人の足は使えば使うほど、そして加齢に伴っても必ず変化をしていきます。
個人による程度差こそあれ、踏まずのアーチ=縦のアーチが潰れて扁平足に変化したり、母指球と小指球周りの横のアーチが崩れて開帳足(平べったい横に広がる足)に変化したり。
お肌や筋肉にハリがなくなるのと同様に、足裏のハリが失われ、柔軟性やクッション性を失うという変化も起こります。
健康的にテニスをしている40代の私ですが、やはり足の機能、回復力が以前よりも損なわれたことを実感しています。
そのようなこともあって、足については真剣に考え、純正に替えてスポーツ用インソールを入れるようにしています。今回紹介するのは、ここ数年にわたって履いてきた超有名インソールの『スーパーフィート』です。私が使用してきたのはスーパーフィートトリムフィットの『ブルー』『グリーン』『オレンジ』の3種類。
カスタムオーダー品を除けば、テニスシューズとの相性が良いと考えられるのはこの3種類ですので、少しでもお役に立てるようインプレを語ってみたいと思います。
スーパーフィートとは
カカトのサポートを重要視
スーパーフィートが、他のインソールとの違いとして打ち出しているのは次の通り。特にカカト、後足部のサポートをメインに考えている点が大きな特徴です。
スーパーフィートインソールの特徴、3つのポイント
1 深くて頑丈なヒールカップ(特許取得)
かかとの脂肪層を包み込み足本来の衝撃吸収機能を最大限に引き出します。
2 後足部サポート形状(特許取得)
スーパーフィートインソールは、かかと周り(後足部)を機能的にサポートし、足本来の動きを作り出します。アーチではなく、内くるぶしの下あたり(載距突起と呼ばれるかかとの骨の一部)にサポート感があることが大きな特徴です。
3 足骨格のねじれ補正(特許取得)
高密度フォームで作られたトップシートと硬質スタビライザーが、足骨格の不要なねじれを補正し、安定した足の機能を導き出します。スーパーフィートインソールの持つ大きな特徴の一つです。
スーパーフィート公式サイト 「SUPERfeetの役割」より
アーチを持ち上げないメリット
またアーチに対する考え方も非常に独特です。アーチ(土踏まず)を持ち上げるインソールは、自分の足に合わないと本当に辛く、履いているだけで脚が攣りそうになってしまいます。スーパーフィートはそもそもアーチを持ち上げる発想ではないため、例えば扁平足気味の人でもトライしやすい、ハードルの低いインソールです。
スーパーフィートインソールと後足部サポート
足を3つの部位に分けて解説します。
1 前足部=つま先
2 中足部=足の甲あたり
3 後足部=かかと周り
スーパーフィートインソールはアーチなどを直接的に持ち上げるのではなく、主に後足部の機能をサポートしています。
なぜなら、立っている時、歩いている時、そして走っている時も、足や下半身の動きを作る起点となる関節がかかと周り(後足部)にあるからです。
かかと周りの関節群はアーチの高さや足の指の働きそしてスネの向きや傾きまでもコントロールする、トルクコンバーター(力の変換機)という役割を担っています。
スーパーフィート公式サイト 「SUPERfeetの役割」より
実際に私は生来の扁平足で、これまで試してきたアーチの盛り上がったタイプのインソールでは相性が悪く、1回で捨ててしまったこともあります。スーパーフィートでは、アーチの持ち上げ感がほとんどないため、私でも履いていて辛くありません。
次のような足のトラブルに!?
これは、スーパーフィート公式サイトからの情報ですが、オーバープロネーション(カカト周りの関節が過剰に動きすぎている状態)が原因の一端となっている次のような足のトラブルに対して、スーパーフィートの使用によって症状緩和につながる可能性、トラブル防止の効果があるそうです。
オーバープロネーション(過剰回内)
扁平足
外反母趾
足底筋膜炎(踵痛)
シンスプリント
ランナーズニー(腸脛靭帯炎)
アキレス腱炎 (アキレス腱・ふくらはぎの痛み等)
モートン病 (神経腫)
スーパーフィート公式サイト 「足のトラブル」より
ひとつだけ留意しておきたいのは、スーパーフィートは決して上記のトラブル(ケガ)を治すものではないということ。
ケガをした際は、まずは整形外科など専門家に相談すべきです。
スーパーフィートをはじめとするインソールは、あくまでもサポート的なギアとして、足を補正することでトラブルを発生しにくくする、予防的に使用していくものということだけは確認しておきたいところです。
テニスに使うならトリムフィットの3種類
理想はカスタムオーダー品ですが、私は既製品の中から、テニスシューズにマッチする3種類『ブルー』『グリーン』『オレンジ』を使用してきました。
ブルーの特徴
カカト補正のためのヒールカップが浅めで、アーチの矯正力も弱めなのがブルーの特徴です。扁平足傾向の人であれば、最初に試してみるべきモデルです。また前足部は若干薄めに作られていて、靴の中でかさばりません。
