長年にわたってボックス形状かつ薄めのラケットを好んで使用していますが、定期的に黄金スペックにも挑戦しています。
今回はモデルチェンジをしたピュアドライブに興味がわき、入手してみました。インプレを紹介します。


バボラ ピュアドライブ 2025(100&98) プロフィール
スペック・製品情報
ピュアドライブ(Pure Drive) | ピュアドライブ98(Pure Drive98) | |
カラー | メタリックブルー | |
フェイスサイズ | 100inch2 | 98inch2 |
平均ウェイト | 300 g +/- 7 | 305 g +/- 7 |
スイングウェイト | 290 | 300 |
RA | 72 +/- 3 | 73 +/- 3 |
バランス | 320 mm +/- 7mm | 325 mm +/- 7mm |
全長 | 685mm(27inch) | |
フレーム厚 | 23/26/23mm | 21/23/22mm |
素材 | Graphite | |
グリップ | サイズ1,2,3,4 Syntec Pro | サイズ1,2,3,4 Syntec Pro |
ストリングパターン | 16×19 | 16×20 |
メーカー希望小売価格 | ¥38,500 (税込) | ¥41,800 (税込) |
発売 | 2025年1月16日 | |
生産国 | MADE IN CHINA | |
メーカー説明 | 1994年に登場したPure Drive (ピュア ドライブ)は、パワーラケットの象徴としてテニス界に革命を起こしました。プレーヤーのニーズに応えながら進化し続け、常にトップレベルでプレーヤーを支えてきました。今では世界中で最も信頼されるラケットのひとつとなっています。11代目のPure Driveは、圧倒的なパワーと快適な打球感を兼ね備え、プレーヤーにさらなる自信をもたらすラケットです。 | |
Pure Drive は、パワーと打球感のバランスを備えたラケットをお探しのプレーヤーにおすすめです。 | Pure Drive 98は、パワフルで精度の高いショットを可能にします。アグレッシブに攻める上級者におすすめのモデルです。 |
インプレ・レビュー
デザイン






強い青味の前作と比較して、爽やかなメタリックライトブルーに変更されました。前作は配色がアシンメトリーだった他、モデルロゴがデカデカとスロート部に配置されていましたが、今作ではシンメトリーデザインに近づき、モデルロゴも控え目になりました。
トップバンパーはネイビーブルーで、100はグロメット部分も同色、98は赤いグロメットパーツが差し色になっています。また、98はブリッジに入るバボラロゴも赤色で、ノーマル100と識別が可能となっています。
個人的見解ですが、バボラのラケットはごちゃごちゃ盛り盛りのデザインになるケースが多く、少々若者向けのイメージがありますが、今回のピュアドライブのデザインであれば、ベテランでも照れずに使えそうです。
試打インプレ
アウトドアで1回、インドアで1回プレーをしてきました。ストリングセッティングは両ラケットとも同様です。
【ピュアドライブ100/ピュアドライブ98 セッティング】
SIGNUM PRO FIRE STORM 1.25mm 48ポンド

フレックス(フレーム剛性・たわみ)・打感ファーストインプレッション
前作をヒッティングしていないため、前作との比較ではありません。
打った感触として、両モデルともに非常に剛性が高くしなりの少ないフレームです。とは言え、今どきのラケットのため衝撃緩和テクノロジーはふんだんに搭載、またグロメットホール形状の工夫などもあり、硬いフレームながらガツンとした不快感はそこまで感じません。硬いけれども減衰性はしっかり確保することができているようです。
ノーマル100は、26mmの厚さによる捻じれの少なさが特徴であり、体感的な硬質感だけなら100。
98はRA値では100を上回り、確かに硬いフレームなのですが打感の印象は異なります。詳細は後述しますが、98はがっちりとした板のような感覚でパワーサポートが少ないながら、その薄さのせいか100ほどは硬く感じませんでした。
体感できるラケットの硬さは、やはりRA値だけでは判断できないことを実感しました。
【ノーマル100】自分にとっては扱いづらいフレーム
私のプレースタイルや打ち方では、低弾道で真っすぐに飛んでいきすぎる印象。飛距離コントロール、スピンコントロールがやや難しかったです。スピンをかけて深い配球を狙うとオーバー傾向でした。
私はサーブが生命線ですが、回転系サーブのオーバーが増えてしまい、普段はあまりしないダブルフォルトを連発してしまいました。スピン性能が自分の期待よりも下回りました。
逆に、フレームのパワーロスが少なく速いボールを打つことは得意なラケットで、突き球やフラットサーブ、スマッシュは好感触です。また、ボレーも楽に伸びとパワーを出すことができました。
個人的に一番フィットしたショットはリターン。前に踏み込んで、リターン後も隙あらばネットに出ていきたい自分にとっては、合わせるだけで真っすぐ返ってくれるのでとても楽です。「ピュアドラのブロックリターンは最高」でした。
【98】ノーマル100よりは意思疎通しやすい
98は、パワーのある選手層向け出力抑え目のラケット。現在私が使っているプロスタッフXよりはるかに「やったことだけがボールに反映される」ラケットでした。
フェイスサイズ98ですが、ストリングパターンがノーマル100よりも細かい16×20の設定で、同じテンションで張るとより板のような感触があります。一方で、フェイストップをボックス形状にしている影響もあり、ノーマル100よりは柔軟性が感じられました。

