現在発売中の各種ドライグリップのインプレ第6弾、今回はウィニングショット タフドライです。
今まで真夏に使ったことがないため、今回改めてレビューをしたいと思います。
今回試すのはウィニングショット タフドライ
ウィニングショット タフドライのプロフィールです。
メーカー | ウィニングショット(WINNING SHOT) |
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製品名 | タフドライ(TOUGH DRY) |
サイズ | 厚さ0.6mm×幅27mm×長さ1170mm |
カラー | ブルー(エンドテープ:グリーン)、ホワイト(エンドテープ:レッド、グリーン) |
素材 | ポリウレタン、不織布 |
構造・特徴 | 見た目で多孔質と分かる粗目のドライグリップ。厚みも十分で吸汗性と耐久性を追求している。 |
製造国 | MADE IN JAPAN |
定価 | 1本入り:¥280+税 3本入り:¥760+税 その他5本、12本、30本、100本単位で販売中(単価はまとめ買いがお得) |
メーカーうたい文句 |
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以前に涼しい季節に使った経験では、グリップ力が高く厚手でしっかりした耐久性に優れたグリップという印象でした。
タフドライのウンチク
開発会社
2012年に開発され発売開始されたタフドライは、テニスサポートセンターや楽天テニス市場を運営する会社(中山産業株式会社)が開発したグリップテープです。
とても興味深い、タフドライの開発記が楽天テニス市場のブログに掲載されています。
”トーナの様に感触が良く、耐久性の良いドライグリップ”を目標に開発されたそうです。下地となる不織布は厚みのあるものを選び、ウレタン浸透量を高めることで、ドライの感触を維持しつつ耐久性アップに成功したそうです。ノウハウにつながる情報をこれだけ公開しているのは素晴らしいです。
使用選手
ATPランキング自己最高位23位のギリェルモ・ガルシア=ロペス(スペイン)も使用中だそうです。ロペスは2016年全米ダブルス準優勝、シングルスでは全豪、全仏で4回戦進出の実績があります。錦織圭との対戦も4度経験している選手です(対錦織 1勝3敗)。
また、自己最高位9位のニコラス・アルマグロ(スペイン)も、引退前にタフドライを使用していたことが知られています。
エンドテープについて
トーナ超えを目指したタフドライは、発売後しばらくはトーナと同様にブルー&赤いエンドテープの展開でしたが、海外ではブルーのグリップに赤いエンドテープはトーナグリップの商標となっているとのことで、アルマグロやガルシア=ロペスは緑色のエンドテープを巻いていました(タフドライの販売ページに以前はその旨が記載されていました)。
しかしいつの間にかブルー&赤エンドテープがなくなり、ブルー&緑エンドテープのみになってしまいました。やはり日本でも商標上の問題があったのでしょうか。
その後タフドライに、ホワイトカラーも発売されましたが、ホワイトはエンドテープが赤と緑から選べるようになっています。
タフドライのインプレッション
さて、改めて3時間ほどタフドライを使ってみました。
- サラッとしつつグリップ力が高く引っ掛かりが良い
- かなりの厚みを感じ、柔らかな握り心地
- 汗の吸収量はかなり多く、濡れても滑りにくい
- 乾いた状態での耐久性は高い
- 伸縮性に優れとても巻きやすい
- 価格が安くネットでいつでも入手可能
- 濡れてからの耐摩耗性がやや不安
- ロング対応でかなり長いため、カットする必要があってやや面倒
- 購入方法は都内の実店舗かネットのみで、ネットでは送料が発生する
- エンドテープを切れ込みから剥がしてそのまま貼ると、エンドテープのブランド文字が逆になるので注意
- エンドテープの色、デザインが格好良いとは言えない
”トーナ超えを目指した”が売りですが、トーナとは握り心地、触感は異なります。以下トーナとの比較を語ります。
トーナは汗を吸うと、濡れたなりのキュッとしたグリップ力に変化しますが、タフドライは濡れた時の触感の変化が比較的少ないのが特徴です。トーナは、ベースである不織布から、表面のウレタン剥がれてくるような劣化をしますが、タフドライは厚手の不織布へウレタンを浸透させている影響か、徐々に削れてくるような摩耗の仕方をします。トーナとタフドライは似て非なるものと捉えた方が良いでしょう。似ていると言えば、タフドライよりキモニーネオドライの方が断然トーナ寄りです。
タフドライは、グリップ力自体の性能は良く、厚めでソフトな握り心地のドライです。
しかしながら、ある条件下での耐久性に重大な欠点がありそうです。
耐久性:3時間使用後
今回の使用条件は以下の通りです。
- 真夏の湿度の高いインドアで3時間使用
- かなりの手汗を吸った状態
- グリップ購入は昨年冬
結果、わずか3時間でかなり摩耗をしてしまいました。これはトーナレベルだと思います。加水分解が進むほどの保存期間とは思えないですし、タフドライは濡れた状態での耐摩耗性に難があるのではないかと考えます。以前に使った時は冬で、さほど汗の量が多くなかったため、ここまでの削れはありませんでした。恐らく、乾いていれば”ヤスリ試験”と同様の結果が期待できるのでしょう。
使用条件・使用者(汗の量)によって結果が大きく変わってくると思うのですが、濡れた時の耐摩耗性にやや不安がある、私の場合はこのような結果でした。
まとめ
ドライを選ぶ人は汗かきが多く、濡れた際のグリップ力を大切にしていると思います。濡れてからの耐久性の面で、タフドライはやや不安を感じました。
今回、以前には感じなかったデメリットを確認することとなってしまいましたが、この結果を踏まえてまとめるとすれば、
- ドライ愛用者の秋冬用の選択肢として
- 厚手のグリップが好み
- 手汗が少ない
- グリップテープはこまめに交換することにしている