「ソロパッズを個人的に入手したのですが、もしご入用でしたらお声かけください!」
SNSでつながっていたサイトウテニスショップさんからそんな一言をいただき、久しぶりにあの”ソロパッズ”を入手することができました。数年前に国内代理店がなくなったため、いまや個人輸入でしか手に入らない“ソロパッズ”です。
ソロパッズは、数少ない「高揚感」を味わえるソックス
ソロパッズ──それは、かつてエドバーグ、ベッカー、レンドル、そして伊達公子や松岡修造といったトッププレーヤーたちが愛用していた、伝説的なソックスなのです。履くだけで、あの時代の空気を足元に感じられる。そんな高揚感を味わえるソックスは、他にあるでしょうか?
現在では、ソロパッズを意識したボウブランドのソックスもあり、それはそれで良い製品ではあるのですが、やはりオリジナルの完成度には及ばないと感じています。
例えば、類似製品はゴムやニット部分が伸びやすく、爪先部の耐久性が物足りない傾向です。また、履き始めのフカフカとした感触が長続きしない点も、質の部分で差を感じるところです。

ソロパッズの”素材”と”唯一無二の履き心地”
ソロパッズが開発されたのは1980年とのことで、エドバーグが1988年頃から、レンドルとベッカーは1989年頃から着用を始めていたシーンが確認できます。


テニスソックスでは、昔も今もクッションパイル部分にコットン素材が使われるのが一般的ですが、ソロパッズはその頃からすでに化学繊維のみで構成されていた点が画期的でした(現在の素材構成はアクリル88%、ナイロン10%、ポリウレタン2%)。


コットン素材は汗の吸収には優れていますが、湿気を逃しにくく、濡れた状態が続くことで皮膚へのダメージにつながるというデメリットもあります。その点、厚手の化学繊維で作られたソロパッズは、湿気を効率よく逃がし、速乾性にも優れており、ドライな足元環境を保ちやすい点が大きな魅力です。
ソックスの厚みについては好みが分かれるところですが、柔らかなクッション性を好まれるプレーヤーにとって、ソロパッズはこれ以上ない快適さを提供してくれる一足です。


足裏にしっかりとした厚みがあることで、プレー中の安心感が生まれ、シューズとのフィッティングにも良い影響を与えてくれます。シューズは同じメーカーでもモデルによってフィット感が異なったり、個体差による違いが生じたりすることがありますが、ソロパッズの厚みとクッション性は、フィッティングの調整役としても活躍してくれるのです。


ラインアップにはブラックカラーもあり、履き心地はホワイトと全く変わりありません。
久しぶりにソロパッズでプレーをして
久しぶりにソロパッズを履いてプレーしてみましたが、履いた瞬間から「ああ、これだ」と思える感覚がありました。
足を包み込むような柔らかさと、シューズとの間に生まれる絶妙なフィット感。まるで足とシューズの間に上質なクッションを挟んだような安心感があり、プレー中も足元に余計なストレスを感じることなく、快適に動けました。
足を入れたときのふかふかとした感触がとても心地よくて、思わず「これこれ」と頷いてしまうほど。厚手のソックスは好みが分かれるところですが、特にハードコートやカーペットコートでのプレーでは、衝撃をしっかりと和らげてくれる感覚があります。
厚手であるぶん保温性も高く、これからの秋冬シーズンにはぴったりだと感じました。真夏の炎天下ではさすがに暑さを感じるかもしれませんが、気温が下がってくるこれからの季節には、冷えやすい足元をしっかり守ってくれるでしょう。
耐久性についても申し分ありません。数回の洗濯ではまったくへたることなく、すでに10回以上着用していますが、履き心地やクッション性はほとんど変わらず、初回の感触がしっかりと残っています。ゴムの伸びやパイルの潰れも今のところ見られず、耐久性の高さを実感しています。
そして何より、“ソロパッズを履いている”という事実そのものが、プレーへのモチベーションを高めてくれます。かつての名プレーヤーたちが愛用していた伝説のソックスを、自分の足元に感じながらプレーする──それだけで気持ちが引き締まり、自然とギアが一段上がるような高揚感があります。しかもいまだにMade in USAを続けている点もすごい。
今回改めて履いてみて感じたのは、これは単なる懐かしさではなく、今なお現役で通用する機能性を備えたソックスだということ。入手は簡単ではありませんが、もし機会があれば、テニスを愛する方にはぜひ一度試していただきたいと思います。
ソロパッズは、そんな特別なソックスです。

