『プリンス NEWツアーシリーズ(2022年9月下旬~11月下旬発売予定モデル)』、そして『NEW Xシリーズ(2022年9月下旬発売予定)』のメーカー試打会に潜入してきました。
試打時間が1時間と短く、全てのモデルで全ショットを打つのは難しかったのですが、今回は可能な範囲のファーストインプレッションを紹介いたします。
『ツアーシリーズ2023(TOUR SERIES 2023)』試打会の様子
2022年9月3日、東京都昭島市の昭和の森テニスセンターにて、グローブライド社主催『プリンス NEWツアーシリーズ』試打会が開催されました。また、9月1日にリリース発表された『NEW Xシリーズ』も同時に先行試打することができました。
今回は、プリンス契約プロの小野田倫久さん、山本育史さんも参加されていました。お二人とも、参加者全員とヒッティングしたり、コートサイドでアドバイスをくれたりと、素晴らしい機会を提供してくださいました。
ツアーシリーズ 全モデル
製品ラインアップ
- ツアー 100/SL(310g/290g、270g)
- ツアー O3 100 (305g/280g)
- ツアー 95 (310g)
- ツアー 98 (305g)
今回のNEWツアーシリーズでは、新たに98のフェイスサイズが追加され、4種類のフレームパターンがラインアップされました。
個人的に期待していたモデルは、私の現在の愛機ツアー100(310g)のニューモデル、そして新ラインアップのツアー98でした。
搭載テクノロジー
既存の搭載テクノロジーはそのままに、2023モデルからは、全機種共通で『P.V.S.(ピュアファイバイブレーションシステム)』が追加搭載されたそうです。
【ツアーシリーズに搭載のテクノロジー】
- テキストリーム×トワロンテクノロジー
- ATS
- Xモーフフレーム
- 2ピーススロート
- エクスパンドホール
- P.V.S(ピュアファイビブレーションシステム)
Purify Vibration System(P.V.S)
長時間のプレーでもパフォーマンスが落ちないように開発された新機能。
新素材の高分子エラストマーをラケットシャフト部からグリップ部に搭載し、打球時の衝撃と不快な振動をふるいにかけて心地よい打球情報のみを手に伝える。いまだかつてない超衝撃吸収・超振動吸収を実現。
プリンス公式サイトより
疲労の蓄積を軽減しプレー後半にも再現性の高いスウィングを可能にする。
TOUR100(310g)
インプレ:前モデルよりさらに減衰性アップ→柔らかい打感に
セッティング:TOUR XX SPIN 50ポンド
私の愛機『ツアー100』の後継機です。
打ち心地は、PVSの影響と考えられますが、前モデルよりさらに衝撃吸収性能が上がり、手や腕に優しくなった印象。
主観的には、しなり感が強くなり、少し打球情報が減ってしまったようにも感じました。パワーレベルに変化はないものの、RA値は少し下がったのではないかな!?
ツアー100は良くも悪くも自分の意志が反映しやすい硬派なラケットだと思いますが、少しだけ楽になったことでユーザーの裾野が広がったように思います。
グロス塗装と、ブルーのロゴがとても爽やかで、デザインだけで選びたくなってしまうラケットですね。
TOUR O3 100(305g)
インプレ:意外と硬派!振り抜きとしっかりした打感を両立する最優秀モデル!?
セッティング:TOUR XX SPIN 52ポンド
個人的に、打感がボヤける印象があってあまり好みではなかったO3ポートですが、このモデルはものすごくよかった!
O3は、穴のおかげで振り抜きが良いだけでなく、フレームの剛性が高くなるメリットもあるんですよね。O3ポートは成型時に穴が作り上げられるので、成型後にグロメット用に穴を開けるノーマルフレームよりもしっかりとしたフレームに仕上がる、改めてO3の信頼感の高さを痛感します。
フェイス形状、フレーム厚ともに、ノーマル100と同様ですが、相対的に振り抜きに優れ、スイングスピードが上がる感覚があります。また、フレームがしっかり詰まっている感覚=剛性感があって、硬気持ち良い!
