これまで私は、オムニコートで止まりすぎることが怖くて、オムニ専用シューズを避け、クレー専用シューズを愛用してきました。
しかしながら、オムニコート(砂入り人工芝コート)は、施設によって、人工芝の長さ・目の細かさと硬さ、砂の量、砂の偏りによって、全然滑らないコートから滑りすぎるコートまで、本当に千差万別です。
特に、芝が硬めで砂の量が多いオムニコートはかなり滑ってしまい、クレー専用シューズでも太刀打ちが出来ないことも。オムニでも最高のフットワークを追求したいと考え、10年ぶりにオムニ専用シューズを購入しました。
それが今回紹介する『アシックスゲルレゾリューション8OC』です。
ゲルレゾリューション8OCとは
言わずと知れた、アシックステニスシューズのフラッグシップモデルのひとつが、このゲルレゾリューション8です。初代ゲルレゾリューションの誕生が(記憶が間違いでなければ)2009年で、少しずつ改良が加えられながらシリーズも8番目に突入しました。
アシックスは他にも、デミノーやゴファンが愛用する『SOLUTION SPEED FF 2』や、ジョコビッチ、チョリッチが着用の『COURT FF 2(ジョコビッチ着用モデルはCOURT FF NOVAKという名称)』が、プロモデルとして展開されています。
製品プロファイル
メーカー | アシックス(ASICS) |
製品名 | ゲルレゾリューション8(GEL-RESOLUTION 8 OC) |
製造国 | MADE IN VIETNUM |
価格情報 | 定価¥ 15,950 (税込) |
素材 | インナーソール:合成樹脂(ORTHOLITE)/取替式 アッパー素材:合成繊維+合成樹脂・人工皮革、アウター素材:ゴム底 |
うたい文句 |
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シリーズそれぞれの特徴は、次の通りです。
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テニス界のお洒落番長”モンフィス”が愛用
ゲルレゾリューション8の選手モデルを務めているのが、テニス界のお洒落番長”G.モンフィス”です。
最近やや調子が上がらないモンフィスですが、またあの躍動感あふれるプレーを見せてもらいたいものです。
ゲルレゾリューション8OCのインプレ/レビュー
実際に履いてプレーをしてきました。しかも最初に使ったのが、市民大会シングルスの本番という、少々計画性のない履きおろしとなりました。
が、とんでもなく良かったです、このシューズ!
- 走り出しのグリップ力が最高
- ストップ性能は自分史上最高
- ミッドソールのクッション性が意外とソフト
- スタビリティモデルにも関わらず非常に軽量
- アッパーの柔軟性が良好(全面樹脂製だが屈曲部が足に刺さったりしない)
- デザインが秀逸
ソールパターンの工夫で最高のダッシュ&ストップを実現
イボイボのスタッドパターンは、普通のオムニソールに見えますが、よくよく眺めてみると、そのスタッドは後方に向けて傾斜していることが分かります。
この傾斜したスタッドが、前方へのダッシュ時に強力にコートを掴んでくれます。一方で、前方に対してなだらかなのは、「止まりすぎ」を防止する狙いがありそうです。
とは言っても、とにかくよく止まるソールで、スライディングを意識しすぎるのは少々危険。
滑ることを前提にしたフットワークよりも、止まることを前提にしたフットワークを意識することがこのシューズでは重要です。
「オムニコートでハードコートの様なフットワークができる」、多少言い過ぎかも知れませんが、そう言いたくなるくらいのグリップ&ストップ性能でした。
そして、ゲルレゾリューション、ソリューションスピードFF、コートFF2のオムニモデルは、伝説のオムニテレインのソールパターンを踏襲しています。「止まりすぎ注意!」と言われたオムニテレインのソールですので、そりゃあ優秀ですよね!
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— tennis365.net テニス365 (@tennis365) December 27, 2016
軽量・俊敏性はミッドソールのおかげ!?
ゲルレゾリューション8は、剛性の高いスタビリティモデルながら、履いてみるととても軽量で動きやすいシューズです。
その理由のひとつが、このシューズのミッドソールに使われる、アシックス独自開発の『フライトフォーム(FlyteFoam=FF)』によるものです。
フライトフォームは、軽量かつ高クッション、高耐久性を実現した画期的な素材で、スポーツシューズのミッドソールに最適とされています。この素材のおかげで、アシックスのテニスシューズが進化したことは間違いありません。
公式サイトには、フライトフォームの開発秘話も載っていて、とても興味深かったです。
デザインはゲルレゾリューション6のDNA
アッパーはメッシュの樹脂で覆われていて、軽量性と耐久性が両立されています。
前足部は、2代前のゲルレゾリューション6の「屈曲性に優れたデザイン」にそっくりで、つま先の屈曲性にも優れています。
硬めのアッパーのシューズは、屈曲部が足に刺さって痛くなってしまうケースがありますが、少なくとも私は、一切そのようなことは起こりませんでした。
今回、大切な試合でシューズを履き下ろすという無謀な挑戦をしましたが、試合中は一切痛みも違和感もなく、履き心地は最高でした。
サイズ感
ご参考までですが、
私は、ゲルレゾリューション6、ソリューションスピードFFで26cmがジャストサイズですが、このゲルレゾリューション8OC 普通幅(2E)も、同じく26cmがジャストサイズでした。
ゲルレゾリューション8に搭載のテクノロジー
簡単にこのシューズに搭載されているテクノロジーを紹介します。
ダイナウォール(DYNAWALL)
シューズの外側エッジに設けられた、割と大きめの樹脂製『壁パーツ』で、横への足ブレを防止する安定性機能。
見た感じの硬そうなイメージと違い、意外と柔軟性のある素材なので、ソール本来のクッション性も損なわれていないと感じました。
ダイナラップ(DYNAWRAP)
前足部のフィット感を高めるための、バンド形状の『締め付けパーツ』です。
インソールから前足部につながる布バンドで、靴紐を通すハトメと連動しているので、靴紐を締めると自然にダイナラップも締まって、前足部のフィットが高まります。
すでに他の競技用シューズでも展開されている機能で、評判は高そうです。
その他情報
ゲルレゾリューション8は、通常幅の2Eモデルだけでなく、幅広ワイドモデルの3Eもラインアップされています。
これまで、ゲルレゾリューションに憧れつつ横幅の狭さで履けなかった方々も、今回のシリーズなら選ぶことができそうです。
まとめ
久しぶりのオムニシューズとして選んだ『アシックス ゲルレゾリューション8OC』は、自分史上で最もダッシュ力とストップ性能に長けたオムニ専用シューズでした。
アッパー、ミッドソール、履き心地の工夫も秀逸で、柔軟性が両立できたスタビリティモデルです。
その「抜群のストップ性能」は、止まりすぎる砂の少ないオムニだと、少し危険ですので注意が必要です。
今回私が履き下ろしたコートは、砂がまんべんなく行き渡ったオムニでしたので、フットワークの改善が実感できました。
『アシックス ゲルレゾリューション8OC』は間違いなくおススメできるオムニ専用シューズです。