日本ではストリングで有名なソリンコですが、実はラケットも販売していることはご存じでしょうか?
今回は、私が有名ストリンガーショップ”サウスフィールド”で以前に入手した、ちょっと珍しいソリンコのラケット”ソリンコプロ8″を紹介したいと思います。
※サウスフィールドについては、以下記事内で紹介しています。
ソリンコとは
ソリンコはアメリカのL.A.を拠点にするスポーツ用品メーカーです。テニスはストリング、アクセサリー類、そしてラケットを提供しており、それ以外にも自転車、ゴルフ関連アイテムも販売しているそうです。
ソリンコのストリングはkimonyが輸入代理店をつとめていることもあり、日本でも既にメジャーになっていますが、ラケットの方は正規輸入がされていないため、ほとんど知名度がありません。
http://solincosports.com/
ソリンコの名前の由来が、ウィンザーラケットショップのニュースページに掲載されていましたので以下紹介します。
ソリンコ(SOLINCO)とは、SOL(太陽)in COSMO(宇宙)で「我々がいるコミュニティと世界全体に魅力ある輝かしい光を照らす」という意味をこめた造語です。
ウィンザーラケットショップ オフィシャルサイト ウィンザーニュース 【ソリンコ】[考察]「5角形ポリエステル、ソリンコのコンフィデンシャルとハイパーGを比べてみました。」より
ソリンコのラケットラインアップ
日本で入手できるラインアップの紹介
おそらく今日時点で、日本で入手できるのは、厚木のサウスフィールドだけと思います(個人輸入代行業者除く)。
サウスフィールドでは、以下の2シリーズのラケットが取り扱われていました。
その他本国のサイトでは、より幅広いユーザーをターゲットにしたと思われる”SHADOWシリーズ”も発売されているようです。
スペック | SOLINCO PRO SERIES 7/8/10/10x | SOLINCO TOUR SERIES 7/8/10/10x |
---|---|---|
フェイスサイズ | 98inch2 | 98inch2 |
平均ウェイト | 285/300/325/325(g) | 285/300/325/325(g) |
バランス | 330/320/320/320(mm) | 315/305/305/305(mm) |
全長 | 27inch(10xのみ27.5) | 27inch(10xのみ27.5) |
フレーム厚 | 21mmフラット | 20mmフラット |
素材 | カーボン、ニッケル | カーボン、ニッケル |
パターン | 18×20 | 16×19 |
特徴 | 酸化被膜処理をした安定性の高いニッケルと、カーボン繊維を織り合わせたメッシュを、3時9時の位置に配置(延べ32cm超)。この高性能ニッケルメッシュにより、強度、衝撃安定性、コントロール、パワーを実現 |
両シリーズともに、3つの重量パターン、最重量モデルでは0.5インチロングのパターンも用意され、各合計4パターンが存在します。
以前に店主から聞いた説明は、しなりとパワーを実感できるツアーシリーズと、ガッチリしてコントロールの良いプロシリーズ。いずれも振動吸収性に優れ、バランスの良いラケットとのことでした。
ソリンコ プロ8を買ってみた
未知のラケットへの興味と衝動が止められず、思い切って購入してしまいました!
しなるラケットが苦手で、細かいストリングパターンが好きな私は、プロシリーズの8を購入しました。ピカピカ銀色のコスメは極めて珍しく、私好みの硬質感を想像させるビジュアルでもあります。
3時9時の位置に配置されるニッケルメッシュは、その素材の網目がスケルトンで見える仕様で、それもとても格好良いです!
ソリンコ プロ8を試打して
感想を一言で表すと、
ごまかしが効かず硬派だけれど、腕を守ってくれる優しさが嬉しいラケットでした。
21mm厚の薄ラケ、18×20の密なストリングパターンから想像する通り、非常に硬派なラケットです。フレックスも標準レベルより硬めです。
しかしながら、オフセンターで打った際の嫌な衝撃が非常に少ないことに非常に驚かされました。
「硬くて薄くて、ストリングが密な競技者向けラケットなんて、ケガが怖くて打てないよ」と思いこんでいるような人に、一度このラケットを試してもらいたいです。本当に驚きます。
つづいて性能・仕様について、少し細かく紹介していきます。
ソリンコ プロの機能
上述していますが、ソリンコのプロシリーズ、ツアーシリーズに搭載されている”ニッケルメッシュ”が、この素晴らしい打感を実現しているものと考えられます。
【ニッケルメッシュ】
ニッケルと、カーボン繊維を織り合わせた”ニッケルメッシュ”を、3時9時の位置に配置(延べ32cm超)。このニッケルメッシュによって、強度、衝撃安定性、コントロール、パワーが実現されている
実際に、強度、衝撃安定性(振動の少なさ)、コントロール、パワーが良いバランスで達成できていると感じます。
打感:しなりが少ないがマイルドさも持ち合わせる
「不要なしなりを感じにくい、硬派な打感」
「思い切って打っても嫌な衝撃がないのでマイルドさも感じられる」
硬派で思い切って打てる、スイングスピードの速い競技者にピッタリなラケットです。
ストリングが密なため、面でつぶしていくようなタイプ、フラットドライブは特にマッチしそうです。
スピン性能
18×20のストリングパターンの中でも、このラケットはかなり密で、ものすごくスピンが掛かるわけではありません。
ナイロン単張りだとスピンは控えめですが、ハイブリッドでセッティングを調整するとかなり変わります。衝撃が少ないラケットなので、ポリ単張りでもいろいろトライ出来そうです(私はポリは未経験)。
スピン性能は中の下くらい
気づいた点:かゆいところに少々手が届いていない…
実はこのラケット、高品質・高級仕様に慣れている日本のユーザーとしては、少し違和感を覚える部分が何点かあります。
ストリングがフレーム外周からはみ出している
ご覧の通り、フレーム外周からストリングが少々はみ出しています。
サーブ&ボレーヤーや、腰を落としてしっかり低い球を打てる人は、フレームからはみ出しているストリングが擦れて傷ついてしまう可能性があります…。
店主もこの点は「改善してもらいたい仕様」とおっしゃっていました。
バンパーが若干浮いている
写真では、バンパーとフレームの間に少し隙間があるのが分かると思います。
使わないまましばらくストリングを張りっぱなしにしていましたが、ストリングの張力によるものか(?)バンパーが部分的にほんの少し浮いてしまっています。これは2本中1本に発生していたので、個体差もあるかも知れません。
グリップエンドの仕様変更とグリップ形状・太さの違い
上の写真は左側が新しい製造番号で、グリップエンドキャップが外せる仕様に変更されています。それだけであればまだ良かったのですが…
写真でも多少表現できていると思いますが、新しい仕様ではグリップ形状が少し丸っこくなり、しかも同一サイズのグリップ2にも関わらず、明らかに太くなってしまいました。ほとんどグリップ3と言えるレベルまで…。
「グリップの太さを揃えないと、このままではちょっと使えない」となり、結局今は別のラケットがメインになってしまいました。
もし2本以上購入する際は、特にグリップの仕様は同じものを選ぶようにしてください!
まとめ
今回は日本ではレアな、ソリンコのラケットを紹介しました。
さいごに、ソリンコプロシリーズがおススメできる人を紹介して、まとめたいと思います。
- スイングスピードが速い
- フラット系でつぶしていく
- コントロールプレイヤー
- しっかりした硬めのフレームが好み
- 衝撃吸収性を重要視する
- 人と被りたくない!