スピンもかかりやすい、スイングスピードが上がってハードヒットもしやすい。すごく満足度の高いラケットでした。
小野田プロも「今回のO3良いんだよな~」とつぶやいていましたよ!
ニューツアーシリーズの中で、O3だけがパールホワイトをベースカラー(他はノーマルホワイトがベースカラー)にしていて、ロゴのゴールドも高級感があります。王者の風格をもったデザインもとても気に入りました!
TOUR 98(305g)
セッティング:PHANTOM TOUCH 50ポンド
インプレ:細面なフェイス形状・細めのフレームで振り抜きGood!フェイスサイズが小さくなってもパワー出力は高い
98もかなり良かったです。
フェイス形状がかなり細い顔つきで、以前にモンフィスが使っていたEXO3 REBELを思い起こさせます。
小さく細いフェイスのため、ちゃんと当たってくれるかが心配でしたが、しっかり当たった時は意外とパワー出力が高めです。今回のツアーシリーズの中では、最もフレーム厚があるためか、思った以上に楽に飛んでくれる印象。
タイプ的にはフラットドライブ系がスピードボールを打つのに向きそう。また、スライスやボレーも良くて、タッチ系、ボレーヤーも気に入りそうな打感でした。
また、この98はフレーム形状が少し独特で、正面厚が細め、スロートが長めで、それが振り抜きの良さにつながっているのではないでしょうか。とても取り回しやすいラケットでした。
白地にオレンジカラーのロゴは、実物もなかなか良かったです。
TOUR 95(310g)
インプレ:フラット系、タッチ系に最適!これぞボックスフレームの心地よさ
セッティング:PHANTOM TOUCH 48ポンド
ツアー100と異なり、95は全面ボックスフレームで、1mm薄いフレーム厚になります。310gですが、310mmのトップライトで意外と扱いやすいバランス。
チョリっと薄いスピンには不向きで、ある程度しっかり当てていかないと良さが引き出せない。厚く当てると心地よく伸びていく、とても懐かしい打感ですね。かつて95inch2が標準的なフェイスサイズだった1990年代の、古き良きラケットを思い起こさせます。
とはいっても、そこは最新機能搭載のラケットで、このラケットが90年代に存在していれば「圧倒的にスイートスポットが広い!衝撃が少ない!」と感じるはずです。
ツアーシリーズの中では最もハードスペックですが、クラシカルなスタイルのプレーヤー、ミッドサイズを愛してやまないベテランには最高のラケットではないでしょうか。
Xシリーズも試打できました!
今回のメインはツアーシリーズだったのですが、9月1日発表になったばかりのNEW Xシリーズも同時に試打することができました。
インプレ:Xフレームは結構しっかり!X100は違和感なく快適!/X105はダブルスに最適
正直なところ、全く注目していなかったXシリーズですが、前モデルから今回は新たにTeXtreme×Twaron、ATSを搭載して進化したそうです。
左右非対称のシャフト形状によって、フォアとバックで異なる性能を生み出すという触れ込みのテクノロジー。290gのエックス100と、290g・270g・255gが揃うエックス105の2機種がラインアップされます。
私は今回、エックス100(290g)、エックス105(270g)を打ちましたが、どちらも結構違和感なく打ててしまいました(笑)。
ビーストよりも良いかも!?フォアの打感は特別違和感なく(あまり特徴を感じない)、バックハンドは自然と持ち上がってくれて楽にボールが行ってくれる印象。
ボレーもフォア・バックそれぞれ打ちましたが、バックボレーがすごく良かったな~。楽にパンチが利く感じです。
個人的に、当てるだけでも楽にパワーを出せる105が意外にも好印象でした。ダブルス専用に使ってみようかな、なんて思ってしまいました。
まとめ
今回試打した中での、個人的な順位は、
- ツアー100 O3
- ツアー98
- ツアー100
でした。O3の素晴らしさに気づいてしまった私は、買ってしまうかも知れません!
なお、今回のラケットは全て、2022年9月下旬以降の発売予定です。おそらく発売開始後に、プリンス公式サイトから、シリーズ全機種が試打できるレンタルラケットサービスに載ってくると思いますので、もう一度試打してみようかな?