のスピン系・黄金スペックです。
【プロ】
このラケットはとても好印象でした。スピン系ラケットの割に、弾道は上がりすぎず、一方で反発感が高く打感が爽快。心地よいストロークが打てます。
フェイスサイズは98ですがしんどさはなく、フェイス形状も整っていてMPより見た目のバランスが良いと思います。
フレームはしっかりしていて反発感があり、球離れは速く、振り抜きが良いので、特にストロークが調子良く打つことができました。MPが本当に弾道が上がりやすくスピン性能が高いのですが、プロは上がりすぎるということはなく、ほど良いスピンボールになってくれます。
スピングロメットの掴み感、たわみ感はのおかげで、しっかり系ラケットでありつつ尖った打感にはならず、本当に「ちょうど良いラケット」という評価ができそうです。
ストリングパターンはMPと同様16×19で、フェイスサイズの小さいプロの方が目が詰まっていて、ボールをつぶしていくショットにも対応します。
普段プロスタッフXを使う自分にとって、重量感やバランスは違和感なく使えるラケットでした。
【MP】
スピン系にしては反発感が強く、試打した仲間も「スピン系の割に球離れが速い」とコメントしていました。しなり感が少ない一方で掴み感はあり、これがなかなか絶妙なバランスで表現できています。
フラットに当てれば楽に飛んでくれるし、スピンの意識を持てば簡単に高弾道のスピンボールがいってくれます。自分の意志がかなり「敏感に、そして楽に」反映されやすいラケットでした。
黄金スペックは自分にとってはやや軽すぎるため、エクストリームMPも本気で使うのであれば加重の必要性がありそうです。
MPは、尖ったところがなく、スピンラケットでありながらオールラウンドにどんなショットも対応します。フレームの厚さ、反発感、掴み感、スピン量など、何か気に入るポイントがあれば、使い手を絞る必要はないと思いました。
個人的には、少しスピンが増えすぎる、弾道が上がりやすすぎる印象が残り、プロに軍配が上がりました。
搭載テクノロジー
エクストリームプロ、MPに搭載されているテクノロジーです。出典:ヘッド公式サイト
Spin Shaft
スピンシャフトは横方向の安定性を最適化し、スピンを生み出す力をより高めます。
Spin Gromments
スピン・グロメットはあらゆる方向に対するメイン・ストリ ングの動きを向上させ、パワーとスピンを最大限に引き出します。
Sound Grommets
サウンド・グロメットはより大きなストリングの動きと、サウンドとバイブレーションの最適化によってパワーを強化します。
Spin Pattern
オープンな16/19のストリングパターンは、ストリングのスナ ップバックを最大化しより大きなスピンを発生させます。
Graphene Inside
ほとんどのラケットに戦略的に配置されたグラフェンは、フレームを強化し、安定性を高め、ラケットからボールへのエネルギー伝達を最適化します。次のラケットを購入するときは、グラフェンが入っていることを確認してください。
Auxetic 2.0
HEAD Auxetic 2.0テクノロジーにより、すべてのショットを体感し、ゲームに自信を持つことができます。アクティブに応答し、リアルタイムで非常に正確なフィードバックを提供します。
ヘッド エクストリーム PRO&MP 2025 インプレまとめ
2024年7月に発売されたNewエクストリームプロとMPのインプレッションを紹介しました。
私自身はあまり得意ではない黄金スペック、スピン系ラケットの割に、硬質な打感が心地よく、自分でも使える可能性があると感じられる良いラケットたちでした。
特に、全てのバランスが整ったプロは優れていて、ハードスペックからなかなか抜け出せないベテラン勢や、競技者層にも十分応えられる1本だと感じました。
- 高剛性でしなり感少ないのに一定のたわみ感あり
- 反発感が良く球離れの速さを実感
- MPは楽々スピン、高弾道スピン系ラケット
- プロはパワーロスが少なく潰せるスピン系ラケット
- 振れるプレーヤーならプロを
- スピンコントロールで粘りたいならMPを
- エクストリーム史上最高のデザイン
※当記事はテニスショップ東京浅草様とタイアップしています。