パワー出力はかなり控え目で、「どうしてもピュアドラを使いたいけれどノーマル100では飛びすぎてしまう」という人であれば、98の方がマッチしてくれます。
98のメリットとしては振り抜きが良く、細かいテクニックはこちらの方が得意だろうなと思いました。
ショット的には、100で感じたオーバーパワーがない分、どのショットも一通りこなしてくれて苦手ショットは感じませんでした。悪く言うと、ラケットが助けてくれる感覚も少ないと言えそうです。
重量、バランス、スイングウェイトから判断しても、また実際に使ってみても、かなりずっしりとした重ラケですので、使いこなす筋力は必要です。
搭載テクノロジー
ピュアドライブシリーズに搭載されているテクノロジーです。出典:バボラ公式サイト
テクノロジー | 説明 |
NF²-TECH 2.0 | 天然亜麻繊維の新2.0バージョン。 100%亜麻繊維を使用したこの新しい一方向の生地は、繊維方向の機械的強度を高め、振動を最適にろ過します。 亜麻のパッチはラケットの中心部にあり、良い感覚だけをろ過し、手に伝えます。 |
FSI パワー![]() | フレーム・ストリング・インターアクション・パワー(フレームとストリングの相互作用)は、ヘッドのトランポリン効果を高めるために、オープン・ストリング・パターン、ダイヤモンド形状グロメット、ウーファー・システムを組み合わせた技術。 ボールとストリングの接触時間が長いので、ボールを打つときのパワーと打球感が増します。 |
エリプティック・フレーム・テクノロジー | 楕円形部分が、ラケット中心部の安定性を最適化し、ヘッドのトランポリン効果を最大限に高め、より大きなパワーを生み出します。 |
HTR システム![]() | 高ねじれ剛性(High Torsional Rigidity、HTR)を保証するこのシステムをフレームの構成に加えることにより、衝撃への安定性を高め、エネルギーリターンを向上させました。 |
バボラ ピュアドライブ 2025(100&98)インプレまとめ
2025年1月発売のピュアドライブシリーズから、ノーマル100と98を紹介しました。
100については、やはり100inch2の黄金スペックは私はあまり得意でないことを再確認した次第ですが、例えばリターンや突き球は打ちやすいなど、メリットも感じられました。サーブコントロールさえ上手くいくなら、ダブルス専用ラケットとして使ってみるのは面白いかもしれません。
98はしっかり振る選手向けのイメージになりますが、特に苦手ショットはないため、「あまり余計な味付けはいらない!」「重いラケットには慣れている!」というベテラン選手にも合う可能性があります。
同じピュアドライブでも、まったく違う特性のラケットですので、どちらかで悩んでいる方はやはり試打することをおススメします。
- 100・98ともに高剛性でしなり感が少ない
- ノーマル100は高反発、球離れ速く飛距離が伸びる スピン抑え目
- ノーマル100は合わせるショットが得意
- 98は出力抑え目だがクセは少なく苦手なショットは少ない
- 98は重い薄ラケ 選手層やベテラン向け
- ド派手になりがちなバボラにしては控え目・爽やかな良デザイン

※当記事はテニスショップ東京浅草様とタイアップしています。