ブルーのインプレ
私が一番最初に試したのは、このブルーでした。不自然な矯正はせず、全く違和感なく履き始めることができました。元々足にトラブルがあったわけではありませんので、何か劇的な効果を感じたわけではありません。
ただし、プラスチック製のスタビライザーによる硬めの履き心地は意外に素晴らしく、カカトの安定感を実感し、スーパーフィートを履き始めてからは純正品が物足りなく感じるようになってしまいました。
ソール自体は硬めにも関わらず、カカトのクッション性は保たれる、この独特なスーパーフィートの履き心地を気に入りました。尚、前足部の厚みは、純正ソール比だと若干薄めです。
グリーンの特徴
グリーンはブルーと比較して、アーチの矯正力高め、ヒールカップが深く包み込んでくれる感覚、そして前足部はもう少し厚みがあります。ブルーに不満があったわけではないのですが、スーパーフィートの基準モデルということもあり、どうしても試してみたくなり購入しました。
グリーンのインプレ
まず感じる大きな違いは、やはりサポート力の高さ。ヒールカップが深いため、ブルー以上にカカトの補正感があって、足本来の機能が発揮できている感覚です。また、左右に踏ん張った際のブレが少なくて安心感がありました。
前足部の厚みは純正ソールに近く、履いているうちに馴染んでくることもあって、この部分も好印象でした。
オレンジの特徴
最近購入したのがオレンジです。アーチの矯正力強め、ヒールカップ深め、ソール自体は厚目で、グリーンとの共通点が多いモデルですが、前足部裏に「低反発衝撃吸収フォーム」が配置され、着地や蹴り出しの際の衝撃緩和の機能が追加されました。
オレンジのインプレ
見た目ではオレンジが一番ヒールカップが深く見えましたが、履き心地はグリーンに近く、非常に安心感のあるサポートです。左右ブレがしにくい部分に関しても同じ印象です。
前足部の低反発フォームは秀逸で、衝撃を吸収しすぎない点、柔らかすぎない点も好印象。前足部の負担は確かに軽減され、適度にソフトな心地よい履き心地でした。
低反発フォームの厚みが加わるため、純正ソールよりも容積が大きく、シューズのサイズ感をタイトにする可能性がある点は注意が必要です。
自分に一番相性が良いスーパーフィートは!?
私にはオレンジが最適
数年にわたって使用してきた「ブルー」「グリーン」はそれぞれ良かったのですが、「オレンジ」を使用してみてその履き心地の素晴らしさに衝撃を受けました。
オレンジを使用してみて、40代後半となった自分の足には少し変化が起こっている可能性があることに気づかされました。前足部の「低反発衝撃吸収フォーム」が快適に感じるということは、横のアーチ(母指球と小指球の周り)が若干なりとも崩れ、足自体の柔らかさも若い頃よりは落ちていると考えられました。
あなたに合うスーパーフィートは私と同じではありません!
ただ、こういうインソールに絶対的な正解はありません。
人によって、そもそも足の形状的自体が全く異なりますし、抱えている問題も違います。補正される感覚自体をよしとしない方もいるでしょうし、アーチを持ち上げる感覚が嫌いな人がいれば、好む人もいる。効果に対しても過度な期待は禁物です。
例えば、リオオリンピックのバドミントン女子ダブルスで金メダルに輝いた松友美佐紀選手は、サポートの強いインソールが苦手だそうで、自分の足型通りにフィットさせるカスタムバランスを愛用していたりもします。
スーパーフィートで言えば、私にはオレンジが合いますが、そうでない人も当然いるでしょう。
あくまでも既製品のインソールですので、自分自身で相性を見極めていきたいところです。
最初は正規取扱店での購入を推奨
私もそうしましたが、まず最初はしっかりとフィッティングをしてくれる正規取扱店で購入することをおススメします。
正規取扱店であれば、自分に合ったモデルを選択してくれるだけでなく、購入後にフィットしない場合や痛みなどの不具合が発生した場合は、60日間は無料で返品・交換も対応してくれるからです(箱とレシートの保管が必要)。
フィッティング命のインソールを、安いだけの理由で、最初からネットショップ、フリマアプリで購入するのは危険です。
まとめ
- 既製品の中では、トリムフィットの3モデル「ブルー」「グリーン」「オレンジ」はテニスシューズとの相性よし
- 初回は正規取扱店でフィッティングの上購入することを推奨(60日間返品交換無料のサービスあり)
- それぞれのアーチ(土踏まず)の程度、履き心地の相性を十分考慮
- 「ブルー」:アーチが低め、ヒールカップ浅め、矯正力がミディアムなため初心者におススメ
- 「グリーン」:アーチはブルーより高め、ヒールカップ深めでサポート力高い
- 「オレンジ」:アーチ・ヒールカップはグリーンと同等、前足部のクッション性が高い。厚みが加わる分、シューズのサイズ感に注意
- インソールに絶対的な正解はなし。特に既製品は相性の良し悪しが分かれるため過度な期待はせず、使用しながら相性を見極めていきたい