ホームストリンガー

【ホームストリンガー】ホームストリンガー必見!スイートスポット・エリアの作り方

以前にプロストリンガーの有料講習を受けた際に、スイートスポット(エリア)の作り方を教えてもらいました。

今回改めてプロストリンガーから学んだやり方を自身でトライしてみました。

まだ2本を比較したのみですが、その感触をご紹介したいと思います。

プロストリンガーから聞いたスイートスポット調整方法

以前のブログでご紹介した、プロストリンガー有料講習の記事もぜひご覧ください。私が学んだ澁谷さんはストリンガー業界の超有名人で、かつてはWTAランキング4位まで上り詰めた某選手の専属ストリンガーを務めていたそうです(そのことをご本人は言わないのですが)。何より、ベテラン職人でありながらも『正解はひとつではない』『常識や今まで通りのやり方に固執せず、良いと思うことをどんどん取り入れる』という姿勢でいることが、素晴らしいのです。

【ストリング】熱すぎる!プロストリンガーの有料講習先日、プロストリンガーの張りを経験したことで自分の『ガット張り』に対する見識不足を痛感し、より知りたいことが増えてしまいました。 ...

その講習の中でお聞きした、以下のスイートスポットの調整方法を改めて実践してみました。

Q.スイートスポットを調整する方法は?部分的にテンションを変えるのはアリ?

A.真ん中を柔らかくすると馴染んだ感じ=スイートスポットが広い感じとなる。それが嫌な場合は真ん中を特段柔らかくしなければよい。

部分的にテンションを変えることは特に問題ないので試しても良い。部分的にテンションを変えてもグロメットの摩擦があるため、張り上げ後に周囲のテンションに引っ張られたりはほぼしない。ただし店では何ポンドで張ったのかを把握できなくなるため行っていない。テンションを変えずに、張り上げ中にストリングを調整していく。

具体的調整方法

要はストリングを張り上げる際に、

スイートスポット・エリアを作る=その部分のテンションを下げて柔らかくする

調整を行うのです。具体的方法として、

  1. 縦糸を張った後に、指やセッティングオールを使ってスイートスポット・エリアを作りたい部分が柔らかくなるようテンションを慣らしていく
  2. 横糸も同様に、指やセッティングオールを使ってスイートスポット・エリアを作りたい部分が柔らかくなるようテンションを慣らしていく
  3. 横糸を下から張り上げる方がスイートスポットが上にきやすい
  4. 部分的にテンションを下げて張る方法もあるが、毎回同じ条件でそれが出来るようにメモを残すかしっかり記憶しておくことが必要(※プロストリンガーの場合は、そのラケットを何ポンドで張ったかの管理が困難になるため、部分的テンション変更は行わないとのこと)

このような調整を行います。

縦糸・横糸の調整は重要

縦糸と横糸をどれだけ柔らかく調整するか、という部分も重要な要素になってきそうです。

プロストリンガーから学んだ情報と自身の体験でも、縦糸と横糸はやや性格の違う糸になります。またテニス用具研究の大家である川副先生の研究結果も踏まえて、おおよそ以下のような役割があると考えられます。

縦糸

縦糸は、インパクトにおいて動く糸=スナップバックに関わる糸であるため、スピン性能に関わり、その結果として打球速度にも影響を与える。スピン、打球速度に影響を与えた結果として、コントロールにも影響を及ぼす。すなわち縦糸は、主にストリングの基本性能(武器としての性能)に関わってくる糸と考えられる。

横糸

横糸は、インパクトにおいてほぼ動くことはない糸であり、縦糸の支え・土台となる。また横糸の潤滑性は縦糸のスナップバック=スピンに影響を与える。支え・土台すなわち打球感に関わり、主に硬さ柔らかさの感覚的な部分(弦楽器としての性能)に主に関わってくる糸と考えられる。

上記の縦横の糸の性格を考慮し、それぞれをどの程度柔らかくしてスイートスポットを作るのかという部分は、重要な調整要素となります。

スイートスポットを意識して張ってみた

さて私は今回の検証のために、連続して2本を張り上げました。

1本は”真ん中よりやや上”にスイートスポットを作ろうと極端にその部分が柔らかくなるよう縦糸も横糸も調整し、かたやもう1本はそれらの調整はせず指定テンション通りに通常に張り上げました。

調整ですが、縦糸は特に真ん中の6本ほどを緩くできるよう、横糸は真ん中からやや上部分にかけての6-7本程度をターゲットに緩く調整しました。

ラケット:Prince Tour100P(18×20)

ストリング:テクニファイバーXR3(ナイロン モノマルチ)

張り方:1本張 変形GOSEN張り(横糸を下から張るために部分的にATW)

テンション:縦横ともに50ポンド

スイートスポットを作りたい部分が柔らかくなるよう、セッティングオールや指でテンションを慣らしていく

さて張り上げが完了しました。張り上げテンションをRacketTuneアプリ※(有料スマホアプリ)にて測定し0.8ポンド違いでした。誤差範囲内と言えるでしょうか。

左がスイートスポット調整あり、右が調整なし

実際に打ち比べた印象

早速張り上げた2本を比較してみました。ラケット同士で弾いた音の高さはあまり変わらず、また手で弾いた感触でもテンション差が大きく異なる印象はありません。

実際にボールを打ってみて感じたのは、調整を行ったストリングの方が、

  • ボールを包み込むようなホールド感がある気がする
  • 手・腕で感じるボールのダイレクトな衝撃が少ない気がする
  • オフセンターでヒットした際にごまかせる気がする

調整の有無という先入観を排除することは不可能でもあり、そして実際にものすごく打球が違ってくる訳ではありません。ただ全体的にスイートスポットの調整をした方がソフトな打感に感じます。

個人的には、もう少しダイレクトな打感の方が好みであり、調整を行わなかった1本の方が好感触でした。おそらくテクニファイバーXR3自体が非常にしなやかでソフトなストリングのため、スイートスポット作りをしてしまうと多少ボヤけた印象になるのだろうと思います。

この『スイートスポット作りの調整』は、ポリエステルの場合なら私にもマッチするかも知れませんし、ストリング種類によって使い分けるという考え方も当てはまりそうです。

そして、あくまでもストリンギングによるスイートスポット作りは各人の好みの問題です。

スイートスポット調整を振り返って

スイートスポットの作り方は手技もさほど難しい訳ではありませんので、ぜひストリンギングを試行錯誤される一環として、みなさんにもぜひ試していただきたいと思います。

また、実際にそれを行う上では調整の要素がものすごく多くなってくるため、その人にあったスイートスポットを見つけ出すまでには時間がかかることも念頭におく必要があります。例えば、

  • スイートスポットの場所をどこにするか
  • どの糸をどれだけ柔らかくするのか
  • 縦糸と横糸をそれぞれどの程度調整するのか(縦だけやる?横だけやる?縦横ともガッツリやる?)

上記、試行錯誤をしながら最適のスイートスポット、最適の打感が得られると良いですね。